ハローワークに行ったら、こんな求人があった。「十日間市議会議員募集、月額報酬34万円、年間報酬500万円超、年4回の定例市議会、ほかに臨時議会、委員会活動など。募集締切4月20日午後5時、応募資格25歳以上」。いよいよそういう時代になったか…しげしげと募集資料を見ていると誰かが肩を叩いてきた、振り返ると、そこには…。そこで目が覚めた。かなり遅い初夢だった。
今春、その十日町市議選がある。任期満了は4月30日。その前週4月20日告示、27日投票だ。12月14日号の「十日町市の時計が止まっている」には多くの声を頂いた。いやいや、そもそも「時計が狂っている」との声も届き、今春同時選となる市長選、市議選が始まっている証左と受け止めた。
その市議選、なかなか動きがない。ということは現職の多くが再出馬することでもある。今期限りで引退する現職はこれまでに3人、と言われているが、確実な退任表明は副議長・宮沢幸子氏だけ。巷間、飛び交う情報と本人確認が取れている引退現職は他に2人だけ。他の現職は「再出馬」のようだ。一方の新人。これまでに3人が表明し、新たに2人の具体名が巷間で飛び交っている。だが、女性の名は聞かれない。
現定数24、それを5人削減し、改選定数は19。このまま現職再出馬、新人擁立となれば、稀に見る激戦市議選となる様相だ。さらに3月市議会で議員報酬改定が可決すれば、月額報酬34万円となり、年報酬は500万円を超える。県内では低賃金地域で知られる十日町地域で、この500万円は決して少ない額ではないだろう。
初夢の妄想は、一笑できない現実がそこにある。失業中のあなた、転職を考えているあなた、Uターンを考えているあなた、女性をもっと市議会へと思うあなた、「市議業のすすめ」だ。手を上げるチャンスが目の前にある。
2025年1月18日号
有効署名数の4倍近い思いが集まっている。柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票を求める署名運動の集計が7日公表され、市町村選管で署名簿審査が行われている。有効署名3万6千を上回ることは確実で、「県民投票で決める会」は3月中旬までに有効署名を基に花角知事に県民投票条例制定を直接請求する。知事による条例案提案を受け、県議会は4月中の臨時県議会で採決することになる。
2ヵ月間取り組んだ署名活動。だが柏崎市など4市村は来月1日まで続ける関係で、知事への直接請求は3月になる。請求を受け知事は意見書を付け、県民投票条例案を県議会に提案する。
柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票条例制定を求める運動は2012年にも行われた。だが県議会は条例案を否決した。当時の署名を大きく上回る県民の強い思いを、県議会・県議はどう受け止め、採決に臨み、賛否を下すか、最大の焦点になる。当時の県議会で自民代表で述べた尾身孝昭県議の姿がTVで流れている。『原発事業は国策であり国が責任を持って判断すべきこと』と論点すり替えしている。今回、この論理は通用しない。全国の原発で再稼働論議の判決が出ており、再稼働では地元同意が最大の判断要素になっている。それだけに地元県議会の採否には、重大な責任が伴う。
署名運動で関心が高まる原発再稼働。年末から年始にかけて、当事者たる県議の挨拶言葉からは原発の言葉が消えている。意識の裏返しだろうが、4月の臨時県会まで時間がある。どうだろう、県議自ら住民の声を聞いては。
それとも、県民・市民・町民が地元県議への直接行動で「再稼働、どう思いますか?」と詰め寄ることもできる。幸い、尾身県議も小山県議も、魚沼エリアの県議も、事務所を構えている。「おじゃまします」と、新年挨拶がてら、訪ねてみてはいかがか。
2025年1月11日号
流れが来ている、そう感じる数字に驚いた。新潟県立中高一貫校が誕生して23年。その県は「当初の目的は達成した」と中高一貫校のあり方を全面的に見直す方針を打ち出した。それは「閉校」であり「再編」であり、高校の統廃合だ。
その中高一貫校のひとつ、開校19年の津南中等教育学校の今年4月入学の選抜志願者倍率は「1・41」。定員80に対し113人の入学希望者が集まった。この数字はしっかりと、深く考え、次なる行動を起さなくてはならない驚異の数字だ。
