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妻有新聞掲載記事一覧

  • 2025豪雪 住民生活圧迫、「雪のやり場がない」

    十日町市・津南町、豪雪対策本部設置、国の災害救助法適応

    松之山4㍍間近、24時間降雪101㌢、雪害発生の要警戒

     連続降雪が4日から続き十日町市と津南町に国災害救助法が適用となった。十日町市は7日午前10時半に豪雪対策本部を設置、その後も降雪が続き9日午前10時半に豪雪災害対策本部に移行。同日川西・中里・松代・松之山地域は国災害救助法の適用、十日町地域は11日午前12時半に適用となり全市が対象となった。一方、津南町でも大雪警戒本部を7日正午に立ち上げ、10日午後4時に豪雪災害対策本部に移行。国災害救助法の適用を受けた。国災害救助法適用地域では要援護世帯の緊急屋根の雪下ろしや除排雪を9~28日の20日間行う。十日町市の国災害救助法適用は令和3年(2021)以来4年ぶり。昨年、一昨年と少雪だったが、今冬は一転して2月から集中降雪により大雪模様となった。

    2025年2月15日号

  • 43歳、滝澤青葉氏が名乗り

    新人4人目、川西地域集中、現職動向に関心

     定数を5人削減し、改選定数19で臨む十日町市議選(現定数24)は4月20日告示、27日投票の市長選と同時選で行うが、今月に入り現職・吉村重敏氏が引退する中条地区から滝澤青葉(せいよう)氏(43)が10日、出馬を表明した。川治地区や「戦国時代」の様相を見せている川西地域でいまだ進退が微妙な現職もある。引退が確定している現職は2人でこのため15日現在、新人4人、現職22人の合わせて26人の出馬が見込まれているが情勢は流動的だ。

    2025年2月15日号

  • 思ったら、まっしぐら

    中町 優也さん(1984年生まれ)

     「五つ上の兄が車好きでラジコンカーに夢中で、すっかり影響されましたね。小6の時、もらったお年玉で雑誌に載っていた大阪の店にラジコンカーを直接注文したんです。毎日、毎日待って、来た時は本当に嬉しかった。その車はこづかいで、改装しながら大切に使いましたよ」。
     これと思
    ったら、徹底的に突き進み、とことん詰めていき、納得できるまで取り組む、そういう性分の子だった。すべて先ずはやってみて、経験を通じて感覚を知り、感動を自分のものにしてきた。
     「中学の頃はバイクに憧れたね。床屋の叔父からもらったマンガ本に出ていた『湘南暴走族』にはしびれた。かっこよくって、硬派で、これぞ男だって。バイクには乗れないから、自転車に背もたれを付けて、カッコつけた。永ちゃんこと矢沢永吉さんに憧れて、親のポマードをちょっと借りてリーゼント風にして、くしをポッケにさして…、そしたら皆からは『くさーい』なんて言われましたけどね」。
     多感な時期の刺激的な出会いは、その後にも大きく影響した。そのまま高校へ。
     「硬派! といえば学ランにバイクってことで、進学先は十日町高校に決めましたが、模試で合格率10%とか出て、こりゃマズイと頑張りました」。
     十高入学後、その年の誕生日の7月、早々に原付免許を取得した。
     「叔母から譲ってもら
    ったホンダのシャリィ。いやぁー本当に嬉しかった。毎日触ったり、のったり、改造したり、もう離さない、でしたね。群馬や長野にツーリングへ行き、高校最後の春休みには静岡まで行った。修理もなんも、全部自分で、ですよ」。
     18歳になりすぐに車免許を取得、あっという間の高校3年間。進路に迷いはなかった。兄が進んだトヨタ専門学校へ。
     「高校の担任からは、趣味と仕事は分けた方がいいぞって言われたんですけどね。でも、毎日毎日、触っていても飽きない、これは趣味というより、もう天職だ、と進学先を決めました」。
     専門学校は八王子にあった。2年間の学生生活。「学校の授業で習うことは、自分がこれまでしてきたラジコン造りやバイク修理などが主で、これってもう分かっていることばかり。遊びで学んでたんだなって。卒業後はネッツトヨタ新潟・柏崎支店へ行きました。やはり社会は違いましたね。仕事と責任の重さを感じました」。
     社会人1年生、さまざまなストレスを感じた時は、車やバイクに乗り気分転換。愛車カリーナで「ドリフトの聖地」にもよく行った。

     「友だちの結婚式の二次会で出会ったんです。やはり仕事も大事ですから、ピットランドに転職したんです」。
     25歳で結婚。2年後、長男誕生、さらに長女誕生…。子どもたちとの触れ合いを大切にしたい、との思いが強くなった。
     「子どもたちともっと上手に関われるようになりたい…どうしようかと子育ての勉強をしているうち、面白くなって。よし、保育士になろうと決め、そこから猛勉強しました。でも、またです、合格率10%…、でも絶対受かってやると、義父にタンカ切ったんですよ」。
     努力が実り保育士に合格。32歳の時。だが再び、フツフツと車への思いがよみがえって来た。
     「保育園への就職前に、ちょっとのアルバイトと思ってピットランドの自動車板金部門で働いたんです。それが楽しくて、楽しくて。車体をきれいになおせた時や、塗れた時の感動、あの感覚がよみがえって来たんです。またピットランドに戻りました」。

