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妻有まるごと博物館一覧

  • 冬のヒーロー除雪隊

    照井 麻美(津南星空写真部)

     ロータリ除雪車やタイヤショベルを乗りこなし、私たちが朝出かけるまでの間に町中の道路を通れるようにしてくれている「豪雪地帯のヒーロー」除雪隊。
     全国の除雪隊の始まりは北海道札幌市が始まりとされ、青森空港の除雪隊は『ホワイトインパルス』と呼ばれ、滑走路などの冬季でも滞りなく飛行機が離発着できるよう完璧なまでの除雪を行い全国的にも有名だ。
     この地域の除雪は北の雪とは違い、重く湿っていて、扱いが難しいが、これだけキレイに除雪されている地域はほとんどない。
     私が初めて目にした津南・十日町の冬道はスノータイヤじゃなくても走れるのではないかと思うほどきれいだった。
     この地域に住んでいると当たり前の光景かもしれないが、民家の前やすぐ近くの道にあんな大きな重機が走り回って、大量の雪を退けていく。
     私はそんな除雪隊がカッコイイなぁと早朝の作業を見るのがこれからの日課。
     人口減少問題の中、除雪隊の人手不足も深刻な問題となっているが、昼夜問わず、生活に欠かせない必要不可欠な仕事に冬のヒーローとして、次の世代の除雪隊が増えることを切に願っている。

    2024年12月7日号

  • ツキヨタケとその発光

    南雲 敏夫(県自然観察指導員)

     毒キノコで有名なツキヨタケ、毎年あちこちでこのキノコでの食中毒が発生している。確かに一見するとムキタケやヒラタケと間違いやすいのも事実。
     それらのキノコと違ってツキヨタケは名前の通り、傘の裏側が発光する。これを見た事がある人はほとんどいないと思われるが…。
     この写真は採ってきたばかりの新鮮なツキヨタケを真っ暗な部屋に置いて撮影したもので、少しでも周囲に明かりがあると光るのが判らないほど微光である。
     真っ暗な部屋だと、傘裏がわずかにぼーっとした淡い光が見える。
     カメラをバルブ撮影で感度を上げて30秒ほど露出をかけて撮影。そうするとこのような緑色の鮮やかな写真が撮れる。
     今年は終わりだが興味ある人は来年狙って見てはいかが。

    2024年11月30日号

  • 南から来た蝶

    中沢 英正(県自然観察保護員)

     地球温暖化と言われて久しい。長く続く暑さは勘弁してほしいし、穏やかな春の日やさわやかな秋の日が少なくなるのは寂しい。
     気温に敏感なのは昆虫の方が上。今まで見なれなかった南方種の蝶を目にする機会が増えた。
     ツマグロヒョウモン(写真左)は近畿以西に分布していたのだが、関東から東北南部まで広がってきている。津南町では10年ほど前から、栄村や野沢温泉村では2年くらい前から花に止まる姿を見かけるようになった。メスの前翅の先半分が紫黒色なのが特徴である。
     クロコノマチョウ(写真右)は、静岡県以西の沿岸地域に分布するが、生息域は関東北部まで広がっている。津南町では今秋に2個体確認した。コナラの樹液を吸う姿は枯れ葉と見まがうほど目立たぬ色合い。成虫越冬するのだそうだが南国由来の蝶に雪国の冬は過酷であろう。
     南方の蝶が見られるようになったのは嬉しいが、今まで飛び廻っ
    ていた北方の蝶が見られなくなったら悲しい。

    2024年11月23日号

  • 魚野川取水堰 その3

    小林 幸一(津南案内人)

     魚野川取水堰上流の水門は土砂の崩落で半分近くが埋まっており、そのガレ場を登って水門の裏に回ってみると、山肌に不気味な隧道が半分埋まった状態で口を開けていました。今まで入った秋山郷の廃隧道では複数で入っていたので怖い思いはしていませんが、ひとりで入るには気持ちの良いものではありません。此処では念のため動物の痕跡を確認しながら斜面を降り少し奥の方まで入ってみました。
     また、これまでの隧道は電車を通すため広い空間がありましたが、水路用の隧道は狭く圧迫感があり、最深部まで行くのは断念しました。
     この隧道は初代の魚野川取水堰が運用前に土砂の崩壊で埋没し、工事途中で破棄されたものか、高さ関係から見ても現在の取水口より高い位置にあります。
     これらの遺構はやがて土砂で埋没しますが、秋山郷の電源開発遺産として記録して行きたいと思います。
    (現地は私有地や砂防ダムで塞がれ立ち入ることはできません)

