川西地区は大激戦に―。定数を5人削減し、改選定数19で臨む十日町市議選(現定数24)は、4月20日告示、27日投票の市長選と同時選で行うが、今月に入り川西地域でさらに新人が名乗りをあげ、同地域の行方が全域に大きく影響する情勢になっている。後任問題などでいまだ進退が微妙な現職もあり、年が明けても混沌とした状況だ。
2025年1月18日号
降りしきる雪のなか、ムコ殿が宙に舞った。集落の娘をよそに取られたやっかみと祝福を込めて始まった松之山の奇祭「むこ投げ」。今年も小正月15日に松之山温泉で行い、鎮守の薬師堂前の崖からふたりのムコ殿が5㍍余の崖下に勢いよく放り投げられた。積雪は2㍍余でふかふかの新雪にまみれながら、愛妻の元に転がり落ちていった。今回は昨年入籍した一般公募2組。東京都在住の早川元さん(27)・愛さん(23、十日町市北新田出身)夫妻と、神奈川県在住の福原圭杜さん(31、津南町外丸出身)・渚未さん(32)夫妻が参加した。
2025年1月18日号
これまでの人生の歩みの節目、節目に人との出会いがあり、声掛けがあり、事態が良い方向に流れた。20代の時。特に信仰心が強かったわけではなかったが、友人に誘われて行ったある宗教の集会。いつのまにか入会、自分ではどうしようもできない状態に。その時、ふるさとの知人紹介で聖書と出会い、十日町教会の松井愛美牧師に導かれ、洗礼を受けた。転職を重ねつつ歩んだ時間が、いまにつながり、キリスト教に基ずく私立・山本愛泉保育園の園長で子どもたちと向き合う日々だ。「私が今あるのは十日町教会からの巡りあわせですね」。
卒業が迫った高校3年の時。「人見知りでしたから、人前でしっかり話せるようになりたいと営業職に飛び込みました」、長岡マツダに入社。年間販売台数23台の実績を上げ、新人表彰を受けた。「でも、若さゆえだったんでしょうが、仕事と遊びの境がなくなってしまったんです」。我が身を振り返り、転職を考え佐川急便に。ここで思わぬ事態が待っていた。「歯が痛くて2日ほど眠れずにいて、業務中に居眠り運転をしてしまって…」。道路わきの倉庫に突っ込む自損事故。上半身負傷で1ヵ月半の入院。「親に心配をかけてしまい、あれからですね、人の話はしっかり聞くようにと、心を入れ替えました」。
退院後もリハビリを続け、働けるようになり湯沢町のレンズ工場に就職。勤務態度が評価され埼玉の本社勤務に。仕事への意欲が増していった頃だった。「友だちに誘われて…」、ある宗教の集会に行った。自分の思いとは関係なく深みにはまった。その様子を親が聞きつけ、『正月だよ、帰って来い』と声が掛かった。
十日町の家に帰ると、そこに待っていたのは新津福音キリスト教会の松永堡智牧師だった。「信仰心とは何かから、生きる意味まで諭されました。その時、聖書の意味を教えてもらい、そこからです」。
それから十日町教会に通う日々が始まった。「何かを信じる信仰心とは何か、次第に自分が見えてきました」。聖書を読み込む中で何が大切かを感じるようになり、1988年4月3日、イースターで洗礼を受けた。23歳。
地元の高山生コンで18年間勤務。あの中越地震が再び人生の転機をもたらした。会社の機械が地震で壊れ、再建が難しく廃業。その時、知人を通じて声が掛かった。コンクリート主任技士資格が次につながった。長岡市川口にある生コン会社へ転職。「朝から晩まで働き、業績も上げましたが、そこも震災特需が終わり3年で廃業してしまいました」。
だが世間は見捨てない。再び声が掛かった。生コンやU字溝、側溝ブロックなど2次製品製造の長岡長栄工業へ。管理職・課長ポストが用意されていた。「コンクリートの強度管理や品質管理、商品企画も自分のアイデアが取り入れられ、やりがいを感じる業務でした」。その勤勉さと熱心さが評価され工場長に。「全体をまとめる責任があり、朝から晩まで働きましたね」、だが体が悲鳴を上げた。
