南雲 敏夫(県自然観察指導員)
昆虫、特にチョウやハチがよく集まる花がある。畑の雑草でもっとも手ごわい相手であるヤプガラシ、抜いても抜いてもどこからか芽が出てきては他の植物にからみつく厄介者。
そんな厄介者でもチョウやハチ類にとっては魅力的な花らしい。一度アゲハチョウに聞いてみたいほどだが、本当によくこの花に来る。スズメバチの仲間もよく集まってくるのでハチ類にはよほど好評の花なんだろうな−って。
我々がこの花の匂いをかぐとかなりキつめの匂いがするが、昆虫にとってはとても抜群に美味しい匂いだと思われる。
今年は南天とユキツバキにからむヤブガラシをそのままにしておいて観察してみたが、からみつかれる方はたいへんだろうなと思う。
もちろんチョウばかりではなくハナカミキリの仲間も来ているしコガネムシの仲間も来る。
みんなお揃いのレストランになっている。家の周りにそんな場所が一ヵ所あってもバチは当たらないだろう…。