衆院選は好機、魚沼の広域連携を

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社説

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 これはチャンスかもしれない。衆院選・新5区に新たに加わる魚沼エリア。これまでも「魚沼」は南魚・北魚・中魚・十日町とされてきた。全国トップ銘柄の魚沼コシヒカリ人気から、魚沼は全国に知れ渡った。だが市町村の境はなかなか越えられず、八箇峠・十二峠の魚沼丘陵を境に人的・経済的交流はなかなか進まない。その魚沼が今回、衆院選というイベントで一つになる。これは好機だ。選挙という政治の場ではあるが、そこに関わるのは人。魚沼丘陵を越え、人と人が交流する場が、今度の衆院選でもある。
 与野党激突の構図、真っ向勝負の一騎打ちだ。選挙活動は不思議なもので、選挙区エリアを自由に動け、行く先、行く先で初めて会う住民と挨拶でき、時には交流もできる。こういう場での出会いは、その後も続く場合が多い。ただ立場の違いは鮮明で、政党を越えての交流はなかなか難しい。だが、それはそれ、これはこれだ。今度の小選挙区再編後の初の選挙は、新たな出会いの場の創出でもあり、出会いにより思わぬ副産物が生まれる可能性がある。
 ふるさと納税で新潟県上位の南魚沼市の魚沼コシヒカリを生み出す田園を目の当たりにできる。初めて十日町など妻有地域に入る南魚の人たちは、奥深い中山間地の実情を知ることになる。その先々に、必ず人の暮らしがあり、経済の営みがある。まさに「魚沼の運命共同体」を感じるのではないか。
 事は選挙、勝負事だ。特に今回、自民現職は重複立候補できない「背水の陣」。地域を巡る活動に、交流などという余裕はとてもないだろうが、実は人と人との出会いが、一票につながる。関わる県議、市町議員は、今度の衆院選活動を、そうした視点で見てほしい。 
 そこに地域医療の課題、広域圏の道路問題、少子高齢化の現実が必ずや目の前に表出する。だからこそ、広域連携が求められる。

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