観光産業のポイントの一つは「宿」だろう。先の十日町市議会一般質問で観光客入込数が公表された。2022年282万人余、昨年2023年は246万人。一方、宿泊数は公表の2022年は21万人という。観光来訪者の宿泊は1割余りだ。地域に宿泊受入れキャパが少ない実態が分かる。一方、津南町の2023年は観光来訪者39万人余、うち宿泊数は未公表だが、宿泊拠点のニュー・グリーンピア津南は5万4千人余と先週の株主総会で公表された。この津南町の観光拠点が来年9月末、現経営者との10年間の業務委託契約が満了になる。どうする津南町、である。
「まだまだ、やれることがある。ようやくコロナ前に戻りつつあるが、新たな取り組みが求められている」。この観光拠点は津南町が所有し、地元関係者などの共同出資の現地法人・津南高原開発が経営する。いわゆる「公設民営」。ファミリー層の利用はようやくコロナ前の状態に少しずつ回復しつつあるというが、「新たな取り組み、誘客戦略が必要」という。自立を選択した津南町、その町所有の観光拠点施設は、いわば津南町の「営業戦略拠点」でもある。外部への「町としての営業」が手薄ではないか。
インバウンドを取り組むなら25年前に友好交流締結している韓国・ヨジョ市との関係性の密度を濃くする戦略が必要だ。『頼もしき応援団・日本食研』との連携もさらに太くできる。特に日本食研・大沢一彦会長は東京農大の名誉教授。農業立町の津南町にとって、東京農大との連携は大きな意義がある。大沢会長の存在は津南町にとって重要な意味を持つ。東京・世田谷区の保坂区長は津南町と縁深い。祖父が町内大井平出身となれば、世田谷区との関係性、さらに連携事業が見えてくる。
可能性の要素はある。どう動くか、動く気があるのか、ここだろう。