どうするグリーンピア

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社説

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 津南町が岐路に立つ。観光の拠点、ニュー・グリーンピア津南の行方だ。9月30日で賃貸借契約が満了し、10月からの新たな経営者が決まっていない。残る3ヵ月、カウントダウンを刻む音が、日ごとその切迫感を増している。今月中に「優先交渉権を付与」すると方針を示す桑原悠町長。その相手は2社あり、どちらにするか選考協議の日々なのだろう。
 「津南町からグリーンピアがなくなったら、本当に何もなくなる」、住民の一致する思いだろう。だが、建設・開業から40年を経る観光拠点は、その広大な自然は魅力だが、ホテル棟など観光施設は「40年を経た中古物件」。この施設を引き続き津南観光のために使いたい、そう手を上げている2社は、相当なる覚悟なのだろう。
 その一つ、現在の経営法人・津南高原開発は株主総会を24日開いた。第21期の決算は質疑もなく承認された。その他で説明に立った樋口明社長は、9月末以降を視野に出席株主に経過説明した。賃貸借契約の『施設修繕は経営法人が行う』内容に疑義を述べ、「社会通念上、それでは経営できない」とこの10年間、何度も施設所有の津南町に求めた経過を話す。「契約更新が出来なかった場合…」、さらに踏み込んだ言葉を株主に話し、相当なる覚悟で臨んでいる姿勢を見せている。
 10月以降の経営体選択は「二者択一」なのか、である。どちらかに優先交渉を絞り込み、売却土地など具体的な交渉に入るが、この主導権は明らかに応札した民間にある。AがダメならBで、そんな単純な選択になるのだろうか。今回の「交渉」はすべて秘匿義務を課すなかで進み、外野論議は推測の域を出ないのが現実だ。
 今回の決定は、津南町にとって相当なる岐路になるだろう。その岐路の先をどう読み込み、政策決定するか、決断の日は迫っている。

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