そんな時だった。十日町教会牧師・十日町幼児園の久保田愛策園長から声が掛かった。「園長をやりませんか、でした。悩みましたが、これも教会からの導きと、自分への信頼からかなと思いました」。園長職は早や6年目。
「日々、子どもたちの声に癒され、自分が救われている思いです」。一昨年創立50周年を迎えた同園。「少子化の波もありますが、自分の代から次へ繋いでいく使命が私にはあります」。
幾多の職歴がいまに活きている。保育園でのオムツや給食の副食費無料化を取り入れ、ICT化やSNS導入に力を入れる。「子どもを一番に大切にするベースは出来ていますから、さらにその園の良さを広めていきたいです」。
リフレッシュは大型バイク。昨年免許を取得、「バイクがずっと憧れで今は『ニンジャ1000』が愛車。休みの日は風を切ってバイクを走らせる。最高ですね」。
26歳で結婚した妻・真由美さんと十日町教会へ毎週足を運ぶ。「キリスト教は私の柱です。くじけそうになった時、教会仲間や園職員、園長会のつながりが力になります」。
▼バトンタッチします
飯塚隆行さん
2025年1月18日号
早いもので2025年(令和7年)が幕を開けてから半月がたちました。
年初には様々な方々や専門家が、その年の予測をします。そのなかで、『S I N I C(サイニック、Seed-Innovation to Need-Impetus Cyclic Evolution)理論が描く未来』が、注目を集めています。
これは、京都に本社がある血圧計で有名なオムロンの創業者が1970年に提唱したもので、そこでの予測が当たり続けていると言われています。S I N I C理論は約50年前に考えられたものですが、2025年に新しい社会が始まると予測しているのです。
ちなみに、これまで、2005年から2024年の20年間は「最適化社会」、その前の1974年から2004年は「情報化社会」が来ると予測して的中させました。そして、2025年からの「自律社会」、さらに2033年からの「自然社会」を予測しています。
「自律社会」では、世の中の価値観が、これまでの利便性や快適性、分業化といったものから大きく変化し、心の豊かさを求め、自立した個が相互に支えあう社会へ移行するとしています。そこでは、個の心とそのつながりにより、新しいものが創造される、としています。
『いま大きな転換期を迎えている』という感覚を持っていらっしゃる方々は多いと思います。そのためか、最近、『グレート・リセット』などという言葉を耳にするようになりました。
ただ、そのような大きな変化が、今年からすでに始まっているのかというと、まだ早いように思うのですが、大学で20歳前後の若者を見ていると、若者の行動というのはこれからの時代をすでに体現しているのでしょうか、利便性を重視するより、個の心を大切にしているように見受けられます。
「自律社会」の次に来るとされている「自然社会」は、一段高いレベルに発展を遂げた、ハイパー原始社会とのことですが、さすがにそこまで想像が追いつきません。とはいえ、それも8年後の2033年から始まると予測されており、もしそうだとしたら、これから何が起こるのだろう…と思ってしまいます。
映画の中だけでの話だろうと思っていたパンデミックが実際に起き、それにより多くの人々の意識が変わったことを考えると、何が起きるかは分からないような気もします。
そのようなことを思う2025年の始まりでした。
2025年1月18日号
見玉不動尊に初詣を兼ねて新年初撮影に出かけました。境内は雪に覆われ滝の音だけが響き渡ります。雪を踏みしめ7段の滝の一番滝を拝み、今年も素敵な発見と出逢い、そして良い写真が撮れることを祈りました。
