争点は明快、「私でいいのか」

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社説

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 ようやくなのか、やっとなのか、いまさらなのか…。十日町市の関口芳史市長が5選表明した。1ヵ月後の今度の市長選の争点は極めて明快だ。それを自ら言葉にしているのが関口市長だ。『私でいいのか』。今度の市長選はこの一点だ。これしかない、と明言できる。
 進退表明をしない時期。逡巡という言葉が当てはまるかどうか、幾度も問われても「熟慮」の二文字を繰り返した。その枕詞ともなったのが「私でいいのか」。自問したというが、これは明らかに市民へのメッセージだろう。そのメッセージが、5選出馬を決めたことで、この言葉がそのまま「市長選の争点」になった。これほど分かりやすく明快な争点の市長選はない。
 5期といえば任期満了で20年。オギャーと生まれた子が二十歳になる歳月を務める期間だ。2005年の市町村合併から今年で20年。その前年が中越地震、10年ひと昔ならばふた昔の20年。歳月人を待たず…だが、十日町の変わりようが、その歳月を物語る。
 進退表明の遅れに対し、様々な見方が噴出している。「誰か手を上げる人を待っていた」。もっともらしい見方だが、それでも名乗りを上げる人が出なかった現実は、そのまま十日町市の現実、実態ではないのか。個々に聞くと「意欲ある人たち」は居る。だが、一歩踏み出さない、いや踏み出せない十日町市の今がある、そういう見方も出来る。その最大要因は4期という絶大な実績を持つ現職の進退不明だったのだろう。果たして、そんな市政の十日町市のこの先は、どうなるのか、である。
 4月から始まる新年度。十日町市は骨格予算のためスタートダッシュができない。6月定例会で詳細予算を示す方針を先の市議会で述べていた関口市長。3ヵ月余のブランクを市民はどう受け止めるのか。
 「私でいいのか」。20日告示、27日投票の十日町市長選の争点はこれだ。

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