記者の性分なのか、あっち、こっちとレッテル張りをしたくなる。津南町議選の結果は、有権者が「世代交代、議会刷新」を求めた証しであると共に、桑原町政への疑問符は依然として強い、とする開票結果である。
「桑原町政への疑問符」は、現職で臨んだ候補個々の前回票と比較すると分かる。桑原町長の行政手法を疑問視する再選した現職2人は、前回を上回る得票を集めている。さらに選挙戦最終日、劣勢が伝わる現職の応援演説に入った桑原町長だが、その候補は惜敗している。
一方、今回の町議選では「町長の推し」が各所で見られ、感じられ、有権者には「あの候補は町長が推している」と巷間話として伝わった。有権者の視点も「町長派・非町長派」という構図で今回の選挙戦を見た有権者はいる。
だが、である。若い候補者からの言葉は、今後の津南町の歩みを示唆する感覚を受けた。「町長派、非町長派などという見た方は、津南町にとってなんの意味もなさない。なんのプラスにもならない」。とかく区別化をしたがる記者の性分からいくと、実態がそうだから、と言いたくなるが、今回の津南町議選の経過と結果を見ると、そんな区別化という低次元ではない政治意識の変化が進んでいる現実を見た思いだ。
イデオロギーの論点で町政を見たところで、それは国政・県政という流れの中でのあり様で、町政という限られたエリアの政治では、目の前に迫る山積する町政課題に立ち向かうしかないという現実がある。それには何が必要か。チーム力だろう。
津南町議会に新しい12人が誕生した。現職、元職も新しいスタートだ。桑原町政との関係性は今後の議員活動で示されるが、先人たちの言葉がある。『是々非々』。当然のことだが、低次元のレッテル張りの無意味さを考えたい。
「オール津南」で臨めるか、正念場だ。