見玉不動尊は文治2(1186)年、壇ノ浦の戦いの後、平清盛の家臣宮本清佐エ門がお告げにより不動明王を安置したことが始まりという霊験あらたかな古刹で、本山でもある比叡山延暦寺が織田信長による焼き討ちから逃れた5大明王のうち、西方守護神 大威明王と南方守護神 軍茶利明王の2体が安置されているという大変な由緒のある古寺です。
2025年1月18日号
ハローワークに行ったら、こんな求人があった。「十日間市議会議員募集、月額報酬34万円、年間報酬500万円超、年4回の定例市議会、ほかに臨時議会、委員会活動など。募集締切4月20日午後5時、応募資格25歳以上」。いよいよそういう時代になったか…しげしげと募集資料を見ていると誰かが肩を叩いてきた、振り返ると、そこには…。そこで目が覚めた。かなり遅い初夢だった。
今春、その十日町市議選がある。任期満了は4月30日。その前週4月20日告示、27日投票だ。12月14日号の「十日町市の時計が止まっている」には多くの声を頂いた。いやいや、そもそも「時計が狂っている」との声も届き、今春同時選となる市長選、市議選が始まっている証左と受け止めた。
その市議選、なかなか動きがない。ということは現職の多くが再出馬することでもある。今期限りで引退する現職はこれまでに3人、と言われているが、確実な退任表明は副議長・宮沢幸子氏だけ。巷間、飛び交う情報と本人確認が取れている引退現職は他に2人だけ。他の現職は「再出馬」のようだ。一方の新人。これまでに3人が表明し、新たに2人の具体名が巷間で飛び交っている。だが、女性の名は聞かれない。
現定数24、それを5人削減し、改選定数は19。このまま現職再出馬、新人擁立となれば、稀に見る激戦市議選となる様相だ。さらに3月市議会で議員報酬改定が可決すれば、月額報酬34万円となり、年報酬は500万円を超える。県内では低賃金地域で知られる十日町地域で、この500万円は決して少ない額ではないだろう。
初夢の妄想は、一笑できない現実がそこにある。失業中のあなた、転職を考えているあなた、Uターンを考えているあなた、女性をもっと市議会へと思うあなた、「市議業のすすめ」だ。手を上げるチャンスが目の前にある。
2025年1月18日号
世界最大級の東京電力・柏崎刈羽原発(2012年から運転停止)の6、7号機再稼働の動きが加速するなか、「再稼働判断に県民の明確な意思表示を」と全県で行っている県民運動「柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会」。県民投票条例制定を県議会に直接請求するのに必要な「署名3万6400人」を上回り、現在33市区町村で「14万筆」を突破している。目標の20万筆には届いていないが、同じ条例制定を求めた13年前の約6万8千人署名を大きく上回り、県議会の判断が注目される。妻有地域では独自目標『署名1万人』を掲げ、両市町署名は『9110人』(達成率91%)で、内訳は十日町市『7315人』(同86%)、津南町『1795人』(同121%)で、独自目標に対しての達成率は県内トップクラス。「原発再稼働に自分の意思を反映させたい住民の思いの表れ」と関係者はみる。署名は柏崎市、刈羽村、南魚沼市、魚沼市の4市村が継続中で、来月1日までに終了。署名は各市町村選挙管理委員会の審査を受け、3月18~19日に県に署名簿を提出。4月7~8日に臨時県議会に図る見込みだ。
2025年1月11日号
〇…郷土の味を知り、さらに子どもたちにも調理体験を通し食べるものを作る喜びを知って貰おうと昨年から始まった「妻有のごっつぉ~探求会」(南雲留里子代表)。農村地域生活アドバイザーで、郷土料理集『昔なつかし 津南のごっつぉ』(2010年刊)発刊にも携わった阿部和子さん(69、美穂)を講師に食探求会を継続。第3回は先月21日に町総合センターで開き、阿部さんが作った煮なます、奈良漬など試食。子どもたちは米粉ピザづくりに挑戦するなどし、料理交流した。