「先ずは定員を上回ること」、地元に津南中等を持つ津南町の桑原悠町長は、見直しの県方針が出て以降、機会があるごとに述べている。その日頃のジャブが効いたのか、1倍を大きく上回る志願倍率になった。新潟県教委は10年先を見越した中高一貫校を含む「高校再編」を示し、その具体的な取り組み方針プランを3月、公表する方針だ。今回の津南中等の「実績」は、軽々に3月プランに「再編校」として載せられない数字の実績だが、県は3年ごとに見直す方針。この定員超過をこの先も維持するには、やはり「広域連携の運動」が必要だろう。
十日町・津南エリア、さらに南魚沼・湯沢・北魚エリア。この全魚沼エリア唯一の県立中高一貫校が津南中等校。新潟県内公立高校の大学進学率でも、トップ3の常連校になっている。教育関係者は「あの県境で、通学に不便な地の学校が、なぜ…」と首を傾げる津南中等校の実績である。生徒と先生の関係性の良さ、それが学習効果を上げ、生徒の自主性が育ち、「夢の実現」の通り、目標突破を果たしている。それを支える地元津南町の支援。通学補助、学生宿舎の設置など、まさに「官学協働モデル」が津南中等校と言える。
広域連携の時だろう。県へのアピールの好機。先ずは隣人から。桑原町長、関口市長とのスクラムの時ですよ。
2025年1月4日号
津南町の季節がやって来た。毎日の天気予報、全国の積雪状況が流れ、「津南町では…」と冬型が強いほどその呼称が頻繁に流れる。このチャンスを生かさない手はない。これまでも「好機」は毎冬訪れていたが、その動きはまだ見られない。労せずして…ではないが、このネームバリュー効果、津南町という名を売る宣伝効果を大きい。今冬、雪が多い予報だけに、またチャンスが巡って来た。
「ふるさと納税」。自治体間競争がさらに過熱気味だ。この「津南町では…」を、ふるさと納税につなげる方策を考える価値があるのでは。あの「平成18年豪雪」、2006年の冬、津南町の呼称は世界に流れた。フランス・ルモンド紙が取り上げ、通信社や個人配信を経由しアメリカにも流れた。ふるさと納税開始の2年前だったが津南町は「人が暮らす大豪雪地」として世界に知られ、その地は、世界から来訪者が集う大地の芸術祭の地でもある。
事業実現の資金確保のCF・クラウドファンディングにも役立ちそうだ。雪で困る豪雪地という側面より、雪を産業につなぐ事業化ならばCFへの関心度は高く、あの津南町という知名度が奏功するだろう。その先に明確なビジネスプランがあれば、継続的な事業展開も可能だし、関心度は高い。
桑原悠町長は2期目就任後、他分野の事業民間や実業家と連携協定を結び、津南町という自治体の可能性を広げている。その分野の先にどう経済が見えて来るのか、どう道筋をどう付けるのか、そこの真価が問われている。すでに37歳町長の町は、知られる存在となり、次なる関心の視点は「次は何をするのか」だろう。
この冬、冬型が強まれば連日のように「津南町」が出るだろう。まさに「好機」だ。このチャンスを逃す手はない。
知恵とアイデアの出し所だ。
さて、どう出るか津南町。
2024年12月21日号
来年4月末に市長選がある十日町市。来年6月末に許可権が満了するJR東・宮中取水ダムの水利権。市長選と同じく任期満了となる十日町市議会。動きがピタッと止まっている。時計の針を止めているのは誰か。いやいや、そもそも「十日町の時計」は動いていたのか…など、巷間話しは様々な憶測を呼んでいる。
JR東の水利権更新は、今回は10年前と事を大きく異にしている。不正取水による水利権取り消し後、新たに取得した水利権。来年の更新期はいわゆる「一般的な更新」、関係者はこれを「単純更新」と言う。いやいや単純なことなどこの案件にはない、というのが多くの市民感情だろう。来年の更新は、新規取得に比べ格段に事務手続きが簡素で、許可権者の国交省が地元新潟県知事に意見を求め、知事がOKを出せば、そのまま更新許可される。知事は地元の意見を聞くことができるが、聞く必要が無いと判断すれば、十日町市の意見は求めなくていい、そういう「単純更新」だ。
「発電の地元還元を」。来年4月の市長選に挑む新人が掲げる政策だ。JR東・宮中取水ダムで発電する信濃川発電所(小千谷市)。その関係する両自治体への「地元還元」を求め、両市関係者が連携して動いている。市民の間には「そうだよなぁ」と、ジワリと共感が広がりつつある。この論議もない十日町市議会の12月定例会だ。
任期満了の市長に対し、その進退を問うこともしない市議会だ。9日から12日までの一般質問では、誰もその進退を問わない、これはどうしたことか。ここでも「十日町の時計」は止まっている。いや止められているのか。
改選迫る市議会。動き始めているが、新人の名乗りがない。やはり時計が止まっている。大丈夫か、十日町市。
アナログ時計はネジを巻く。昨今のデジタル時計は止まっても分からない。
