津南町議選に思う
斎木 文夫 (年金生活者)
津南町議選が明日22日に投開票となる。
今回は定数12に対し新人3人を含む16人が出馬の激戦である。最近の地方議会の課題は「議会不信」と「なり手不足」の悪循環。定数削減で悪循環を断ち切ることができるか。
議会不信には理由がある。住民の生活と意識が多様化してきている。で、有権者と、議員の属性(住所、職業、性別、年齢など)との違いが大きくなって民意が反映できなくなってきているのだ。
だが、議会不信だの、だから選挙に行かないだのと言っている間に、人口減少、財政のひっ迫はどんどん進んできた。議会の役割は今まで以上に大きくなっている。
議会は、利益配分でなく、何をやめるか、何を後回しにするか、「不利益の配分」をも決めなければならない。ある属性の利益代表的な候補者に決める力があるか。
ここは、住民の理解を得ながら「不利益の配分」をのみ込ませることができる、頭が良くて、人望がある人を選んでもらいたい。そして、結果として有権者の多様性を反映した議会構成になればけっこうなことだ。
本紙編集部は、女性議員の割合に注目しているようだ。だが、女性議員がすべて女性の味方とは限らない。分かりやすい例を挙げれば、暴言、妄言を吐き続ける自民党所属の杉田水脈衆議院議員である。その辺の見極めも必要だろう。
本紙前号の社説は「じ
っくり聞き、読み、感じて、投票所に行ってほしい」と締めくくっている。そのとおりだと思う。
これは新しい議会の話になるが、有権者は議会改革に注目している。定数や議員報酬の見直しや、休日・夜間開催はよくある話だ。そのほか、兼職制度を緩和したり、年に4回の定例会だけでなく一年中活動できるように通年会期制にし、選挙運動もバンバンやれるように緩和したり…。
全国町村議会議長会/編『議会力アップのための活動例』に25町村議会の事例が紹介されている。参考になるので、ネット検索してほしい。
ただ、議会改革は手段に過ぎない。政策決定がどう変わるかが重要だ。議会は、①地方分権改革によって権限が拡大された首長のチェック機関であり、②住民が望む政策を作り出す機関でなければならない。
行政監視、政策立案のためには住民との協働は欠かせない。そんな議会にするために、本当に求められているのは、「議員力」でなく「住民力」なのかもしれない。