2025年1月11日号
「自分は何をしたいのか…、生きるとは…」、その自問自答から見出し、進んだ思想や哲学、心理学の分野。学んだ同志社大神学部で出会い、クリスチャンに。
「保育園も幼稚園もキリスト教の教えから始まりました」。昨年4月、日本基督教団・十日町教会に赴任し、牧師と共に併設の十日町幼児園園長を務める。人の誕生から人の最期まで向き合う。「両親も親戚にもクリスチャンはいなかったんです。これも巡り合わせですね」。
宮城・仙台市生まれ。高卒後の予備校時代の講師の言葉で考えた。『勉強のモチベーションを1年間維持するには、自分が何をしたいか、どうなりたいのか、それをしっかり考えることが大切』。このアドバイスが心に響いた。
「目標を2つ持ちました。実学ではなく思想や哲学、心理学を学び、国際的に活動したいと」。進んだのは京都の同志社大神学部。決め手は大学紹介資料の言葉だった。『世界では宗教を信じる人は多いが、日本は無神論の人が多い。グローバル化していく世の中で、国際的に活躍したいなら宗教的素養や知識は不可欠で、神学部は専門的に学ぶことが出来る』。
頭では分かっていたが、その光景を目にして「宗教」を体感。入学式早々、神学部だけ始業礼拝。「初めての教会、礼拝の独特な雰囲気、讃美歌や主の祈りを皆が一斉に唱えだした時、わぁー宗教だーっ、これから大学生活どうしよう…。実は本気で後悔したんです。今では笑い話ですが」。
講義が進むなかで、若く親しみを感じていた講師の授業。「キリスト教と社会福祉の講義で、保育園も幼稚園もキリスト教の教えから始まったなど歴史を学び、興味が増してきたんです」。だが、その講師が突然死去。「人を救い、支える宗教」に疑問を抱く出来事だった。
転機は大学3年の時。「リーマンショックで一気に就職氷河期に。一般企業に就職をと活動しましたが全く決まらなくて」。
再び自分と向き合う時間に。「生きるとは…、長い歴史の中で考えてきたのが宗教と思った時、私には教会がある、その時からです」。大学4年の夏、毎週日曜礼拝に教会へ通った。
礼拝説教の言葉がストンと胸に入った。『日本では年間2万人余の人が自死している。人生は思い通りにいかないことが多いが、思い通りにいかない人生の中で、神に支えられ、それぞれが人生を全うした証拠が聖書には書かれている』、さらに『私たちが聖書を読み、聖書を信じるのは、必ずしも思い通りにいかない人生で、困難を生き抜く力をいただくためではないか』。その年のクリスマスの日、洗礼を受けクリスチャンに。
その後、同志社大大学院へ。教会に住み込みで働く。教会には幼児から高齢者まで多くが集まる。「人の誕生から最期まで関わることってすごいと、牧師になる決意をしました」。
千葉教会では牧師助手の伝道師。その頃、大学時代に出会った妻と結婚。3年後、牧師として愛知・豊田教会、千葉・四街道教会など赴任。教会礼拝に訪れる人の人生と共に歩む。「結婚や出産など、皆さんが人生を歩む姿と共に私があり、共に喜びを感じます。人生の最期を向える家族と共に悲しみがあり、少し手助けができれば私の存在の意味があるのかなと思っています」。昨年4月十日町教会へ。1歳の娘と小3の息子、妻の4人で移住。
十日町教会赴任の橋渡しは前々任の新井純園長からの声掛け。「家族で雪堀キャンプに来たことがあり、雰囲気の良さと保育園がある教会でしたから、ここだと決めました」。
山登りが趣味。「自然豊かで美しく、子どもが大きくなったら一緒に山登りがしたいですね」。親しみある教会をと、分かりやすい言葉掛けを心がけている。人の一生に間近で向き合う日々。十日町幼児園は「子ども第一ですね。その良さを強みに伸ばしていきたいです」。
▼バトンタッチします。
大津富士夫さん
2025年1月11日号