2024年12月14日号
取り組み方法の違いは、その前段の「理念」の違いなのだろう。十日町市・津南町・栄村がいま共通して取り組む政課題の一つに「小中学校の再編」がある。そこに臨む行政姿勢に違いが見える。小学校17校、中学校10校を持つ十日町市は当初の学校再編への市民疑問を受け、再編計画をリセットし、新たな検討委員会による学校再編の方向性を地図に落とし込み、市民に提示している。二度目の再編案は10年先を見るが、行政・市教委主導というより、市民がリードし、協議している。
長野県最北の自治体、津南町と隣接の栄村は小学校1校、中学校1校を一体化する「文科省認定の義務教育学校」新設をめざす。その取り組みは村民参加のワークショップ方式。すでに22回を開き、その時々のテーマで村民主導で意見を交わし、ついに新設校の「校名」選定の段階まで来ている。一貫しているのは「村民が自ら作り上げる学校」。村教委は下支えに徹し、村民の主体性、自主性に重点を置く。全く新しい義務教育学校を作る、その大きな一歩の「校名」選びをいま全村対象に行っている。否が応でも関心が高まり、同時に教育内容も独自色を出す取り組みが平行して始まっている。県内外から問い合わせがある。
5年後までに小学校を町立1校にする方針を打ち出す津南町。その学校は「対等統合」という町教委の方針だが、「校名は今の津南小学校」、校歌も校章もそのままという。上郷小・芦ヶ崎小校区からは「対等統合ならなぜ新設小学校として校名や校歌を作らないのか」、疑問の声が出ている。津南町の学校再編は11年前に検討会が答申の内容をベースに学校再編を進めている。時代の変化、住民意識の変化があるなか、なぜ…と疑問が膨らむは町民たちだ。
同じ行政課題に、こうもアプローチが違うのはなぜか。12月議会が始まる。住民代表の議員の出番ですぞ。
2024年12月7日号
人口減少が止まらない。これはもはや生き物的な要因ともいえるのでは。最たるは未婚率の上昇。換言すれば出生数の激減。十日町市の年間出生数は2百人を割り、津南町に至っては20人前後。栄村はひと桁だ。この状況をみても人口減少は必然であり、社会的な要因より、もっと根源性を感じる。
来年2025年、5年に一度の国勢調査がある。その結果は驚きの数値が出るだろう。5年前、2020年データでは十日町市・津南町・栄村の未婚率、男女で大きな開きがあるが、30代男性で4割を超え、40代も4割前後の数値で、単純に男女平均は出せないが、未婚率は30代で3割を超えているだろう。
「結婚だけが人生ではない」。この言葉は、未婚率上昇を分析するどんな説明より、説得があり、返す言葉を失う最強の言葉だ。確かに、その通りだ。我が人生を歩む、それを誰も咎めることはできない。その人生観こそ、本道であろう。
だが、現実に目を向けざるをえない。市町村別の行政運営を前提にしている以上、自治体の人口推移はその行政運営の根幹を成す。全国の自治体が大合唱する「移住・定住の促進」になるが、それは所詮、限られた人の数の異動でしかないのが現実。同じ状況にあるのが「ふるさと納税」。その自治体に入るべき税金が、この制度により他の自治体の財源になっている。移住・定住も同じ側面を持っている。
未婚率の上昇を嘆いたところで、当事者意識が高揚しない限り、婚姻率の上昇は期待できないし、これを政策的に進めるには、人権問題が大きく影響してくる。だが、「手を拱いていられない」現実が、市町村にはある。
さて、どうするか。首都圏ではマッチングアプリでの出会い、結婚の割合が急上昇している。いやはや、いよいよAI支配の社会到来か。
2024年11月30日号
「生業は市議です」。来春の改選後、こう言い切る十日町市議会議員は誕生するのか。市民代表の市議5人を削減しての改選だ。今の24人が19人になる市議会。その報酬も今より上がる見込み。月額30万円の議員報酬。年報酬は450万円を上回る。来年5月30日の任期満了までに報酬は引き上げられ、その年報酬は5百万円を超える見込みだ。数字が続いたが当然、議員活動は365日、24時間、その重責を担っている前提での数字だ。地域の所得状況からみても、生業(なりわい)となる「市議業」ではないか。
現定数24人。これまでに今期限りでの退任を公表している現職はひとりもいない。改選定数は19、現職全員が再出馬すれば5人が議席を失う。「我が身を削る思い」なのか、「有権者に淘汰される身」なのか。
