『ここ松代には全てがあります』

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中村 紀子さん(1974年生まれ)

 仕事や旅で30ヵ国余を巡った。「その国、その国の良さがありましたが、ここに来たら、その良さのすべてがあり、『出会った』という感じです」。早期退職した2022年、大地の芸術祭で訪れた十日町。印象は「こんな良いところがあるんだ」。暮らしてみたいと検索すると『竹所シェアハウス』を知り、生活を始める。それはカール・
ベンクスさんとの出会いでもあった。
 「いつか本当に好きになったところで暮らしたい」、その思いは飼料用微生物を扱う仕事で外国を転々とする中で募っ
ていった。だが、生まれ育った新潟県内には目が向かなかった。その契機になったのが大地の芸術祭。さらにカールさんの存在。「ここに住み続けたい」、その思いが増した。
 古民家を雰囲気たっぷりのゲストハウスに改修し、カールさんが運営していた宿『カールベンクス古民家ゲストハウス』を昨年12月引き継いだ。
 1927年建築、まもなく百年を迎える古民家はカールさんの手により、太い梁、漆喰の壁など伝統の和を生かし、そこにドイツ風のヨーロピアン雰囲気を取り入れ、「和を感じ、洋を感じ、なんとも居心地が良い空間です」。2階のゲストルーム2室は、松代の自然と生活が体感できる雰囲気たっぷりの空間だ。
 「人と人の出会いですね。自然はもちろんですが、ここに暮らす人たちの温かさがいいですね。芸術祭で様々な方が訪れているためでしょうか、ここの人たちはいつも温かく付き合っていただき、その雰囲気がとても居心地の良さを出していますね」。さらに「私はここへ来て地域の人に本当にお世話になったので、今後は自分の事業以外でも地域のお役に立てる存在になりたいです」。
◆バトンタッチします。
 「南雲真樹さん」