南雲 敏夫(県自然観察指導員)
コシノコバイモ、幻の花とも言われているが、その数はある程度あるみたいだが、なんにせよ緑色の花の色合いと小型の背丈、花が下向き加減でおしとやか。
だからそのつもりで捜さないと、ほとんどの人たちは見つけられないで終わる。普通の花は一茎に一花であるが、この花は一茎に二花付いている。
変化花と言われればそれきりだが、いままで相当の量の花を捜して見ているが、こんな変わった花は初めてである。
たいていカタクリの咲いている時期に咲いているのだが、カタクリと同じで花が終わると、地上茎がサッサと枯れてなくなってしまう。
いわゆる夏眠タイプの花で、キクザキイチリンソウやイチリンソウなどもその仲間、通称はスプリングエフェメラルと言う可憐な名前が付いている。
それにしても、なぜこのような花ができるのかが一番の疑問だが、自然の中に生育する草花は、説明できない内容もおおいのでは。
変わった花を見つけるには、その前に正常の花をしっかりと覚える必要があると言う事を付け加えておく…。