改選まで5ヵ月余り。新人にとっては起意を固めるぎりぎりのリミットだろう。2025年元日を期してスタートする新人もいるだろう。最近の傾向は短期決戦の選挙戦が多い。だがそれは1人を選ぶ選挙、つまり知事選や市町村長選では有効な戦術だ。だが一番身近な市議選は、この地域事情が絡み合い、なかなかややこしい前哨戦が求められるのも事実。そうなると経験値を積む現職が有利になる。
だが、先の衆院選、先週の兵庫県知事選などでは世論の動きが、見えない動きに押され、予期せぬ結果を招く状況が続いている。来春の十日町市長選、市議選でも、その影響を受けるだろう。
ならば、「私の生業は市議」が誕生しても良いのでは。失業中で職を探しているあなた、今の職場に疑問を抱くあなた、全く違う職業への転職を考えているあなた、政治に直接関わりたいあなた、自分の意見を公の場で堂々と主張したいあなた、十日町市をぐいぐい引っ張っていこうと思うあなた。
「市議業のすすめ」、である。
2024年11月23日号
モヤモヤが続いている。昭和の時代から何にも変わっていないんじゃないか、そう思うような男性擁護を感じる。国民民主党の玉木雄一郎代表の不倫問題だ。高松市観光大使を務める元タレントとの不倫問題が発覚したニュース。玉木代表は11日、国会内で臨時記者会見し、不倫報道を認め謝罪した。
だが、国民民主党代表としての進退は「仲間に意見を聞く」と明言を避け、同日開催の同党両院議員総会で代表辞任を求める意見は出ず、「玉木氏でなければ務まらない」とする擁護論が大勢を占め、代表続投が了承された。ますますモヤモヤが増した。
国民民主は玉木代表の発信力に大きく依存しており、不倫問題の不祥事で大黒柱を失えば、党の瓦解に直結しかねないお家事情がある。「これまで党を引っ張ってきたのは玉木だ。政策実現に全力を傾けて欲しい」、「玉木氏に代わる人材はいない。党内基盤が揺らぐことはないだろう」と、社会的に容認されない不倫問題より、玉木代表が掲げる「手取りを増やす経済政策」の実現のための党目標を優先する姿勢には、人間としての不信感が募るばかりだ。さらに、今回の不倫問題より、「手取りを増やす経済政策への期待の方が大きい。有権者の多くもその思いは大きくは変わらないだろう」とも話しているとは、呆れた認識だ。
だが、考えてほしい。この不倫問題が衆院選前に報道されていたら、選挙結果はどうだったか。そこを国民民主は真っ先に考えただろうし、それは天国から地獄へ、だったろう。ジェンダー問題への意識が国際的に高まるなか、今回の「玉木問題」は、これにて一件落着にはならないだろうし、してはならない。これから臨時国会が始まり、この問題をどう扱うか注視したい。
玉木代表の妻の言葉が全てだろう。「家族を守れないものが、国民を守れるのか」。その通りだ。 (相澤由加理)
2024年11月16日号
だから、と聞き返したくなる。JR東は衆院選が終わった2日後の先月29日、管内の地方赤字路線の収支状況を公表した。5年前から収支公表しており、予想通り飯山線の路線名が赤字ローカル線の代名詞として新聞やメディアに流れた。「百円の収入を得るのにかかる費用」をJRは『営業係数』と表示する。公表72路線で営業係数1万円を超えるのは4路線区間ある。「飯山線・戸狩野沢温泉―津南」は1万316円。だから、どうした、と聞き返したくなる。利用者が少ない現実はあるが、一方で経済活動から見れば「営業努力が足りない」となる。沿線に暮らす我々、さて、どうする。数字が続くが現実がよく分かる。
営業係数1万円を超える4路線区間で最多は1万3580円の「久留里線・久留里―上総亀山」。次が陸羽線・鳴子温泉―最上で1万3465円、さらに花輪線・荒屋新町―鹿角花輪の1万916円、その次が飯山線。このデータには興味深い数字も出ている。
37年前の1987年度と2023年度の一日乗者数(平均通過数)の比較だ。1万円を超える飯山線同区間の37年前は822人、昨年度は84人、実に90%の減少率。JR東が調査区間とする飯山線4区間では、豊野―飯山の減少率58%(37年前3368人、2023年度1398人)。津南―越後川口は減少率64%(37年前949人、2023年度342人)。公表72路線区間では減少率が少ない部類に入る。だが飯山―戸狩野沢温泉81%、戸狩野沢温泉―津南90%と深刻な数字を示す。まさに人口減少がそのまま具体化している。
サイクルトレイン、おいこっと、企画列車など経営努力の取り組みは見られ、最たるは8年前のSL運行だろう。人口減少、特に少子化で列車通学者が激減している現実だ。県を超え連携する飯山線沿線協議会がある。JR東と、とことん話してはどうか。
2024年11月9日号