     2021年6月、独立し『ナカマチモータース』を十日町市山本町に開業。背中を押してくれたのは妻・彩恵さん。
     「思ったら、もうやらないではすまない性分ですからね。妻もやりたいことはやった方がいいと、いつも背中を押してくれます。彩恵様ですね、感謝、感謝です」。
     経営者となり、人からの言葉や友だちからのアドバイスが身に染みるようになった。
     「これまで、あまり人の助言とか聞かなかったんですね。今になってその言葉の大切さがやっと分かったという感じです。ちょっと自分の成長を感じますよ」
     心がけは、いつも同じ。求める人たちを第一に。
     「1台1台を大切に、ていねいに扱う、この基本を大切にです。当たり前のことですが、この基本こそ大事です。これからは事業をもう少し拡げられたらいいな、なんて思っています」。
     ▼バトンタッチします
     村山遥菜さん

    2025年2月15日号

  • 動きがとれない県民の命の話

    県民投票実現を

    藤ノ木信子 (清津川に清流を取り戻す会)

     スーパーの食品売り場に立って「高~い!」と叫びたくなる今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。他の事は我慢できても食品が高いのは節約できないだけに気が滅入る。日本のエンゲル係数が43年ぶりに28・3%の高水準になったとのニュース。(43年前って上越新幹線ができた頃?)庶民はお財布と相談の毎日…。
     一方で石破茂首相は日米首脳会談で1兆ドル(約151兆円)アメリカに投資を表明。日本の国家予算は115兆円だ。これ、誰が払うの?買収でなくて投資って民間企業間の話だよね。税金使うなら日本の産業(農林水産業)にもっと投資して自給率上げようよ。若者や子どもたちに投資して人口増やそうよ。落とし穴のように陥没する道路や古くなったインフラはどうするの?過去最高の税収はどこいった? 確定申告の作業をしながら何だか虚しくなってしまうのは私だけかな…。
     たくさんの情報に触れ、何が正しく何を信じるかを選び、分からない事は調べ、続報を追い、立場の違う視点からも考える…そんな面倒な作業からそろそろ離れたいと思う年齢になった。もうどうでもいいや…と思えるくらい分からない世の中になった。
     でもね、こんな末期的な国の中で、大事なことは自分たちで決めるという基本の基を忘れず活動している人がいる。先週の本紙オピニオン欄で齋木さんが書かれているように『柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会』の署名が15万筆を超え、県民投票条例案が県議会にあがる。発起人はじめ署名集めに歩いて下さった方々の不断の努力に頭が下がる。足元の問題にコツコツ取り組む姿勢が世の中を変えていくんだろうな…。
     国民民主党の玉木氏が原発を視察して「総理自ら動くべき時」と再稼働を注文した。世界最大規模の原発を止めておくのは勿体ないという理由だそうだ。新潟県民と話をしただろうか。(電力総連から国民民主党に多額の献金の報道も…)
     この原稿を書いている数日間、雪が降り続いて積雪は3㍍を超え、豪雪災害対策本部が設置された。こんな道路や鉄道の状態で原発事故が起きたら速やかに避難できるだろうか。
     首都圏の電気料金が高い安いって話ではなく、子どもや高齢者、妊婦など動きがとれない県民の命の話をしてほしい。
     県議の皆さん、どうか県民の声を聴く県民投票条例の制定を考えて下さい。県議会が住民投票(条例)を肯定することは、議会の存在意義を否定することではありません。投票結果の尊重だけで、新潟県民の思いは国に伝わるから。

    2025年2月15日号

  • 雪繭

    小林 幸一(津南案内人)

     秋山郷和山集落の対岸にあった「もっきりや」は昨年から和山集落に引っ越しましたが、冬季間の行き来は中津川にワイヤーを渡し、小さな籠を吊るした籠渡し「野猿」でした。
     野猿に乗ってロープを引っ張ると野猿は中津川の上空に飛び出します。中間地点に差し掛かると上流に白い饅頭のような雪形が見えてきます。何処にでもあるようで、これだけ形の整った雪型は見たことがありません。私はこれを「雪繭」と名付け、絵や写真で創作しましたが、昨年苗場酒造の新銘柄に「雪繭」として提案したところ、なんと一番の売れ筋の「醸す森」のリブランドとして「ゆきのまゆ」の銘柄で売り出されることになりました。
     ブランド名がひらがなになった理由として「繭」の漢字が女性向けでなかったことが想像できますが、この漢字には草冠の下で糸と虫が仲良く並び、まさにまゆのイメージにピッタリの漢字になっています。新宿にあるモード学園コク―ンタワーはこれから世界に飛び出す学生たちを繭の外観でイメージしました。新ブランドの「ゆきのまゆ」が日本一雪の降る町のお酒として世界に向けて旅立つことを期待します。

