ラストチャンス、なのか

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社説

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 津南町の命運がかかっている、過言だろうか。広域観光を支えて来たニュー・グリーンピア津南。開業から40年余、歴史はその存在を無情にも晒している。国の年金福祉事業団が潤沢な年金資金を使い、全国10数ヵ所に開業した保健保養リゾートホテル。運営は財団法人年金保養協会、いわば国直営的な経営。だが時代は激変、年金資金の見通しが厳しくなり、全国の施設は売却、閉鎖に追い込まれ、地域の観光拠点となっていたグリーンピア津南は、地元津南町が2億2500万円で購入。建設事業費265億円余、施設面積376㌶余の買い物だった。
 津南町は公設民営の運営方式を導入し、経営者はその時々代わったが津南高原開発が10年ごとの賃貸借契約で運営。その10年期限は9月末で満了。債務超過の現会社、頼みの金融機関もお手上げ状態のなか経営が続き、その負債総額は8億円を超えている。       
 9月末で契約が切れる。津南町は引き続き観光事業の拠点とするため、経営を受ける事業体を探すため、コンサル会社にリサーチと選定準備事業を委託。その結果2社が応札し、先週末、1社との交渉開始を決めた。その民間・イントランスは世界的なホテル展開の「インターコンチネンタルホテルグループ(IHG)」誘致を進めているという。まさにビッグネームだ。
 これは津南町にとって、ラストチャンスなのか、である。建設から40年余経過の施設ながら、それを取り巻く自然環境は「超1級品」と評価されている立地。津南町は交渉を成就させたい意向だが、売却には町の財産を普通財産に変更する必要があり、その許可の場が町議会。これをチャンスと取るか、土地売却は問題と疑義を示すか、9月にそれが決まる。
 あの時…と歳月の経過後、その選択の是非を振り返る歴史的な決断になるだろう。ラストチャンス、だろう。

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