ハローワークに行ったら、こんな求人があった。「十日間市議会議員募集、月額報酬34万円、年間報酬500万円超、年4回の定例市議会、ほかに臨時議会、委員会活動など。募集締切4月20日午後5時、応募資格25歳以上」。いよいよそういう時代になったか…しげしげと募集資料を見ていると誰かが肩を叩いてきた、振り返ると、そこには…。そこで目が覚めた。かなり遅い初夢だった。
今春、その十日町市議選がある。任期満了は4月30日。その前週4月20日告示、27日投票だ。12月14日号の「十日町市の時計が止まっている」には多くの声を頂いた。いやいや、そもそも「時計が狂っている」との声も届き、今春同時選となる市長選、市議選が始まっている証左と受け止めた。
その市議選、なかなか動きがない。ということは現職の多くが再出馬することでもある。今期限りで引退する現職はこれまでに3人、と言われているが、確実な退任表明は副議長・宮沢幸子氏だけ。巷間、飛び交う情報と本人確認が取れている引退現職は他に2人だけ。他の現職は「再出馬」のようだ。一方の新人。これまでに3人が表明し、新たに2人の具体名が巷間で飛び交っている。だが、女性の名は聞かれない。
現定数24、それを5人削減し、改選定数は19。このまま現職再出馬、新人擁立となれば、稀に見る激戦市議選となる様相だ。さらに3月市議会で議員報酬改定が可決すれば、月額報酬34万円となり、年報酬は500万円を超える。県内では低賃金地域で知られる十日町地域で、この500万円は決して少ない額ではないだろう。
初夢の妄想は、一笑できない現実がそこにある。失業中のあなた、転職を考えているあなた、Uターンを考えているあなた、女性をもっと市議会へと思うあなた、「市議業のすすめ」だ。手を上げるチャンスが目の前にある。
2025年1月18日号
有効署名数の4倍近い思いが集まっている。柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票を求める署名運動の集計が7日公表され、市町村選管で署名簿審査が行われている。有効署名3万6千を上回ることは確実で、「県民投票で決める会」は3月中旬までに有効署名を基に花角知事に県民投票条例制定を直接請求する。知事による条例案提案を受け、県議会は4月中の臨時県議会で採決することになる。
2ヵ月間取り組んだ署名活動。だが柏崎市など4市村は来月1日まで続ける関係で、知事への直接請求は3月になる。請求を受け知事は意見書を付け、県民投票条例案を県議会に提案する。
柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票条例制定を求める運動は2012年にも行われた。だが県議会は条例案を否決した。当時の署名を大きく上回る県民の強い思いを、県議会・県議はどう受け止め、採決に臨み、賛否を下すか、最大の焦点になる。当時の県議会で自民代表で述べた尾身孝昭県議の姿がTVで流れている。『原発事業は国策であり国が責任を持って判断すべきこと』と論点すり替えしている。今回、この論理は通用しない。全国の原発で再稼働論議の判決が出ており、再稼働では地元同意が最大の判断要素になっている。それだけに地元県議会の採否には、重大な責任が伴う。
署名運動で関心が高まる原発再稼働。年末から年始にかけて、当事者たる県議の挨拶言葉からは原発の言葉が消えている。意識の裏返しだろうが、4月の臨時県会まで時間がある。どうだろう、県議自ら住民の声を聞いては。
それとも、県民・市民・町民が地元県議への直接行動で「再稼働、どう思いますか?」と詰め寄ることもできる。幸い、尾身県議も小山県議も、魚沼エリアの県議も、事務所を構えている。「おじゃまします」と、新年挨拶がてら、訪ねてみてはいかがか。
2025年1月11日号
流れが来ている、そう感じる数字に驚いた。新潟県立中高一貫校が誕生して23年。その県は「当初の目的は達成した」と中高一貫校のあり方を全面的に見直す方針を打ち出した。それは「閉校」であり「再編」であり、高校の統廃合だ。
その中高一貫校のひとつ、開校19年の津南中等教育学校の今年4月入学の選抜志願者倍率は「1・41」。定員80に対し113人の入学希望者が集まった。この数字はしっかりと、深く考え、次なる行動を起さなくてはならない驚異の数字だ。