    2024年11月16日号

  • カマキリの卵と積雪量

    照井 麻美(津南星空写真部)

     「カマキリの卵が高いところに産み付けられていれば今年は大雪だ」という雪国の言い伝えのような話を皆さん一度は聞いたり、話したことがあると思います。
     この話は本当なのか? 平成9年(1997)にカマキリの卵が産み付けられる高さと、最大積雪深に関する研究発表が新潟県出身の酒井氏からされ、それがテレビなどのメディアを通じて広く知られるようになったようです。
     しかし、近年弘前大学の安藤喜一氏によってそれは間違いであるということが書物でも書かれており、そもそもカマキリの卵は寒さや雪、耐水性にも優れており、雪に埋もれても春には羽化することがわかっています。
     研究内容を見るとカマキリ自身が積雪予想をして卵を産み付ける高さを変えているわけではなさそうですが、気候の変化によって大気中の水分量や樹木の成長具合によって産卵場所が異なっているように感じました。
     個人的にはこの秋見かけたカマキリの卵は3ヵ所で全て地上から約140cmのところに付いていたことや、ヘクサムシの数も見逃せませんが、ぜひ皆さんも今年の積雪量を予想してみてください。

    2024年11月9日号

  • 白い虹

    南雲 敏夫(県自然観察指導員)

     白い虹、尾瀬や北海道の湿原などでよく見られる虹だが、意外や意外でこの虹は信濃川の田んぼの中で見られたものである。
     秋の晴れた日は信濃川の朝霧がすごい状態になるが、その朝霧が薄れてきたときに背後から太陽が出て霧を照らせばよく見えるという事になる。
     だから意外と言っても条件が同じようになれば何処でも見られると言っても良いかと思うのだが。
     通常の虹は太陽の光が雨粒に反射する際、雨粒がプリズムの役割を果たして太陽光が分光されるために七色に見えます。
     一方、白虹は太陽の光が霧の粒に反射・散乱して見られます。霧の粒は雨粒より細かいためプリズムのように分光されず、すべての波長の光が同じように散乱されるために白く輝いて見えます。
     太陽の高度が低い明け方や夕方に、霧が出ていて薄くなってくればこのような白い虹が見られる事があると言う事です。
     これから、夜間に気温が下がって放射冷却が起これば川沿いで見られるチャンスは多いと思います。

    2024年11月2日号

  • 似た者同士

    中沢 英正(県自然観察保護員)

     10月になると、花をつける植物の種類は随分と限られてしまう。目立つのは外来種のセイタカアワダチソウだ。でも、足元に目をやればまだまだ小さな花を見つけることができる。
     日当たりの良い開けた場所で見つかるのが「ザクロソウ」(写真左)である。花期は6~8月だが、近年の温暖化の影響なのか秋遅くまで花を咲かせている。庭先や畑で草取りをする人にはお馴染みさんだ。
     そのそっくりさんに「クルマバザクロソウ」(写真右)がある。こちらは熱帯アメリカ原産の外来種で明治期に渡来したという。苗場山麓で見かけるようになったのは35年ほど前からである。ザクロソウと同じ環境を好むことから、生育場所をめぐる争いが起きているのかも…。
     暖かな秋は適応力の強い外来種にとって分布を広げるチャンスなのである。

    2024年10月26日号

  • 魚野川取水堰 その2

    小林 幸一(津南案内人)

     先日意を決して魚野川の水門の遺構を調査しました。
     水門は完成した当時は9本の柱が上部で連結し洪水で水嵩が増した時の捌け口だったようですが、現在は右半分ほど残り、あとは土砂崩の中に埋まっていいます。
     石柱は割石にセメントを充填したつくりで2本の溝が切られています。溝には厚い板を2重に落とし込む方式で柱の両側に刻まれています。
     現場はガレ場で大変危険な所です。また河川敷以外は私有地で立ち入ことは出来ません。
     続く。次回は水門の裏にある不気味な…。

