太鼓と共に38年余

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島田 美香さん(1965年生まれ)

東京の劇団時代に出会った「太鼓」。芝居をやりたい、その一心で入った劇団だったため、勧められた太鼓はあまり気乗りしなかった。習い始めると、その響きが体全体に伝わり、感性の琴線に何かが伝わってきた。
 劇団研究生の頃、太鼓メンバーで特養ホームで打ち鳴らした。演奏後の女性施設長の言葉が心に響いた。『入所されている方が、来年も演奏に来てくれるんなら、来年まで頑張って生きようかなと話していましたよ』。この言葉で、自分の中で何かのスイッチが入るのを感じた。
 その頃、中学校の音楽教諭の父から『中学生に太鼓を教えてくれ』と連絡が来た。東京から自費で日帰り指導。中学生から「私も太鼓やりたい」と毎年希望者が後を絶たず、小中学生による『栄ふるさと太鼓』がスポーツ少年団活動として始まる。そのメンバーが大人になり『榮太鼓』が立ち上がった。かつての教え子たちが、かけがえのない「仲間」になった。サンフランシスコ桜祭りで演奏、ハワイでも演奏した。今も毎週木曜、小学生から大人まで一緒に練習を続ける。 
 「芝居は小学4年の時に見た劇団四季のミュージカルに感動したからです。いまも芝居をしたい思いはありますよ」。「太鼓は叩けば誰でも音が出ます。その単純なものをいかに感動のレベルまで持っていくか、ですね。子どもたちの頑張りが大人たちのやる気になっています。でも、ゆるゆる雰囲気で、楽しみながらなんですよ」。
 ◆バトンタッチします。
 「廣瀬愛さん」