川西地区は大激戦に―。定数を5人削減し、改選定数19で臨む十日町市議選(現定数24)は、4月20日告示、27日投票の市長選と同時選で行うが、今月に入り川西地域でさらに新人が名乗りをあげ、同地域の行方が全域に大きく影響する情勢になっている。後任問題などでいまだ進退が微妙な現職もあり、年が明けても混沌とした状況だ。
2025年1月18日号
降りしきる雪のなか、ムコ殿が宙に舞った。集落の娘をよそに取られたやっかみと祝福を込めて始まった松之山の奇祭「むこ投げ」。今年も小正月15日に松之山温泉で行い、鎮守の薬師堂前の崖からふたりのムコ殿が5㍍余の崖下に勢いよく放り投げられた。積雪は2㍍余でふかふかの新雪にまみれながら、愛妻の元に転がり落ちていった。今回は昨年入籍した一般公募2組。東京都在住の早川元さん(27)・愛さん(23、十日町市北新田出身)夫妻と、神奈川県在住の福原圭杜さん(31、津南町外丸出身)・渚未さん(32)夫妻が参加した。
2025年1月18日号
これまでの人生の歩みの節目、節目に人との出会いがあり、声掛けがあり、事態が良い方向に流れた。20代の時。特に信仰心が強かったわけではなかったが、友人に誘われて行ったある宗教の集会。いつのまにか入会、自分ではどうしようもできない状態に。その時、ふるさとの知人紹介で聖書と出会い、十日町教会の松井愛美牧師に導かれ、洗礼を受けた。転職を重ねつつ歩んだ時間が、いまにつながり、キリスト教に基ずく私立・山本愛泉保育園の園長で子どもたちと向き合う日々だ。「私が今あるのは十日町教会からの巡りあわせですね」。
卒業が迫った高校3年の時。「人見知りでしたから、人前でしっかり話せるようになりたいと営業職に飛び込みました」、長岡マツダに入社。年間販売台数23台の実績を上げ、新人表彰を受けた。「でも、若さゆえだったんでしょうが、仕事と遊びの境がなくなってしまったんです」。我が身を振り返り、転職を考え佐川急便に。ここで思わぬ事態が待っていた。「歯が痛くて2日ほど眠れずにいて、業務中に居眠り運転をしてしまって…」。道路わきの倉庫に突っ込む自損事故。上半身負傷で1ヵ月半の入院。「親に心配をかけてしまい、あれからですね、人の話はしっかり聞くようにと、心を入れ替えました」。
退院後もリハビリを続け、働けるようになり湯沢町のレンズ工場に就職。勤務態度が評価され埼玉の本社勤務に。仕事への意欲が増していった頃だった。「友だちに誘われて…」、ある宗教の集会に行った。自分の思いとは関係なく深みにはまった。その様子を親が聞きつけ、『正月だよ、帰って来い』と声が掛かった。
十日町の家に帰ると、そこに待っていたのは新津福音キリスト教会の松永堡智牧師だった。「信仰心とは何かから、生きる意味まで諭されました。その時、聖書の意味を教えてもらい、そこからです」。
それから十日町教会に通う日々が始まった。「何かを信じる信仰心とは何か、次第に自分が見えてきました」。聖書を読み込む中で何が大切かを感じるようになり、1988年4月3日、イースターで洗礼を受けた。23歳。
地元の高山生コンで18年間勤務。あの中越地震が再び人生の転機をもたらした。会社の機械が地震で壊れ、再建が難しく廃業。その時、知人を通じて声が掛かった。コンクリート主任技士資格が次につながった。長岡市川口にある生コン会社へ転職。「朝から晩まで働き、業績も上げましたが、そこも震災特需が終わり3年で廃業してしまいました」。
だが世間は見捨てない。再び声が掛かった。生コンやU字溝、側溝ブロックなど2次製品製造の長岡長栄工業へ。管理職・課長ポストが用意されていた。「コンクリートの強度管理や品質管理、商品企画も自分のアイデアが取り入れられ、やりがいを感じる業務でした」。その勤勉さと熱心さが評価され工場長に。「全体をまとめる責任があり、朝から晩まで働きましたね」、だが体が悲鳴を上げた。