「先ずは定員を上回ること」、地元に津南中等を持つ津南町の桑原悠町長は、見直しの県方針が出て以降、機会があるごとに述べている。その日頃のジャブが効いたのか、1倍を大きく上回る志願倍率になった。新潟県教委は10年先を見越した中高一貫校を含む「高校再編」を示し、その具体的な取り組み方針プランを3月、公表する方針だ。今回の津南中等の「実績」は、軽々に3月プランに「再編校」として載せられない数字の実績だが、県は3年ごとに見直す方針。この定員超過をこの先も維持するには、やはり「広域連携の運動」が必要だろう。
十日町・津南エリア、さらに南魚沼・湯沢・北魚エリア。この全魚沼エリア唯一の県立中高一貫校が津南中等校。新潟県内公立高校の大学進学率でも、トップ3の常連校になっている。教育関係者は「あの県境で、通学に不便な地の学校が、なぜ…」と首を傾げる津南中等校の実績である。生徒と先生の関係性の良さ、それが学習効果を上げ、生徒の自主性が育ち、「夢の実現」の通り、目標突破を果たしている。それを支える地元津南町の支援。通学補助、学生宿舎の設置など、まさに「官学協働モデル」が津南中等校と言える。
広域連携の時だろう。県へのアピールの好機。先ずは隣人から。桑原町長、関口市長とのスクラムの時ですよ。
2025年1月4日号
津南町の季節がやって来た。毎日の天気予報、全国の積雪状況が流れ、「津南町では…」と冬型が強いほどその呼称が頻繁に流れる。このチャンスを生かさない手はない。これまでも「好機」は毎冬訪れていたが、その動きはまだ見られない。労せずして…ではないが、このネームバリュー効果、津南町という名を売る宣伝効果を大きい。今冬、雪が多い予報だけに、またチャンスが巡って来た。
「ふるさと納税」。自治体間競争がさらに過熱気味だ。この「津南町では…」を、ふるさと納税につなげる方策を考える価値があるのでは。あの「平成18年豪雪」、2006年の冬、津南町の呼称は世界に流れた。フランス・ルモンド紙が取り上げ、通信社や個人配信を経由しアメリカにも流れた。ふるさと納税開始の2年前だったが津南町は「人が暮らす大豪雪地」として世界に知られ、その地は、世界から来訪者が集う大地の芸術祭の地でもある。
事業実現の資金確保のCF・クラウドファンディングにも役立ちそうだ。雪で困る豪雪地という側面より、雪を産業につなぐ事業化ならばCFへの関心度は高く、あの津南町という知名度が奏功するだろう。その先に明確なビジネスプランがあれば、継続的な事業展開も可能だし、関心度は高い。
桑原悠町長は2期目就任後、他分野の事業民間や実業家と連携協定を結び、津南町という自治体の可能性を広げている。その分野の先にどう経済が見えて来るのか、どう道筋をどう付けるのか、そこの真価が問われている。すでに37歳町長の町は、知られる存在となり、次なる関心の視点は「次は何をするのか」だろう。
この冬、冬型が強まれば連日のように「津南町」が出るだろう。まさに「好機」だ。このチャンスを逃す手はない。
知恵とアイデアの出し所だ。
さて、どう出るか津南町。
2024年12月21日号
来年4月末に市長選がある十日町市。来年6月末に許可権が満了するJR東・宮中取水ダムの水利権。市長選と同じく任期満了となる十日町市議会。動きがピタッと止まっている。時計の針を止めているのは誰か。いやいや、そもそも「十日町の時計」は動いていたのか…など、巷間話しは様々な憶測を呼んでいる。
JR東の水利権更新は、今回は10年前と事を大きく異にしている。不正取水による水利権取り消し後、新たに取得した水利権。来年の更新期はいわゆる「一般的な更新」、関係者はこれを「単純更新」と言う。いやいや単純なことなどこの案件にはない、というのが多くの市民感情だろう。来年の更新は、新規取得に比べ格段に事務手続きが簡素で、許可権者の国交省が地元新潟県知事に意見を求め、知事がOKを出せば、そのまま更新許可される。知事は地元の意見を聞くことができるが、聞く必要が無いと判断すれば、十日町市の意見は求めなくていい、そういう「単純更新」だ。
「発電の地元還元を」。来年4月の市長選に挑む新人が掲げる政策だ。JR東・宮中取水ダムで発電する信濃川発電所(小千谷市)。その関係する両自治体への「地元還元」を求め、両市関係者が連携して動いている。市民の間には「そうだよなぁ」と、ジワリと共感が広がりつつある。この論議もない十日町市議会の12月定例会だ。
任期満了の市長に対し、その進退を問うこともしない市議会だ。9日から12日までの一般質問では、誰もその進退を問わない、これはどうしたことか。ここでも「十日町の時計」は止まっている。いや止められているのか。
改選迫る市議会。動き始めているが、新人の名乗りがない。やはり時計が止まっている。大丈夫か、十日町市。
アナログ時計はネジを巻く。昨今のデジタル時計は止まっても分からない。