    2025年2月15日号

  • 除排雪、冬の公共事業

     国県道、市町村道の除排雪は当たり前だ。土木分野の公共事業は冬期間、休眠状態が多く、その「事業力」をこの地に暮らす住民の暮らしを支える除排雪に導入する、それが「冬の公共事業」。建築・建設・土木の事業者の多くは、雪処理する小型から大型重機や除排雪機械を持つ。これを公共事業としてフル活用する方策はできないか。
     今回の大雪で十日町市、津南町は豪雪対策本部を立ち上げた。さらに国災害救助法の適用で除排雪費用など国費対応になる。ただ対象はいわゆる生活弱者、限られた世帯だ。一方で対象外の「準対象者」といえる除排雪困難者は多い。高齢者世帯、様々な事情で親子だけの世帯など救済対象外の世帯も大雪が生活を圧迫し、経済的な困窮度を増している。だが、なかなか声を上げられないのが現実だ。
     春になり雪が融けると、この苦しみを忘れてしまう雪国。昭和の56豪雪、59豪雪、平成の18年豪雪など過去の積雪記録を見れば、あの日・あの時の雪の労苦がよみがえるが、実感としては遠い過去になってしまう。だが、忘れてしまうとされる雪の苦労は今後、さらに増す状況にあるという。
     全国的な大雪ニュースで関心度が増しているのが今後の気象予測。地球温暖化が言われた当時、同時に小さなニュースが流れた。雪の降り方の将来予想だ。『雪そのものは少なくなる傾向だが、一方で日本海の海水温の上昇で水蒸気を含んだ雲が連続的に大量発生し、冬はそこに寒気が入り込むと、局地的にこれまで以上の大雪が度々発生する確率が高い』。今冬はまさにこれが大当たり。1週間余り降り続けた雪で、積雪3㍍超えの地域が続出している。来季も可能性が高いという。
     「冬の公共事業」、どうシステム化するか、行政の知恵の出し所だ。暮らしやすい雪国づくり、まさに国の地方創生事業になるのでは。

    2025年2月15日号

  • 議会陳情、異例の名指し非難

    改選まで3ヵ月、12月定例会中、鈴木議長は受理

    クロステン提出 明石の湯問題で

     十日町市議会の改選まで3ヵ月を切ったなか、現職市議を名指しで非難する陳情書が昨年12月の市議会定例会開会中に提出され、議長が受理していたことが明らかになった。2022年12月、市が突然、明石の湯閉館方針を出し、多くの市民反発を受け結局継続された「明石の湯問題」で、当時の職員の不当解雇問題に関係した現職市議の言動を問題視した管理運営のクロステン(十日町地域地場産業振興センター=理事長・関口芳史市長)が12月定例会開会中の12月12日、鈴木一郎議長に現職市議を名指し非難する「迷惑行為に関する陳情書」を提出、鈴木議長はこれを受理した。陳情書にある迷惑行為は『解雇職員への個別面談会の場に突然、勝手に入室し「あなたたちを守るために来た」のような事を叫んだ』や『就業規則を出せ、などと威圧的な怒鳴り声が続いた』など6点を列挙し、市議会に対し『市議会議員として不適切な行為。市議会議員に広く周知徹底し、市議会において厳正な対応をお願いしたい』と要望。名指しされた市議・滝沢貞親氏(65)は「退職を迫られた職員の方々からは、ありがとうと言われた。クロステン側の認識とは異なる点が多々ある。何らかの対応を考えたい」と法的な対応も検討している。市議会からは「改選近くにこうした個人を名指し非難する陳情はありえないこと。なぜ今頃になっての議会陳情なのか」と疑問視する声があり、明石の湯利用者からは「市の政策の失敗を棚に上げ、何を言っているんだという印象だ。クロステンからの陳情の形だが、そのトップは関口市長、市長選がらみに見える」など、不信感が広がっている。

    2025年2月8日号

  • 喜勢社長「しっかり理解頂いた上で必要な手続きを」

    JR東「水利権」、市長選どう影響

    宮中ダム、6月更新

     水利権更新の地元還元、争点化なるか―。現職・関口芳史市長(65)の進退表明は未だないが、4日の定例会見では進退を問われ「熟慮中。心が定まった時に」と、出馬意欲を滲ませる発言をしている。三度目の挑戦となる樋口明弘氏(75)が昨年4月に名乗りをあげるなか、今年6月に水利権更新を迎えるJR東日本・宮中取水ダムでの「発電の地元還元」による電気料抑止での企業誘致や新規事業創出を訴えている。一方で、昨年4月就任のJR東・喜勢陽一社長(60)は1日に津南町を訪れた際に水利権更新で「今回の更新は地元の皆さんにしっかりとご理解いただいた上で、必要な手続きに臨ませて頂きたい」と姿勢を語っている。

    2025年2月8日号

  • バイク熱、さらに熱く

    熊木 裕哉さん(1984年生まれ)

     もの心ついた時からオートバイが身近にあり、自然と心惹かれるようになった。「あんたは、タイヤの付いたものが大好きだった、とよく母に言われます」。国道117号沿いで『MOT
    OR HOUSE ロードマン』(十日町市伊達)を家族で営み、地元や他県のライダーから愛されている。
    「だんご三兄弟」の真ん中。生まれは三条市。父・薫さんが40年前、バイク店開業のため十日町の実家に戻り、市内稲荷町で「バイク販売店・ロードマン」を開く。幼少期から父親の後を付きまとい、自然に車輪が付く動くものが好きになった。
     「父やお店のお客さんがモトクロスレースに出場し、観戦に一緒に連れて行ってくれ、ワクワクしましたね」。いつかは自分もと思いが膨らみ、小学1年の頃、50㏄原付バイクで川西モトクロス場や当時のグリーンピア津南などへ父や常連客と共に行き、公道は走れないが、特設コースをバイクで走った。「モトクロスなので山道やでこぼこ道を走り、それは最高に気持ちいいんですよ」。
     バイク好きが高じて小学5年には、家族総出で徳島県の砂上ダートトラックレース参戦。「父と私が出場したんですが、家族5人とバイクも載せ、車中泊しながら4泊5日の旅、いま思うとよく行ったなぁーって。親には感謝ですね」。中学でも部活よりもバイクに熱中。「指の骨折にレース後に気付いたり、あばら骨を折ってもレースに出たり、それほど好きでしたね」。小学時代から参加の5時間余の耐久レースは仲間と交代で走り続ける体力勝負。「二輪車は不安定ですが、あのエンジン音、身体で風を切る感じ、もう最高です。怖さを超える楽しさがありますね」。