    写真:100年前の水門(東京電力ホールディングス株式会社電気の史料館より借用)

    2024年10月19日号

  • 「巨大な蛾ヤママユ」

    照井 麻美(津南星空写真部)

     津南町に移住して、夜のコンビニに行くとさまざまな虫が看板の明かりや照明に集まっていることに驚いた。
    都心では買ったり、わざわざ旅行先に出かけて捕るカブトムシやクワガタも夜の山に入るより簡単にコンビニ前で見つけられたりする。
     それだけ虫たちも多種多様に生息する自然があるからなのだと思う一方、都心では考えられないほどの大きな虫に出会い大変驚いたことがある。
     ある日の入浴中、誰かが窓をたたくような音がすると思い、窓の方を見ると誰もいない。
     風か気のせいと思い、また湯船でくつろいでいるとまた同じような音が聞こえてくるのだ。
     何だろうと思い、窓をずっと見ていると手のひらサイズの蛾が室内の明かり目掛けて窓ガラスに体当たりしていた。
     大きさもさることながら、蛾の厚みと重量感に不気味さを感じ、こんなに大きな蛾が田舎にはいるのかと驚いたことをよく覚えている。
     他にもオニヤンマやムカデなど都心では見かけない大きさの虫に驚くこともしばしばだが、これも都会にはない田舎の良さと今は思えている。

    2024年10月12日号

  • カワウの群れ

    南雲 敏夫(県自然観察指導員)

     最近、夕方になるとカワウの群れが寝ぐらへと向かう姿を良く見る事がある。Vの字の形でかなりの数が夕焼けの中を通過している。
     春に繁殖を抑えるために巣を壊したりして数が増えないようにしているが、そこは野生生物、やはり数が多いといつも思っている次第。幸い、カワウの寝場所は河原の河川敷なので糞公害は無いとおもうのだが、ただ漁協の方たちには頭の痛い問題だと思っている。
     カワウは潜水能力が高いため水中で小魚を狙うが、放流した稚魚なども相当の被害が出るかもしれないので悪者扱いされているのが実情。カワウの数が少なければ良いが繁殖率が旺盛。共存の道はあるんだろうか⁉

    2024年10月5日号

  • 冬のヒーロー除雪隊

    照井 麻美(津南星空写真部)

     ロータリ除雪車やタイヤショベルを乗りこなし、私たちが朝出かけるまでの間に町中の道路を通れるようにしてくれている「豪雪地帯のヒーロー」除雪隊。
     全国の除雪隊の始まりは北海道札幌市が始まりとされ、青森空港の除雪隊は『ホワイトインパルス』と呼ばれ、滑走路などの冬季でも滞りなく飛行機が離発着できるよう完璧なまでの除雪を行い全国的にも有名だ。
     この地域の除雪は北の雪とは違い、重く湿っていて、扱いが難しいが、これだけキレイに除雪されている地域はほとんどない。
     私が初めて目にした津南・十日町の冬道はスノータイヤじゃなくても走れるのではないかと思うほどきれいだった。
     この地域に住んでいると当たり前の光景かもしれないが、民家の前やすぐ近くの道にあんな大きな重機が走り回って、大量の雪を退けていく。
     私はそんな除雪隊がカッコイイなぁと早朝の作業を見るのがこれからの日課。
     人口減少問題の中、除雪隊の人手不足も深刻な問題となっているが、昼夜問わず、生活に欠かせない必要不可欠な仕事に冬のヒーローとして、次の世代の除雪隊が増えることを切に願っている。

    2024年12月7日号

  • ツキヨタケとその発光

    南雲 敏夫(県自然観察指導員)

     毒キノコで有名なツキヨタケ、毎年あちこちでこのキノコでの食中毒が発生している。確かに一見するとムキタケやヒラタケと間違いやすいのも事実。
     それらのキノコと違ってツキヨタケは名前の通り、傘の裏側が発光する。これを見た事がある人はほとんどいないと思われるが…。
     この写真は採ってきたばかりの新鮮なツキヨタケを真っ暗な部屋に置いて撮影したもので、少しでも周囲に明かりがあると光るのが判らないほど微光である。
     真っ暗な部屋だと、傘裏がわずかにぼーっとした淡い光が見える。
     カメラをバルブ撮影で感度を上げて30秒ほど露出をかけて撮影。そうするとこのような緑色の鮮やかな写真が撮れる。
     今年は終わりだが興味ある人は来年狙って見てはいかが。