2024年12月14日号
取り組み方法の違いは、その前段の「理念」の違いなのだろう。十日町市・津南町・栄村がいま共通して取り組む政課題の一つに「小中学校の再編」がある。そこに臨む行政姿勢に違いが見える。小学校17校、中学校10校を持つ十日町市は当初の学校再編への市民疑問を受け、再編計画をリセットし、新たな検討委員会による学校再編の方向性を地図に落とし込み、市民に提示している。二度目の再編案は10年先を見るが、行政・市教委主導というより、市民がリードし、協議している。
長野県最北の自治体、津南町と隣接の栄村は小学校1校、中学校1校を一体化する「文科省認定の義務教育学校」新設をめざす。その取り組みは村民参加のワークショップ方式。すでに22回を開き、その時々のテーマで村民主導で意見を交わし、ついに新設校の「校名」選定の段階まで来ている。一貫しているのは「村民が自ら作り上げる学校」。村教委は下支えに徹し、村民の主体性、自主性に重点を置く。全く新しい義務教育学校を作る、その大きな一歩の「校名」選びをいま全村対象に行っている。否が応でも関心が高まり、同時に教育内容も独自色を出す取り組みが平行して始まっている。県内外から問い合わせがある。
5年後までに小学校を町立1校にする方針を打ち出す津南町。その学校は「対等統合」という町教委の方針だが、「校名は今の津南小学校」、校歌も校章もそのままという。上郷小・芦ヶ崎小校区からは「対等統合ならなぜ新設小学校として校名や校歌を作らないのか」、疑問の声が出ている。津南町の学校再編は11年前に検討会が答申の内容をベースに学校再編を進めている。時代の変化、住民意識の変化があるなか、なぜ…と疑問が膨らむは町民たちだ。
同じ行政課題に、こうもアプローチが違うのはなぜか。12月議会が始まる。住民代表の議員の出番ですぞ。
2024年12月7日号
人口減少が止まらない。これはもはや生き物的な要因ともいえるのでは。最たるは未婚率の上昇。換言すれば出生数の激減。十日町市の年間出生数は2百人を割り、津南町に至っては20人前後。栄村はひと桁だ。この状況をみても人口減少は必然であり、社会的な要因より、もっと根源性を感じる。
来年2025年、5年に一度の国勢調査がある。その結果は驚きの数値が出るだろう。5年前、2020年データでは十日町市・津南町・栄村の未婚率、男女で大きな開きがあるが、30代男性で4割を超え、40代も4割前後の数値で、単純に男女平均は出せないが、未婚率は30代で3割を超えているだろう。
「結婚だけが人生ではない」。この言葉は、未婚率上昇を分析するどんな説明より、説得があり、返す言葉を失う最強の言葉だ。確かに、その通りだ。我が人生を歩む、それを誰も咎めることはできない。その人生観こそ、本道であろう。
だが、現実に目を向けざるをえない。市町村別の行政運営を前提にしている以上、自治体の人口推移はその行政運営の根幹を成す。全国の自治体が大合唱する「移住・定住の促進」になるが、それは所詮、限られた人の数の異動でしかないのが現実。同じ状況にあるのが「ふるさと納税」。その自治体に入るべき税金が、この制度により他の自治体の財源になっている。移住・定住も同じ側面を持っている。
未婚率の上昇を嘆いたところで、当事者意識が高揚しない限り、婚姻率の上昇は期待できないし、これを政策的に進めるには、人権問題が大きく影響してくる。だが、「手を拱いていられない」現実が、市町村にはある。
さて、どうするか。首都圏ではマッチングアプリでの出会い、結婚の割合が急上昇している。いやはや、いよいよAI支配の社会到来か。
2024年11月30日号
「生業は市議です」。来春の改選後、こう言い切る十日町市議会議員は誕生するのか。市民代表の市議5人を削減しての改選だ。今の24人が19人になる市議会。その報酬も今より上がる見込み。月額30万円の議員報酬。年報酬は450万円を上回る。来年5月30日の任期満了までに報酬は引き上げられ、その年報酬は5百万円を超える見込みだ。数字が続いたが当然、議員活動は365日、24時間、その重責を担っている前提での数字だ。地域の所得状況からみても、生業(なりわい)となる「市議業」ではないか。
現定数24人。これまでに今期限りでの退任を公表している現職はひとりもいない。改選定数は19、現職全員が再出馬すれば5人が議席を失う。「我が身を削る思い」なのか、「有権者に淘汰される身」なのか。
