カマキリの卵と積雪量

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照井 麻美(津南星空写真部)

 「カマキリの卵が高いところに産み付けられていれば今年は大雪だ」という雪国の言い伝えのような話を皆さん一度は聞いたり、話したことがあると思います。
 この話は本当なのか? 平成9年(1997)にカマキリの卵が産み付けられる高さと、最大積雪深に関する研究発表が新潟県出身の酒井氏からされ、それがテレビなどのメディアを通じて広く知られるようになったようです。
 しかし、近年弘前大学の安藤喜一氏によってそれは間違いであるということが書物でも書かれており、そもそもカマキリの卵は寒さや雪、耐水性にも優れており、雪に埋もれても春には羽化することがわかっています。
 研究内容を見るとカマキリ自身が積雪予想をして卵を産み付ける高さを変えているわけではなさそうですが、気候の変化によって大気中の水分量や樹木の成長具合によって産卵場所が異なっているように感じました。
 個人的にはこの秋見かけたカマキリの卵は3ヵ所で全て地上から約140cmのところに付いていたことや、ヘクサムシの数も見逃せませんが、ぜひ皆さんも今年の積雪量を予想してみてください。