     高校進学後、念願の原付免許を取得、移動範囲が広がった。「もう嬉しくって。中古の原付バイクで群馬まで行ったこともあります。中古だったんで修理工具積んで、直しながら。楽しかったなぁ」。山遊びも好き。「キノコ狩りに山菜採り、自分の好きな事をしていたら…」、出席日数が足りず留年。「1年生を二度やりました。その時の同級生たちとは今でも付き合いが続いています。あの時留年してなかったら、今の自分はないと思いますね」。
     仲間たちとの時間が楽しく、再び出席日数が足りず「あークビかなーって」、高校中退。17歳で家業のバイク販売店・ロードマンに就職。「父と当時の従業員の方指導のもとイチから学びました」。
     バイク熱はさらに熱くなった。20歳から3年連続で、12月31日に川越で開催の年忘れエンデューロ(耐久)レースに出場。「舗装道ではないオフロードを50㌔以上走って年越しです」。レースを通じてメンテナンス分野への関心が増した。
     2001年、店舗を現在の国道117号沿い伊達に移転。二輪整備士資格をめざし昨年、2級二輪整備士を取得。免許取得講習は新潟県内にはなく、千葉・柏市に毎週、半年間通った。「朝3時に家を出ての日帰りです。最初は大変だったけど慣れてくると楽しかった。講習仲間で仲良くなり、バイク情報などを交換しましたね」。
     講習場所を柏市に決めたのには理由がある。柏市にはオートバイの大規模なオークション会場があるから。「早朝、出品するバイクを積んで行き、講習を受けた後、新しいバイクを入荷してくるんです」。仕入れたバイクが店頭に並ぶ、その数70台余り。赤や青、王道の黒など様々。「味があって面白いバイクが好きなんです」。国が示す2035年ガソリン車の新車販売終了方針。「ガソリン燃焼の排気音やパワーが、たまらないんですがね。今後どう維持していけるのか、情報と知識をもっと得ていきたいです」。

     常連客のひとりだっためぐみさんと24歳で結婚。小1の次女、小5の長男、中2の長女の父。「長女が陸上とクロカンスキーに取り組んでいるんですよ」。保護者会で出会った人がトレイル・ランニングをしている。「自分も今年から始めてみようかなって思ってます。娘と一緒に大会に出られたら最高ですね」。
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     中町優也さん

    2025年2月8日号

  • 1日10分の運動で体内に生成

    効果抜群の善玉マイオカイン

    Vol 114

     3学期の性教育出前講演が佳境を迎えています。BMI(体格指数)から見た日本人の女性は、20~30代の痩せが目立つ、という話をしているのですが、やせと無月経、不妊症、果ては生まれてくる赤ちゃんの将来の生活習慣病のリスク上昇についての関係を説明をすると、みんなびっくりしているようです。
     確かに10年位前、目にする小学生の女の子たちがみな随分痩せているな、筋肉もなさそう、と思ったことがあります。女の子はやっぱり下半身がしっかりしている方が良い! 自分がもしも女の子を育てるようなことがあったら、脚の太い子になるように育てよう、と胸に誓い、今まさに小3の娘はその通りに育ってくれて満足しています。
     この休日に厚生労働省のHPVワクチン接種(子宮頚がんの予防接種のことです)に係る医療機関向け研修会に参加しました。多職種でHPVワクチンの接種を勉強しようという趣旨でしたので、講演されている先生方も感染症対策課の方、医師、リハビリ関係、などさまざまで、講演内容も子宮頸がんの原因、がん検診の最新情報、海外の国と比べた日本のHPVワクチンの接種状況、ワクチンの効果、ワクチン接種後の体調不良の対応方法などでしたが、今回その中から耳寄り情報を皆さんに一つおすそわけします。
     HPVワクチンは、新型コロナワクチンと一緒の筋肉注射です。だからちょっと痛いですよね。研修会で聞いた話によると、この接種する時の痛みに負けない強さを培うために必要なのは、「筋肉を使うこと」なのだそうです。健康のために運動をする、だけでなく、1日10分でも良いので運動をすると、筋肉で「善玉マイオカイン」という物質が作られて、痛みに対して強くなれます。要するに、運動をして筋肉を使う人の方がHPVワクチンを接種した時の痛みを感じにくく、接種後の多様な症状を引き起こしにくい、とのこと。
     痛みといっても直接的な体への痛みだけでなく、人生において困難なことにぶち当たったときの痛みもあります。善玉マイオカインはそういった痛み全般に良い働きをするようですので、ぜひ小さい子には家の中でゲームではなくて、外で走り回り筋肉を使い筋肉を使うことを勧めてくださいね。
     また善玉マイオカインは、運動後の筋肉回復や怪我からの回復のサポート、脂肪の分解を促進したりや血糖値の調整のような代謝改善、体の中の炎症を抑える、脳細胞を活性化して認知機能の向上に役立つ、免疫力を高める、老化の抑制などをしてくれています。運動をしない人は逆に「悪玉マイオカイン」が作られて筋肉を萎縮させてしまうとか。
     マイオカインはすでに300種類以上も見つかっており、もはや筋肉は運動のためのものではなく体の様々な部分を調整する物質を出す器官という認識だそうです。冬は雪が降らないと運動しないなぁ、かといって家にいても1人では運動しないという方はぜひ、座るだけで1万7400回の筋肉刺激が勝手にできるエムセラに座りに来て、体幹の筋肉や骨盤底の筋肉をつけたりスタッフとお話して気分転換してくださいね!
     (たかき医院・仲栄美子院長)

