何も進んでいない「核のゴミ」

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あれから13年、原発問題

斎木 文夫 (年金生活者)

 3月30日付け本紙の社説の見出しは『3月議会、なぜなかった原発論議』であった。確かに東電は原発再稼働の準備を着々と進めている。その間、十日町市・津南町議会は何をしていたのか。
 共産党市議団・富井氏は24年度予算案に対する反対討論の冒頭で「柏崎刈羽原発の再稼働に反対し、廃炉を求める」と訴えた。ほかに何かあったのだろうか。
 本紙新年号の名士の「新年のご挨拶」も柏崎刈羽原発再稼働問題に触れたものはなかった。2人の県議には期待していなかったが、原発から30㌔圏内に入る十日町市の市長、隣接する津南町長からは、住民の生命・生業をどう守るのか、何らかのメッセージをいただきたかった。
 能登半島地震後、専門家の話を聞いて、心配になったことがある。
 1つは、今回の地震では4枚の活断層が滑ったことで津波が発生したが、佐渡沖の2枚の活断層はほとんど動かず、今後大きな揺れを引き起こすおそれがあるということ。この活断層の位置は佐渡の西側で、上越沖と言った方が分かりやすい。
 2つ目は、海陸境界の断層は、調査のいわばエアポケットみたいな状態で、調査が進んでいないということ。柏崎刈羽原発敷地内・周辺に活断層があるかどうか、専門家の間で意見が分かれるのも無理はない。
 柏崎刈羽原発再稼働をどう考えたらいいか、事前学習として4月2・3日に福島第1原発事故13年後の姿を見てきた。
 復興庁によると、原発事故による避難者は約2万9千人(2月1日現在)。この中に「自主避難者」は含まれていない。
帰還困難区域では、部分的に放射能除染をした「特定帰還居住区域」で新しい街づくりが始まっていた。しかし、原発が立地する大熊町の居住者数は646人(事故前の5・6%)、双葉町が102人(同1・4%)しかいない。
 「街」には東電社宅、原発作業員宿舎、町営住宅が並び、人がいなくなった土地には汚染土の袋と太陽光パネルが並ぶ。
 福島第1原発のデブリの取出し、廃炉の工程は見通せず、汚染水は海洋放出に近い量が新たに流入していた。避難者も帰還者も多くが生業を奪われ、厳しい生活が続いている。福島第1原発事故は現在も進行中で、決して過去の出来事ではない。
 今後も想定外の地震や津波が起きる。核のごみを安全に処分する技術はない。そして、ヒトは必ずミスをする。やっぱり、原発の再稼働はダメだ。

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