カワラタケとチャウロコタケ

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中沢 英正(県自然観察保護員)

 森を歩くのは楽しい。冬は観察するものは限られるが嬉しい出会いもある。積雪が少ないと切り株や落枝についたキノコが目につく。
 お気に入りはカワラタケ(写真右)やチャウロコタケ(写真左)。革質のかたい傘を持ち、年中見ることができる。幾重にも重なって生える様子を瓦や鱗に見立てたものだ。
 どちらも白色腐朽菌と呼ばれ、材を白く腐らせる役目を担っている。
 このキノコたちに興味をひかれるのは傘の模様。傘は半円形や扇形で、同心円状に縞模様が入る。カワラタケの傘色は黒が多いが、茶、青、灰、黄などさまざまだ。チャウロコタケの傘は名前の通り茶系統である。双方とも個体によって縞模様に変化があるところが
面白い。
 傘の模様は単なるおしゃれ…? それとも何か重要な意味が隠されているのだろうか。