『生きる力、これでしょ』

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南雲真樹さん(1983年生まれ)

 この春、七度目の米作りだ。耕作放棄田は茅など茫々の草だらけだったが、すべて手作業で除去。米作りもすべて手作業。「当たり前、これが普通だと思う。化学肥料や農薬を使うことで、大事なものを失っていることは、今の人たちが罹る病気を見れば分かるはず」。
「そもそも生きるために必要なものは何か。その大切なものは皆が大事にする。だが、今はお金に振り回されている。生きる力とは、なにかでしょ」。
 横浜生まれ、横浜育ち。「こうじゃなければならない」的な『予定調和』の生き方を嫌い、5回ほど行ったインド滞在で『人間くささ、人間として』の観念的な体験、ガンジス川源流までの徒歩行など、その後の生き方に影響している。生きるために必要なもの、その一つの米作りをしたいと。「呼んでいた」、全く知らない十日町に7年前に移り住んだ。いまは松代・仙納に妻と暮らす。
 どこへ行くにも一緒の相棒はあひるの「チャイ」。全て手作りの米、地元の清水、松之山温泉で作る塩、生きる力を商品化している。『あひる屋』を掲げ口コミ販売。今月17日に十日町駅「コンコース・マルシェ」で販売する。  
 無農薬・無化学肥料の米『玄天快氣』(げんてんかいき)。「今の日本は全て出来レースの世界。取り繕いやうわべだけの世界であり、まさに原点回帰が求められている。これほどの消費社会、いいかげんに消費者は気づくべきだ」。販売は『量り売り』をする。「一人の一歩は小さな一歩だが、皆で踏み出せば大きな一歩になる」。
 春からの米作り。すでに残雪を割り、天水田に水を貯め始めている。「この先、なにが起きるか分からない、そのアクシデントが面白い」。
◆バトンタッチします。
 「会田法行さん」