改選まで5ヵ月余り。新人にとっては起意を固めるぎりぎりのリミットだろう。2025年元日を期してスタートする新人もいるだろう。最近の傾向は短期決戦の選挙戦が多い。だがそれは1人を選ぶ選挙、つまり知事選や市町村長選では有効な戦術だ。だが一番身近な市議選は、この地域事情が絡み合い、なかなかややこしい前哨戦が求められるのも事実。そうなると経験値を積む現職が有利になる。
だが、先の衆院選、先週の兵庫県知事選などでは世論の動きが、見えない動きに押され、予期せぬ結果を招く状況が続いている。来春の十日町市長選、市議選でも、その影響を受けるだろう。
ならば、「私の生業は市議」が誕生しても良いのでは。失業中で職を探しているあなた、今の職場に疑問を抱くあなた、全く違う職業への転職を考えているあなた、政治に直接関わりたいあなた、自分の意見を公の場で堂々と主張したいあなた、十日町市をぐいぐい引っ張っていこうと思うあなた。
「市議業のすすめ」、である。
2024年11月23日号
モヤモヤが続いている。昭和の時代から何にも変わっていないんじゃないか、そう思うような男性擁護を感じる。国民民主党の玉木雄一郎代表の不倫問題だ。高松市観光大使を務める元タレントとの不倫問題が発覚したニュース。玉木代表は11日、国会内で臨時記者会見し、不倫報道を認め謝罪した。
だが、国民民主党代表としての進退は「仲間に意見を聞く」と明言を避け、同日開催の同党両院議員総会で代表辞任を求める意見は出ず、「玉木氏でなければ務まらない」とする擁護論が大勢を占め、代表続投が了承された。ますますモヤモヤが増した。
国民民主は玉木代表の発信力に大きく依存しており、不倫問題の不祥事で大黒柱を失えば、党の瓦解に直結しかねないお家事情がある。「これまで党を引っ張ってきたのは玉木だ。政策実現に全力を傾けて欲しい」、「玉木氏に代わる人材はいない。党内基盤が揺らぐことはないだろう」と、社会的に容認されない不倫問題より、玉木代表が掲げる「手取りを増やす経済政策」の実現のための党目標を優先する姿勢には、人間としての不信感が募るばかりだ。さらに、今回の不倫問題より、「手取りを増やす経済政策への期待の方が大きい。有権者の多くもその思いは大きくは変わらないだろう」とも話しているとは、呆れた認識だ。
だが、考えてほしい。この不倫問題が衆院選前に報道されていたら、選挙結果はどうだったか。そこを国民民主は真っ先に考えただろうし、それは天国から地獄へ、だったろう。ジェンダー問題への意識が国際的に高まるなか、今回の「玉木問題」は、これにて一件落着にはならないだろうし、してはならない。これから臨時国会が始まり、この問題をどう扱うか注視したい。
玉木代表の妻の言葉が全てだろう。「家族を守れないものが、国民を守れるのか」。その通りだ。 (相澤由加理)
2024年11月16日号
だから、と聞き返したくなる。JR東は衆院選が終わった2日後の先月29日、管内の地方赤字路線の収支状況を公表した。5年前から収支公表しており、予想通り飯山線の路線名が赤字ローカル線の代名詞として新聞やメディアに流れた。「百円の収入を得るのにかかる費用」をJRは『営業係数』と表示する。公表72路線で営業係数1万円を超えるのは4路線区間ある。「飯山線・戸狩野沢温泉―津南」は1万316円。だから、どうした、と聞き返したくなる。利用者が少ない現実はあるが、一方で経済活動から見れば「営業努力が足りない」となる。沿線に暮らす我々、さて、どうする。数字が続くが現実がよく分かる。
営業係数1万円を超える4路線区間で最多は1万3580円の「久留里線・久留里―上総亀山」。次が陸羽線・鳴子温泉―最上で1万3465円、さらに花輪線・荒屋新町―鹿角花輪の1万916円、その次が飯山線。このデータには興味深い数字も出ている。
37年前の1987年度と2023年度の一日乗者数(平均通過数)の比較だ。1万円を超える飯山線同区間の37年前は822人、昨年度は84人、実に90%の減少率。JR東が調査区間とする飯山線4区間では、豊野―飯山の減少率58%(37年前3368人、2023年度1398人)。津南―越後川口は減少率64%(37年前949人、2023年度342人)。公表72路線区間では減少率が少ない部類に入る。だが飯山―戸狩野沢温泉81%、戸狩野沢温泉―津南90%と深刻な数字を示す。まさに人口減少がそのまま具体化している。
サイクルトレイン、おいこっと、企画列車など経営努力の取り組みは見られ、最たるは8年前のSL運行だろう。人口減少、特に少子化で列車通学者が激減している現実だ。県を超え連携する飯山線沿線協議会がある。JR東と、とことん話してはどうか。
2024年11月9日号