そんな時だった。十日町教会牧師・十日町幼児園の久保田愛策園長から声が掛かった。「園長をやりませんか、でした。悩みましたが、これも教会からの導きと、自分への信頼からかなと思いました」。園長職は早や6年目。
「日々、子どもたちの声に癒され、自分が救われている思いです」。一昨年創立50周年を迎えた同園。「少子化の波もありますが、自分の代から次へ繋いでいく使命が私にはあります」。
幾多の職歴がいまに活きている。保育園でのオムツや給食の副食費無料化を取り入れ、ICT化やSNS導入に力を入れる。「子どもを一番に大切にするベースは出来ていますから、さらにその園の良さを広めていきたいです」。
リフレッシュは大型バイク。昨年免許を取得、「バイクがずっと憧れで今は『ニンジャ1000』が愛車。休みの日は風を切ってバイクを走らせる。最高ですね」。
26歳で結婚した妻・真由美さんと十日町教会へ毎週足を運ぶ。「キリスト教は私の柱です。くじけそうになった時、教会仲間や園職員、園長会のつながりが力になります」。
▼バトンタッチします
飯塚隆行さん
2025年1月18日号
早いもので2025年(令和7年)が幕を開けてから半月がたちました。
年初には様々な方々や専門家が、その年の予測をします。そのなかで、『S I N I C(サイニック、Seed-Innovation to Need-Impetus Cyclic Evolution)理論が描く未来』が、注目を集めています。
これは、京都に本社がある血圧計で有名なオムロンの創業者が1970年に提唱したもので、そこでの予測が当たり続けていると言われています。S I N I C理論は約50年前に考えられたものですが、2025年に新しい社会が始まると予測しているのです。
ちなみに、これまで、2005年から2024年の20年間は「最適化社会」、その前の1974年から2004年は「情報化社会」が来ると予測して的中させました。そして、2025年からの「自律社会」、さらに2033年からの「自然社会」を予測しています。
「自律社会」では、世の中の価値観が、これまでの利便性や快適性、分業化といったものから大きく変化し、心の豊かさを求め、自立した個が相互に支えあう社会へ移行するとしています。そこでは、個の心とそのつながりにより、新しいものが創造される、としています。
『いま大きな転換期を迎えている』という感覚を持っていらっしゃる方々は多いと思います。そのためか、最近、『グレート・リセット』などという言葉を耳にするようになりました。
ただ、そのような大きな変化が、今年からすでに始まっているのかというと、まだ早いように思うのですが、大学で20歳前後の若者を見ていると、若者の行動というのはこれからの時代をすでに体現しているのでしょうか、利便性を重視するより、個の心を大切にしているように見受けられます。
「自律社会」の次に来るとされている「自然社会」は、一段高いレベルに発展を遂げた、ハイパー原始社会とのことですが、さすがにそこまで想像が追いつきません。とはいえ、それも8年後の2033年から始まると予測されており、もしそうだとしたら、これから何が起こるのだろう…と思ってしまいます。
映画の中だけでの話だろうと思っていたパンデミックが実際に起き、それにより多くの人々の意識が変わったことを考えると、何が起きるかは分からないような気もします。
そのようなことを思う2025年の始まりでした。
2025年1月18日号
見玉不動尊に初詣を兼ねて新年初撮影に出かけました。境内は雪に覆われ滝の音だけが響き渡ります。雪を踏みしめ7段の滝の一番滝を拝み、今年も素敵な発見と出逢い、そして良い写真が撮れることを祈りました。