    2024年11月30日号

  • 南から来た蝶

    中沢 英正(県自然観察保護員)

     地球温暖化と言われて久しい。長く続く暑さは勘弁してほしいし、穏やかな春の日やさわやかな秋の日が少なくなるのは寂しい。
     気温に敏感なのは昆虫の方が上。今まで見なれなかった南方種の蝶を目にする機会が増えた。
     ツマグロヒョウモン(写真左)は近畿以西に分布していたのだが、関東から東北南部まで広がってきている。津南町では10年ほど前から、栄村や野沢温泉村では2年くらい前から花に止まる姿を見かけるようになった。メスの前翅の先半分が紫黒色なのが特徴である。
     クロコノマチョウ(写真右)は、静岡県以西の沿岸地域に分布するが、生息域は関東北部まで広がっている。津南町では今秋に2個体確認した。コナラの樹液を吸う姿は枯れ葉と見まがうほど目立たぬ色合い。成虫越冬するのだそうだが南国由来の蝶に雪国の冬は過酷であろう。
     南方の蝶が見られるようになったのは嬉しいが、今まで飛び廻っ
    ていた北方の蝶が見られなくなったら悲しい。

    2024年11月23日号

  • 魚野川取水堰 その3

    小林 幸一(津南案内人)

     魚野川取水堰上流の水門は土砂の崩落で半分近くが埋まっており、そのガレ場を登って水門の裏に回ってみると、山肌に不気味な隧道が半分埋まった状態で口を開けていました。今まで入った秋山郷の廃隧道では複数で入っていたので怖い思いはしていませんが、ひとりで入るには気持ちの良いものではありません。此処では念のため動物の痕跡を確認しながら斜面を降り少し奥の方まで入ってみました。
     また、これまでの隧道は電車を通すため広い空間がありましたが、水路用の隧道は狭く圧迫感があり、最深部まで行くのは断念しました。
     この隧道は初代の魚野川取水堰が運用前に土砂の崩壊で埋没し、工事途中で破棄されたものか、高さ関係から見ても現在の取水口より高い位置にあります。
     これらの遺構はやがて土砂で埋没しますが、秋山郷の電源開発遺産として記録して行きたいと思います。
    (現地は私有地や砂防ダムで塞がれ立ち入ることはできません)

    2024年11月16日号

  • カマキリの卵と積雪量

    照井 麻美(津南星空写真部)

     「カマキリの卵が高いところに産み付けられていれば今年は大雪だ」という雪国の言い伝えのような話を皆さん一度は聞いたり、話したことがあると思います。
     この話は本当なのか? 平成9年(1997)にカマキリの卵が産み付けられる高さと、最大積雪深に関する研究発表が新潟県出身の酒井氏からされ、それがテレビなどのメディアを通じて広く知られるようになったようです。
     しかし、近年弘前大学の安藤喜一氏によってそれは間違いであるということが書物でも書かれており、そもそもカマキリの卵は寒さや雪、耐水性にも優れており、雪に埋もれても春には羽化することがわかっています。
     研究内容を見るとカマキリ自身が積雪予想をして卵を産み付ける高さを変えているわけではなさそうですが、気候の変化によって大気中の水分量や樹木の成長具合によって産卵場所が異なっているように感じました。
     個人的にはこの秋見かけたカマキリの卵は3ヵ所で全て地上から約140cmのところに付いていたことや、ヘクサムシの数も見逃せませんが、ぜひ皆さんも今年の積雪量を予想してみてください。

    2024年11月9日号

  • 白い虹

    南雲 敏夫(県自然観察指導員)

     白い虹、尾瀬や北海道の湿原などでよく見られる虹だが、意外や意外でこの虹は信濃川の田んぼの中で見られたものである。
     秋の晴れた日は信濃川の朝霧がすごい状態になるが、その朝霧が薄れてきたときに背後から太陽が出て霧を照らせばよく見えるという事になる。
     だから意外と言っても条件が同じようになれば何処でも見られると言っても良いかと思うのだが。
     通常の虹は太陽の光が雨粒に反射する際、雨粒がプリズムの役割を果たして太陽光が分光されるために七色に見えます。
     一方、白虹は太陽の光が霧の粒に反射・散乱して見られます。霧の粒は雨粒より細かいためプリズムのように分光されず、すべての波長の光が同じように散乱されるために白く輝いて見えます。
     太陽の高度が低い明け方や夕方に、霧が出ていて薄くなってくればこのような白い虹が見られる事があると言う事です。
     これから、夜間に気温が下がって放射冷却が起これば川沿いで見られるチャンスは多いと思います。

