「なんとかなる、ですね」

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早河 史恵さん(1971年生まれ)

 まさに人から人へのつながりが、いまの『ママのおやつ』を築き上げている。東京・新宿生まれと神奈川・藤沢生まれが広告代理店で出会い、アメリカで1年余り暮し、人と人のつながりから津南町の住人になり、早や26年余の歳月を刻む。仕事関係で出会った農業者などの協力でユリ栽培、コメ作り、野菜栽培など全くの未経験ながら挑む。 
 そんなある日、夫が言った。「一本足では、ダメになった時、どうしようもない。おまえ、お菓子作りが好きだろう」、このひと言から全てが動き出した。
 ちょうど6次産業化による事業起しが全国的に始まる頃。「お菓子作りが好きだったと言っても、我が子たちの誕生ケーキを作るような家で作る程度。できる? まあ、なんとかなるかなぁ」。このポジティブさが次々と人から人につながり、「日本の洋菓子界を作り上げてきたお師匠様との出会い」が契機となり、自己研鑽を積み上げ、その師匠からは今も指導、アドバイスを受けている。
 師匠からは基本から叩き込まれ、何度も壁にぶち当たりながらも、友だちや仲間たちの声掛けや笑顔に支えられ、今がある。師匠の『厳しくも優しい言葉』をいつも胸に秘める。『こんな田舎だけど、時代の最先端なものがあっていい。常にお客様と向き合い、一番良いものを作る、これだよ』。
 地元産米の米粉、地元農業者の新潟地鶏の卵、ニンジン、アスパラ、カボチャ、サツマイモなど素材を積極使用している。毎月の先生来訪の日は「ドキドキ、ワクワクの時間です」。 
 ポジティブ満開の笑顔が、今日も出迎えてくれる。「今年9月で10年になるんですよ。ほんと、あっという間、信じられないですね」。
◆バトンタッチします。
 「佐藤美保子さん」