    2025年2月8日号

  • 2025豪雪 住民生活圧迫、「雪のやり場がない」

    十日町市・津南町、豪雪対策本部設置、国の災害救助法適応

    松之山4㍍間近、24時間降雪101㌢、雪害発生の要警戒

     連続降雪が4日から続き十日町市と津南町に国災害救助法が適用となった。十日町市は7日午前10時半に豪雪対策本部を設置、その後も降雪が続き9日午前10時半に豪雪災害対策本部に移行。同日川西・中里・松代・松之山地域は国災害救助法の適用、十日町地域は11日午前12時半に適用となり全市が対象となった。一方、津南町でも大雪警戒本部を7日正午に立ち上げ、10日午後4時に豪雪災害対策本部に移行。国災害救助法の適用を受けた。国災害救助法適用地域では要援護世帯の緊急屋根の雪下ろしや除排雪を9~28日の20日間行う。十日町市の国災害救助法適用は令和3年(2021)以来4年ぶり。昨年、一昨年と少雪だったが、今冬は一転して2月から集中降雪により大雪模様となった。

    2025年2月15日号

  • 43歳、滝澤青葉氏が名乗り

    新人4人目、川西地域集中、現職動向に関心

     定数を5人削減し、改選定数19で臨む十日町市議選(現定数24)は4月20日告示、27日投票の市長選と同時選で行うが、今月に入り現職・吉村重敏氏が引退する中条地区から滝澤青葉(せいよう)氏(43)が10日、出馬を表明した。川治地区や「戦国時代」の様相を見せている川西地域でいまだ進退が微妙な現職もある。引退が確定している現職は2人でこのため15日現在、新人4人、現職22人の合わせて26人の出馬が見込まれているが情勢は流動的だ。

    2025年2月15日号

  • 思ったら、まっしぐら

    中町 優也さん(1984年生まれ)

     「五つ上の兄が車好きでラジコンカーに夢中で、すっかり影響されましたね。小6の時、もらったお年玉で雑誌に載っていた大阪の店にラジコンカーを直接注文したんです。毎日、毎日待って、来た時は本当に嬉しかった。その車はこづかいで、改装しながら大切に使いましたよ」。
     これと思
    ったら、徹底的に突き進み、とことん詰めていき、納得できるまで取り組む、そういう性分の子だった。すべて先ずはやってみて、経験を通じて感覚を知り、感動を自分のものにしてきた。
     「中学の頃はバイクに憧れたね。床屋の叔父からもらったマンガ本に出ていた『湘南暴走族』にはしびれた。かっこよくって、硬派で、これぞ男だって。バイクには乗れないから、自転車に背もたれを付けて、カッコつけた。永ちゃんこと矢沢永吉さんに憧れて、親のポマードをちょっと借りてリーゼント風にして、くしをポッケにさして…、そしたら皆からは『くさーい』なんて言われましたけどね」。
     多感な時期の刺激的な出会いは、その後にも大きく影響した。そのまま高校へ。
     「硬派! といえば学ランにバイクってことで、進学先は十日町高校に決めましたが、模試で合格率10%とか出て、こりゃマズイと頑張りました」。
     十高入学後、その年の誕生日の7月、早々に原付免許を取得した。
     「叔母から譲ってもら
    ったホンダのシャリィ。いやぁー本当に嬉しかった。毎日触ったり、のったり、改造したり、もう離さない、でしたね。群馬や長野にツーリングへ行き、高校最後の春休みには静岡まで行った。修理もなんも、全部自分で、ですよ」。
     18歳になりすぐに車免許を取得、あっという間の高校3年間。進路に迷いはなかった。兄が進んだトヨタ専門学校へ。
     「高校の担任からは、趣味と仕事は分けた方がいいぞって言われたんですけどね。でも、毎日毎日、触っていても飽きない、これは趣味というより、もう天職だ、と進学先を決めました」。
     専門学校は八王子にあった。2年間の学生生活。「学校の授業で習うことは、自分がこれまでしてきたラジコン造りやバイク修理などが主で、これってもう分かっていることばかり。遊びで学んでたんだなって。卒業後はネッツトヨタ新潟・柏崎支店へ行きました。やはり社会は違いましたね。仕事と責任の重さを感じました」。
     社会人1年生、さまざまなストレスを感じた時は、車やバイクに乗り気分転換。愛車カリーナで「ドリフトの聖地」にもよく行った。

     「友だちの結婚式の二次会で出会ったんです。やはり仕事も大事ですから、ピットランドに転職したんです」。
     25歳で結婚。2年後、長男誕生、さらに長女誕生…。子どもたちとの触れ合いを大切にしたい、との思いが強くなった。
     「子どもたちともっと上手に関われるようになりたい…どうしようかと子育ての勉強をしているうち、面白くなって。よし、保育士になろうと決め、そこから猛勉強しました。でも、またです、合格率10%…、でも絶対受かってやると、義父にタンカ切ったんですよ」。
     努力が実り保育士に合格。32歳の時。だが再び、フツフツと車への思いがよみがえって来た。
     「保育園への就職前に、ちょっとのアルバイトと思ってピットランドの自動車板金部門で働いたんです。それが楽しくて、楽しくて。車体をきれいになおせた時や、塗れた時の感動、あの感覚がよみがえって来たんです。またピットランドに戻りました」。

