豪雪地のニホンヤモリ

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南雲 敏夫(県自然観察指導員)

 あるホテルから「ヤモリが数年前から住んでいて夏場は良く出てくるよ」って連絡をもらった。
 最初は半信半疑だったが現物を確認するとやはりニホンヤモリそのもの…普通こんな豪雪地の山間部にはいないと思っていたのだが。
 新潟県内では柏崎や出雲崎、糸魚川などの古くから商船が出入りする港町などでは船荷などに入り込んであちこちの港などに運び込まれる事が多いと言う。
 ではなぜこんな豪雪地にいたかと思うと、予想ではあるが、ホテルのリフォームなどで大量の資材が運び込まれた時にその中にいたのではないかと思う。
 夜行性の動物で人家など人の生活圏にすみつき、天井や壁などに張り付いて生活しているのが見られる。特に夜間にガラス窓に集まる昆虫などを捕食して生活している。人とうまく共存していて野外では姿を見るのまれである。
 漢字で書くと「家守」と書き、家を守る動物としても有名で、見つけてもそっとしておいてあげたい。