元日の啓示、忘れてはならない

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社説

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 なんの啓示だろう。元日に発生した能登大地震。2日に起こった、あってはならない航空機同士の衝突事故。惨事は世界を駆け巡り、国連事務総長は「日本の皆さんと同じ」と、新年早々の惨事に思いを寄せている。それにしても、と思ってしまう。なにも新しき年がスタートした元日に…。だが、自然は容赦ない。我々の暮らしへの大きな警鐘ではないのか。
 インターネットの驚異的な発達で、生活の便利さは格段に増し、ぬくぬくと暖かい家で暮し、自ら動くことなく用が足りる、そんな暮らしが当たり前になりつつある。だが、人と人が顔を合わせ、言葉を交わし、思いを感じ合う、そんな日常が激変している今に対し、元日の自然災害は大きな警鐘を鳴らしているのではないか。
 3万人を超える人たちが今も避難生活を強いられる震災の地。あの12年前の中越地震で我々は経験した。いやこの真冬の過酷下ではそれを上回る厳しい避難生活が続くなか、人と人が助け合う姿がそこにある。その啓示を示したのが自然とするなら、あまりにも酷な仕打ちではないか、と思ってしまう。
 妻有も大きな揺れに襲われた。松之山で倉庫倒壊の被害が出ているが、人身的な被害がなかったのは幸いだ。さらにこの小雪、例年のように除雪に追われる日々なら、この地震の受けとめはさらに深刻度を増したことだろう。妻有は長周期振動で大きく揺れた。大量の屋根雪があったなら、家屋倒壊の危険性が高まっただろう。
 今度の大地震は、13年前のあの震災を思い起こさせた。「災害は忘れた頃にやって来る」、いやいや、「忘れなくても必ず来る」。改めて日々の備えの必要性を痛感した能登大地震だ。
 2024年がスタートした。いきなりの自然の教え、我々は試されていることを忘れてはならない。自然は時に容赦ないが、その啓示は大きい。

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