     2021年6月、独立し『ナカマチモータース』を十日町市山本町に開業。背中を押してくれたのは妻・彩恵さん。
     「思ったら、もうやらないではすまない性分ですからね。妻もやりたいことはやった方がいいと、いつも背中を押してくれます。彩恵様ですね、感謝、感謝です」。
     経営者となり、人からの言葉や友だちからのアドバイスが身に染みるようになった。
     「これまで、あまり人の助言とか聞かなかったんですね。今になってその言葉の大切さがやっと分かったという感じです。ちょっと自分の成長を感じますよ」
     心がけは、いつも同じ。求める人たちを第一に。
     「1台1台を大切に、ていねいに扱う、この基本を大切にです。当たり前のことですが、この基本こそ大事です。これからは事業をもう少し拡げられたらいいな、なんて思っています」。
     ▼バトンタッチします
     村山遥菜さん

    2025年2月15日号

  • 動きがとれない県民の命の話

    県民投票実現を

    藤ノ木信子 (清津川に清流を取り戻す会)

     スーパーの食品売り場に立って「高~い!」と叫びたくなる今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。他の事は我慢できても食品が高いのは節約できないだけに気が滅入る。日本のエンゲル係数が43年ぶりに28・3%の高水準になったとのニュース。(43年前って上越新幹線ができた頃?)庶民はお財布と相談の毎日…。
     一方で石破茂首相は日米首脳会談で1兆ドル(約151兆円)アメリカに投資を表明。日本の国家予算は115兆円だ。これ、誰が払うの?買収でなくて投資って民間企業間の話だよね。税金使うなら日本の産業(農林水産業)にもっと投資して自給率上げようよ。若者や子どもたちに投資して人口増やそうよ。落とし穴のように陥没する道路や古くなったインフラはどうするの?過去最高の税収はどこいった? 確定申告の作業をしながら何だか虚しくなってしまうのは私だけかな…。
     たくさんの情報に触れ、何が正しく何を信じるかを選び、分からない事は調べ、続報を追い、立場の違う視点からも考える…そんな面倒な作業からそろそろ離れたいと思う年齢になった。もうどうでもいいや…と思えるくらい分からない世の中になった。
     でもね、こんな末期的な国の中で、大事なことは自分たちで決めるという基本の基を忘れず活動している人がいる。先週の本紙オピニオン欄で齋木さんが書かれているように『柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会』の署名が15万筆を超え、県民投票条例案が県議会にあがる。発起人はじめ署名集めに歩いて下さった方々の不断の努力に頭が下がる。足元の問題にコツコツ取り組む姿勢が世の中を変えていくんだろうな…。
     国民民主党の玉木氏が原発を視察して「総理自ら動くべき時」と再稼働を注文した。世界最大規模の原発を止めておくのは勿体ないという理由だそうだ。新潟県民と話をしただろうか。(電力総連から国民民主党に多額の献金の報道も…)
     この原稿を書いている数日間、雪が降り続いて積雪は3㍍を超え、豪雪災害対策本部が設置された。こんな道路や鉄道の状態で原発事故が起きたら速やかに避難できるだろうか。
     首都圏の電気料金が高い安いって話ではなく、子どもや高齢者、妊婦など動きがとれない県民の命の話をしてほしい。
     県議の皆さん、どうか県民の声を聴く県民投票条例の制定を考えて下さい。県議会が住民投票(条例)を肯定することは、議会の存在意義を否定することではありません。投票結果の尊重だけで、新潟県民の思いは国に伝わるから。

    2025年2月15日号

  • 雪繭

    小林 幸一(津南案内人)

     秋山郷和山集落の対岸にあった「もっきりや」は昨年から和山集落に引っ越しましたが、冬季間の行き来は中津川にワイヤーを渡し、小さな籠を吊るした籠渡し「野猿」でした。
     野猿に乗ってロープを引っ張ると野猿は中津川の上空に飛び出します。中間地点に差し掛かると上流に白い饅頭のような雪形が見えてきます。何処にでもあるようで、これだけ形の整った雪型は見たことがありません。私はこれを「雪繭」と名付け、絵や写真で創作しましたが、昨年苗場酒造の新銘柄に「雪繭」として提案したところ、なんと一番の売れ筋の「醸す森」のリブランドとして「ゆきのまゆ」の銘柄で売り出されることになりました。
     ブランド名がひらがなになった理由として「繭」の漢字が女性向けでなかったことが想像できますが、この漢字には草冠の下で糸と虫が仲良く並び、まさにまゆのイメージにピッタリの漢字になっています。新宿にあるモード学園コク―ンタワーはこれから世界に飛び出す学生たちを繭の外観でイメージしました。新ブランドの「ゆきのまゆ」が日本一雪の降る町のお酒として世界に向けて旅立つことを期待します。

    2025年2月15日号

  • 除排雪、冬の公共事業

     国県道、市町村道の除排雪は当たり前だ。土木分野の公共事業は冬期間、休眠状態が多く、その「事業力」をこの地に暮らす住民の暮らしを支える除排雪に導入する、それが「冬の公共事業」。建築・建設・土木の事業者の多くは、雪処理する小型から大型重機や除排雪機械を持つ。これを公共事業としてフル活用する方策はできないか。
     今回の大雪で十日町市、津南町は豪雪対策本部を立ち上げた。さらに国災害救助法の適用で除排雪費用など国費対応になる。ただ対象はいわゆる生活弱者、限られた世帯だ。一方で対象外の「準対象者」といえる除排雪困難者は多い。高齢者世帯、様々な事情で親子だけの世帯など救済対象外の世帯も大雪が生活を圧迫し、経済的な困窮度を増している。だが、なかなか声を上げられないのが現実だ。
     春になり雪が融けると、この苦しみを忘れてしまう雪国。昭和の56豪雪、59豪雪、平成の18年豪雪など過去の積雪記録を見れば、あの日・あの時の雪の労苦がよみがえるが、実感としては遠い過去になってしまう。だが、忘れてしまうとされる雪の苦労は今後、さらに増す状況にあるという。
     全国的な大雪ニュースで関心度が増しているのが今後の気象予測。地球温暖化が言われた当時、同時に小さなニュースが流れた。雪の降り方の将来予想だ。『雪そのものは少なくなる傾向だが、一方で日本海の海水温の上昇で水蒸気を含んだ雲が連続的に大量発生し、冬はそこに寒気が入り込むと、局地的にこれまで以上の大雪が度々発生する確率が高い』。今冬はまさにこれが大当たり。1週間余り降り続けた雪で、積雪3㍍超えの地域が続出している。来季も可能性が高いという。
     「冬の公共事業」、どうシステム化するか、行政の知恵の出し所だ。暮らしやすい雪国づくり、まさに国の地方創生事業になるのでは。

