厳寒期の原発事故、もはや…である

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社説

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 これでもか、と問うているのではないか。原発がいくつも並ぶ能登半島を襲った地震。その近くには世界最大級の柏崎刈羽原発がある。地震発生予測は、その科学的な知見からは「無理」といわれる中で、今回の能登大地震は、まさに予知できないのが「地震」という現実を突きつけた。
 2011年の「3・11」は、地震と津波の被害は大きかったが、この先、将来に渡り大きな痕跡と影響を与えるのは原発事故が誘因の場面が多くを占める。今年、原発立地県の新潟県は大きな局面を迎える。それは「柏崎刈羽原発の再稼働」の是非だ。
 国の原子力規制委員会は年末27日、稼働禁止を解除し、事実上の再稼働へのゴーサインを出した。残るは原発の地元、新潟県の判断。花角知事は「県民に問う」とこれまで一貫して話すが、それが県民投票なのか、知事辞職しての知事選なのか、いまだ示していない。能登半島地震は、その原発再稼働に大きな問いを投げかけている。
 原発への直接的な被害はいまのところ出ていないようだが、今回の活断層地震のすぐそばに原発がある。一帯の活断層マップを見ると、かなり複雑に縦走しており、その先には柏崎刈羽原発がある。この本紙8面に寄稿のドイツ・フランクフルト在住のヴァウアー葉子さんの表現が的を得ている。『日本は原発撤退から撤退した』。ドイツの脱原発による再生可能エネルギー供給率が脱原発後、50%を超える現実は、そこに国を挙げての本気度が見える。
 今冬の小雪は、何を物語るのか。10年ほど前、地球規模の気象予測を研究者が発表した。記憶に残るのは『温暖化の方向は進むが、積雪地域では雪が少ない年と大量に雪が降る年が交互に起きる』。大雪の年はかつての豪雪を上回る雪が降ると予測する。被災地能登は厳寒に襲われている。真冬の原発事故、考える時間は残されていない。

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