「ここまで引っ張っておいて、なんと無責任な」、退任表明したらこんな言葉が飛んで来る。「何をいまさら、なんで、もっと早くに」、続投表明したら即座にこんな言葉が返ってくる、十日町市・関口芳史市長の進退表明の遅れに対する巷間話だ。「今しばらく熟慮を」。市議会3月定例会の施政方針表明で再び同じ言葉を重ねた。関口市長に何が起こっているのか、いや「一つのシナリオで動いている」など、巷は賑やかだ。
それにしても、である。「らしくない」、この言葉が浮かぶ。4期16年の積年の経験値は、岐路に立った時の対処の答えは持ち合わせているはずであり、それをも上回る「事態」に直面している、のだろうか。人に言われてモノを申す、動くことを良しとしないトップ像を見てきただけに、らしくない、のである。
10日、市議会一般質問のトップバッターが関口市長に進退を問う。以降も進退を問う場面はある。「聞かれたから、答える」、これまでの関口市長は、こうした受け身的な答弁は良しとせず、自ら作る場で明言してきたし、今回もそうではないのか。前々号社説「言葉なきメッセージ」に声を多数頂いた。ボールを投げられた十日町市民だが、いまだ投げ返されたボールはない。来月20日告示、あと43日と迫る。
市長への厳しい言葉も届いている。「市民を愚弄している」、そう受け止めざるを得ない事態である。4年に一度の市長選は選挙期間7日間だけの問題ではない。市町村合併で誕生した新生・十日町市は今年20年を迎え、いわゆる成人の域に達している。そのトップリーダーを選ぶ4月20日告示、27日投票の十日町市長選の混迷、困惑を招いているのは、関口市長その人だ。その責任は重い。
市民は待っている。新たな声が上がるのを。出るのか、出ないのか、その明言を聞きたい。