見玉不動尊は文治2(1186)年、壇ノ浦の戦いの後、平清盛の家臣宮本清佐エ門がお告げにより不動明王を安置したことが始まりという霊験あらたかな古刹で、本山でもある比叡山延暦寺が織田信長による焼き討ちから逃れた5大明王のうち、西方守護神 大威明王と南方守護神 軍茶利明王の2体が安置されているという大変な由緒のある古寺です。
2025年1月18日号
ハローワークに行ったら、こんな求人があった。「十日間市議会議員募集、月額報酬34万円、年間報酬500万円超、年4回の定例市議会、ほかに臨時議会、委員会活動など。募集締切4月20日午後5時、応募資格25歳以上」。いよいよそういう時代になったか…しげしげと募集資料を見ていると誰かが肩を叩いてきた、振り返ると、そこには…。そこで目が覚めた。かなり遅い初夢だった。
今春、その十日町市議選がある。任期満了は4月30日。その前週4月20日告示、27日投票だ。12月14日号の「十日町市の時計が止まっている」には多くの声を頂いた。いやいや、そもそも「時計が狂っている」との声も届き、今春同時選となる市長選、市議選が始まっている証左と受け止めた。
その市議選、なかなか動きがない。ということは現職の多くが再出馬することでもある。今期限りで引退する現職はこれまでに3人、と言われているが、確実な退任表明は副議長・宮沢幸子氏だけ。巷間、飛び交う情報と本人確認が取れている引退現職は他に2人だけ。他の現職は「再出馬」のようだ。一方の新人。これまでに3人が表明し、新たに2人の具体名が巷間で飛び交っている。だが、女性の名は聞かれない。
現定数24、それを5人削減し、改選定数は19。このまま現職再出馬、新人擁立となれば、稀に見る激戦市議選となる様相だ。さらに3月市議会で議員報酬改定が可決すれば、月額報酬34万円となり、年報酬は500万円を超える。県内では低賃金地域で知られる十日町地域で、この500万円は決して少ない額ではないだろう。
初夢の妄想は、一笑できない現実がそこにある。失業中のあなた、転職を考えているあなた、Uターンを考えているあなた、女性をもっと市議会へと思うあなた、「市議業のすすめ」だ。手を上げるチャンスが目の前にある。
2025年1月18日号
世界最大級の東京電力・柏崎刈羽原発(2012年から運転停止)の6、7号機再稼働の動きが加速するなか、「再稼働判断に県民の明確な意思表示を」と全県で行っている県民運動「柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会」。県民投票条例制定を県議会に直接請求するのに必要な「署名3万6400人」を上回り、現在33市区町村で「14万筆」を突破している。目標の20万筆には届いていないが、同じ条例制定を求めた13年前の約6万8千人署名を大きく上回り、県議会の判断が注目される。妻有地域では独自目標『署名1万人』を掲げ、両市町署名は『9110人』(達成率91%)で、内訳は十日町市『7315人』(同86%)、津南町『1795人』(同121%)で、独自目標に対しての達成率は県内トップクラス。「原発再稼働に自分の意思を反映させたい住民の思いの表れ」と関係者はみる。署名は柏崎市、刈羽村、南魚沼市、魚沼市の4市村が継続中で、来月1日までに終了。署名は各市町村選挙管理委員会の審査を受け、3月18~19日に県に署名簿を提出。4月7~8日に臨時県議会に図る見込みだ。
2025年1月11日号
〇…郷土の味を知り、さらに子どもたちにも調理体験を通し食べるものを作る喜びを知って貰おうと昨年から始まった「妻有のごっつぉ~探求会」(南雲留里子代表)。農村地域生活アドバイザーで、郷土料理集『昔なつかし 津南のごっつぉ』(2010年刊)発刊にも携わった阿部和子さん(69、美穂)を講師に食探求会を継続。第3回は先月21日に町総合センターで開き、阿部さんが作った煮なます、奈良漬など試食。子どもたちは米粉ピザづくりに挑戦するなどし、料理交流した。