    2024年11月2日号

  • 似た者同士

    中沢 英正(県自然観察保護員)

     10月になると、花をつける植物の種類は随分と限られてしまう。目立つのは外来種のセイタカアワダチソウだ。でも、足元に目をやればまだまだ小さな花を見つけることができる。
     日当たりの良い開けた場所で見つかるのが「ザクロソウ」(写真左)である。花期は6~8月だが、近年の温暖化の影響なのか秋遅くまで花を咲かせている。庭先や畑で草取りをする人にはお馴染みさんだ。
     そのそっくりさんに「クルマバザクロソウ」(写真右)がある。こちらは熱帯アメリカ原産の外来種で明治期に渡来したという。苗場山麓で見かけるようになったのは35年ほど前からである。ザクロソウと同じ環境を好むことから、生育場所をめぐる争いが起きているのかも…。
     暖かな秋は適応力の強い外来種にとって分布を広げるチャンスなのである。

    2024年10月26日号

  • 魚野川取水堰 その2

    小林 幸一(津南案内人)

     先日意を決して魚野川の水門の遺構を調査しました。
     水門は完成した当時は9本の柱が上部で連結し洪水で水嵩が増した時の捌け口だったようですが、現在は右半分ほど残り、あとは土砂崩の中に埋まっていいます。
     石柱は割石にセメントを充填したつくりで2本の溝が切られています。溝には厚い板を2重に落とし込む方式で柱の両側に刻まれています。
     現場はガレ場で大変危険な所です。また河川敷以外は私有地で立ち入ことは出来ません。
     続く。次回は水門の裏にある不気味な…。

    写真:100年前の水門(東京電力ホールディングス株式会社電気の史料館より借用)

    2024年10月19日号

  • 「巨大な蛾ヤママユ」

    照井 麻美(津南星空写真部)

     津南町に移住して、夜のコンビニに行くとさまざまな虫が看板の明かりや照明に集まっていることに驚いた。
    都心では買ったり、わざわざ旅行先に出かけて捕るカブトムシやクワガタも夜の山に入るより簡単にコンビニ前で見つけられたりする。
     それだけ虫たちも多種多様に生息する自然があるからなのだと思う一方、都心では考えられないほどの大きな虫に出会い大変驚いたことがある。
     ある日の入浴中、誰かが窓をたたくような音がすると思い、窓の方を見ると誰もいない。
     風か気のせいと思い、また湯船でくつろいでいるとまた同じような音が聞こえてくるのだ。
     何だろうと思い、窓をずっと見ていると手のひらサイズの蛾が室内の明かり目掛けて窓ガラスに体当たりしていた。
     大きさもさることながら、蛾の厚みと重量感に不気味さを感じ、こんなに大きな蛾が田舎にはいるのかと驚いたことをよく覚えている。
     他にもオニヤンマやムカデなど都心では見かけない大きさの虫に驚くこともしばしばだが、これも都会にはない田舎の良さと今は思えている。

    2024年10月12日号

  • カワウの群れ

    南雲 敏夫(県自然観察指導員)

     最近、夕方になるとカワウの群れが寝ぐらへと向かう姿を良く見る事がある。Vの字の形でかなりの数が夕焼けの中を通過している。
     春に繁殖を抑えるために巣を壊したりして数が増えないようにしているが、そこは野生生物、やはり数が多いといつも思っている次第。幸い、カワウの寝場所は河原の河川敷なので糞公害は無いとおもうのだが、ただ漁協の方たちには頭の痛い問題だと思っている。
     カワウは潜水能力が高いため水中で小魚を狙うが、放流した稚魚なども相当の被害が出るかもしれないので悪者扱いされているのが実情。カワウの数が少なければ良いが繁殖率が旺盛。共存の道はあるんだろうか⁉

    2024年10月5日号