『夫が作ったこの家、思いがいっぱいです』

contents section

北野一美さん(1941年生まれ)

 これは「我が一代記」だ。生まれ育った山梨から新潟・川西へ。親戚、友だちが一人もいない地での生活は、まさに「無我夢中」の人生だった。

 役場にも
農協にも、
商工会にも
断られたと劇団制作の女性が訪ねて来た。ミュージカル劇団公演の思いを聞き、
「よし、やってみよう」
と決めた『ふ
るさときゃらばん』川西町公演は、28年前の1995年。親戚も友だちも、誰一人知らない地に来た時の、当時の自分と重なった。
 公演費用260万円、千人の観客が必要。合併前の川西町人口は8千人余。「あの時、商工会女性部長でした。会員に川西町のイメージカラーをアンケートで聞いたんですが、灰色、黒など暗いイメージばかり」。
 そこで、「元気が出ることをやろうと声を掛け、それが劇団公演。1人1万円出資を広げ、その輪が広がって1枚3千円のチケットが千2百枚売れたんです」。劇団公演に取り組んだメンバーの『熱』を次につなげようと、旗揚げした町民劇団「かわにし夢きゃらばん」は今も続く。

続きは本誌2024年5月18日号を御覧ください