2025年1月11日号
「自分は何をしたいのか…、生きるとは…」、その自問自答から見出し、進んだ思想や哲学、心理学の分野。学んだ同志社大神学部で出会い、クリスチャンに。
「保育園も幼稚園もキリスト教の教えから始まりました」。昨年4月、日本基督教団・十日町教会に赴任し、牧師と共に併設の十日町幼児園園長を務める。人の誕生から人の最期まで向き合う。「両親も親戚にもクリスチャンはいなかったんです。これも巡り合わせですね」。
宮城・仙台市生まれ。高卒後の予備校時代の講師の言葉で考えた。『勉強のモチベーションを1年間維持するには、自分が何をしたいか、どうなりたいのか、それをしっかり考えることが大切』。このアドバイスが心に響いた。
「目標を2つ持ちました。実学ではなく思想や哲学、心理学を学び、国際的に活動したいと」。進んだのは京都の同志社大神学部。決め手は大学紹介資料の言葉だった。『世界では宗教を信じる人は多いが、日本は無神論の人が多い。グローバル化していく世の中で、国際的に活躍したいなら宗教的素養や知識は不可欠で、神学部は専門的に学ぶことが出来る』。
頭では分かっていたが、その光景を目にして「宗教」を体感。入学式早々、神学部だけ始業礼拝。「初めての教会、礼拝の独特な雰囲気、讃美歌や主の祈りを皆が一斉に唱えだした時、わぁー宗教だーっ、これから大学生活どうしよう…。実は本気で後悔したんです。今では笑い話ですが」。
講義が進むなかで、若く親しみを感じていた講師の授業。「キリスト教と社会福祉の講義で、保育園も幼稚園もキリスト教の教えから始まったなど歴史を学び、興味が増してきたんです」。だが、その講師が突然死去。「人を救い、支える宗教」に疑問を抱く出来事だった。
転機は大学3年の時。「リーマンショックで一気に就職氷河期に。一般企業に就職をと活動しましたが全く決まらなくて」。
再び自分と向き合う時間に。「生きるとは…、長い歴史の中で考えてきたのが宗教と思った時、私には教会がある、その時からです」。大学4年の夏、毎週日曜礼拝に教会へ通った。
礼拝説教の言葉がストンと胸に入った。『日本では年間2万人余の人が自死している。人生は思い通りにいかないことが多いが、思い通りにいかない人生の中で、神に支えられ、それぞれが人生を全うした証拠が聖書には書かれている』、さらに『私たちが聖書を読み、聖書を信じるのは、必ずしも思い通りにいかない人生で、困難を生き抜く力をいただくためではないか』。その年のクリスマスの日、洗礼を受けクリスチャンに。
その後、同志社大大学院へ。教会に住み込みで働く。教会には幼児から高齢者まで多くが集まる。「人の誕生から最期まで関わることってすごいと、牧師になる決意をしました」。
千葉教会では牧師助手の伝道師。その頃、大学時代に出会った妻と結婚。3年後、牧師として愛知・豊田教会、千葉・四街道教会など赴任。教会礼拝に訪れる人の人生と共に歩む。「結婚や出産など、皆さんが人生を歩む姿と共に私があり、共に喜びを感じます。人生の最期を向える家族と共に悲しみがあり、少し手助けができれば私の存在の意味があるのかなと思っています」。昨年4月十日町教会へ。1歳の娘と小3の息子、妻の4人で移住。
十日町教会赴任の橋渡しは前々任の新井純園長からの声掛け。「家族で雪堀キャンプに来たことがあり、雰囲気の良さと保育園がある教会でしたから、ここだと決めました」。
山登りが趣味。「自然豊かで美しく、子どもが大きくなったら一緒に山登りがしたいですね」。親しみある教会をと、分かりやすい言葉掛けを心がけている。人の一生に間近で向き合う日々。十日町幼児園は「子ども第一ですね。その良さを強みに伸ばしていきたいです」。
▼バトンタッチします。
大津富士夫さん
2025年1月11日号