    2025年2月15日号

  • 議会陳情、異例の名指し非難

    改選まで3ヵ月、12月定例会中、鈴木議長は受理

    クロステン提出 明石の湯問題で

     十日町市議会の改選まで3ヵ月を切ったなか、現職市議を名指しで非難する陳情書が昨年12月の市議会定例会開会中に提出され、議長が受理していたことが明らかになった。2022年12月、市が突然、明石の湯閉館方針を出し、多くの市民反発を受け結局継続された「明石の湯問題」で、当時の職員の不当解雇問題に関係した現職市議の言動を問題視した管理運営のクロステン(十日町地域地場産業振興センター=理事長・関口芳史市長)が12月定例会開会中の12月12日、鈴木一郎議長に現職市議を名指し非難する「迷惑行為に関する陳情書」を提出、鈴木議長はこれを受理した。陳情書にある迷惑行為は『解雇職員への個別面談会の場に突然、勝手に入室し「あなたたちを守るために来た」のような事を叫んだ』や『就業規則を出せ、などと威圧的な怒鳴り声が続いた』など6点を列挙し、市議会に対し『市議会議員として不適切な行為。市議会議員に広く周知徹底し、市議会において厳正な対応をお願いしたい』と要望。名指しされた市議・滝沢貞親氏(65)は「退職を迫られた職員の方々からは、ありがとうと言われた。クロステン側の認識とは異なる点が多々ある。何らかの対応を考えたい」と法的な対応も検討している。市議会からは「改選近くにこうした個人を名指し非難する陳情はありえないこと。なぜ今頃になっての議会陳情なのか」と疑問視する声があり、明石の湯利用者からは「市の政策の失敗を棚に上げ、何を言っているんだという印象だ。クロステンからの陳情の形だが、そのトップは関口市長、市長選がらみに見える」など、不信感が広がっている。

    2025年2月8日号

  • 喜勢社長「しっかり理解頂いた上で必要な手続きを」

    JR東「水利権」、市長選どう影響

    宮中ダム、6月更新

     水利権更新の地元還元、争点化なるか―。現職・関口芳史市長(65)の進退表明は未だないが、4日の定例会見では進退を問われ「熟慮中。心が定まった時に」と、出馬意欲を滲ませる発言をしている。三度目の挑戦となる樋口明弘氏(75)が昨年4月に名乗りをあげるなか、今年6月に水利権更新を迎えるJR東日本・宮中取水ダムでの「発電の地元還元」による電気料抑止での企業誘致や新規事業創出を訴えている。一方で、昨年4月就任のJR東・喜勢陽一社長(60)は1日に津南町を訪れた際に水利権更新で「今回の更新は地元の皆さんにしっかりとご理解いただいた上で、必要な手続きに臨ませて頂きたい」と姿勢を語っている。

    2025年2月8日号

  • バイク熱、さらに熱く

    熊木 裕哉さん(1984年生まれ)

     もの心ついた時からオートバイが身近にあり、自然と心惹かれるようになった。「あんたは、タイヤの付いたものが大好きだった、とよく母に言われます」。国道117号沿いで『MOT
    OR HOUSE ロードマン』(十日町市伊達)を家族で営み、地元や他県のライダーから愛されている。
    「だんご三兄弟」の真ん中。生まれは三条市。父・薫さんが40年前、バイク店開業のため十日町の実家に戻り、市内稲荷町で「バイク販売店・ロードマン」を開く。幼少期から父親の後を付きまとい、自然に車輪が付く動くものが好きになった。
     「父やお店のお客さんがモトクロスレースに出場し、観戦に一緒に連れて行ってくれ、ワクワクしましたね」。いつかは自分もと思いが膨らみ、小学1年の頃、50㏄原付バイクで川西モトクロス場や当時のグリーンピア津南などへ父や常連客と共に行き、公道は走れないが、特設コースをバイクで走った。「モトクロスなので山道やでこぼこ道を走り、それは最高に気持ちいいんですよ」。
     バイク好きが高じて小学5年には、家族総出で徳島県の砂上ダートトラックレース参戦。「父と私が出場したんですが、家族5人とバイクも載せ、車中泊しながら4泊5日の旅、いま思うとよく行ったなぁーって。親には感謝ですね」。中学でも部活よりもバイクに熱中。「指の骨折にレース後に気付いたり、あばら骨を折ってもレースに出たり、それほど好きでしたね」。小学時代から参加の5時間余の耐久レースは仲間と交代で走り続ける体力勝負。「二輪車は不安定ですが、あのエンジン音、身体で風を切る感じ、もう最高です。怖さを超える楽しさがありますね」。

     高校進学後、念願の原付免許を取得、移動範囲が広がった。「もう嬉しくって。中古の原付バイクで群馬まで行ったこともあります。中古だったんで修理工具積んで、直しながら。楽しかったなぁ」。山遊びも好き。「キノコ狩りに山菜採り、自分の好きな事をしていたら…」、出席日数が足りず留年。「1年生を二度やりました。その時の同級生たちとは今でも付き合いが続いています。あの時留年してなかったら、今の自分はないと思いますね」。
     仲間たちとの時間が楽しく、再び出席日数が足りず「あークビかなーって」、高校中退。17歳で家業のバイク販売店・ロードマンに就職。「父と当時の従業員の方指導のもとイチから学びました」。
     バイク熱はさらに熱くなった。20歳から3年連続で、12月31日に川越で開催の年忘れエンデューロ(耐久)レースに出場。「舗装道ではないオフロードを50㌔以上走って年越しです」。レースを通じてメンテナンス分野への関心が増した。
     2001年、店舗を現在の国道117号沿い伊達に移転。二輪整備士資格をめざし昨年、2級二輪整備士を取得。免許取得講習は新潟県内にはなく、千葉・柏市に毎週、半年間通った。「朝3時に家を出ての日帰りです。最初は大変だったけど慣れてくると楽しかった。講習仲間で仲良くなり、バイク情報などを交換しましたね」。
     講習場所を柏市に決めたのには理由がある。柏市にはオートバイの大規模なオークション会場があるから。「早朝、出品するバイクを積んで行き、講習を受けた後、新しいバイクを入荷してくるんです」。仕入れたバイクが店頭に並ぶ、その数70台余り。赤や青、王道の黒など様々。「味があって面白いバイクが好きなんです」。国が示す2035年ガソリン車の新車販売終了方針。「ガソリン燃焼の排気音やパワーが、たまらないんですがね。今後どう維持していけるのか、情報と知識をもっと得ていきたいです」。

     常連客のひとりだっためぐみさんと24歳で結婚。小1の次女、小5の長男、中2の長女の父。「長女が陸上とクロカンスキーに取り組んでいるんですよ」。保護者会で出会った人がトレイル・ランニングをしている。「自分も今年から始めてみようかなって思ってます。娘と一緒に大会に出られたら最高ですね」。
    ▼バトンタッチします
     中町優也さん

    2025年2月8日号

  • 1日10分の運動で体内に生成

    効果抜群の善玉マイオカイン

    Vol 114

     3学期の性教育出前講演が佳境を迎えています。BMI(体格指数)から見た日本人の女性は、20~30代の痩せが目立つ、という話をしているのですが、やせと無月経、不妊症、果ては生まれてくる赤ちゃんの将来の生活習慣病のリスク上昇についての関係を説明をすると、みんなびっくりしているようです。
     確かに10年位前、目にする小学生の女の子たちがみな随分痩せているな、筋肉もなさそう、と思ったことがあります。女の子はやっぱり下半身がしっかりしている方が良い! 自分がもしも女の子を育てるようなことがあったら、脚の太い子になるように育てよう、と胸に誓い、今まさに小3の娘はその通りに育ってくれて満足しています。
     この休日に厚生労働省のHPVワクチン接種(子宮頚がんの予防接種のことです)に係る医療機関向け研修会に参加しました。多職種でHPVワクチンの接種を勉強しようという趣旨でしたので、講演されている先生方も感染症対策課の方、医師、リハビリ関係、などさまざまで、講演内容も子宮頸がんの原因、がん検診の最新情報、海外の国と比べた日本のHPVワクチンの接種状況、ワクチンの効果、ワクチン接種後の体調不良の対応方法などでしたが、今回その中から耳寄り情報を皆さんに一つおすそわけします。
     HPVワクチンは、新型コロナワクチンと一緒の筋肉注射です。だからちょっと痛いですよね。研修会で聞いた話によると、この接種する時の痛みに負けない強さを培うために必要なのは、「筋肉を使うこと」なのだそうです。健康のために運動をする、だけでなく、1日10分でも良いので運動をすると、筋肉で「善玉マイオカイン」という物質が作られて、痛みに対して強くなれます。要するに、運動をして筋肉を使う人の方がHPVワクチンを接種した時の痛みを感じにくく、接種後の多様な症状を引き起こしにくい、とのこと。
     痛みといっても直接的な体への痛みだけでなく、人生において困難なことにぶち当たったときの痛みもあります。善玉マイオカインはそういった痛み全般に良い働きをするようですので、ぜひ小さい子には家の中でゲームではなくて、外で走り回り筋肉を使い筋肉を使うことを勧めてくださいね。
     また善玉マイオカインは、運動後の筋肉回復や怪我からの回復のサポート、脂肪の分解を促進したりや血糖値の調整のような代謝改善、体の中の炎症を抑える、脳細胞を活性化して認知機能の向上に役立つ、免疫力を高める、老化の抑制などをしてくれています。運動をしない人は逆に「悪玉マイオカイン」が作られて筋肉を萎縮させてしまうとか。
     マイオカインはすでに300種類以上も見つかっており、もはや筋肉は運動のためのものではなく体の様々な部分を調整する物質を出す器官という認識だそうです。冬は雪が降らないと運動しないなぁ、かといって家にいても1人では運動しないという方はぜひ、座るだけで1万7400回の筋肉刺激が勝手にできるエムセラに座りに来て、体幹の筋肉や骨盤底の筋肉をつけたりスタッフとお話して気分転換してくださいね!
     (たかき医院・仲栄美子院長)

    2025年2月8日号