照井 麻美(津南星空写真部)
この地域のそばはつなぎに布海苔やヤマゴボウを使うことが特徴かと思います。
つなぎに布海苔を使うのは、さすが着物の産地!といったところですが、移住をしてきた私にとっては「ヤマゴボウ?どんなゴボウだろう?」と土の中に細く長く埋まった野菜のゴボウを想像していました。
私は自分の集落の収穫祭でそば打ちをするためヤマゴボウを入れることは知っていたのですが、実際どんな植物なのかは目にしたことがありませんでした。
この花がヤマゴボウと気が付いたのはつい先日で、この原稿を考える最中にへぎそばの歴史を調べてみると、たまたま秋に撮ったアザミみたいな花と同じ花を見つけた時でした。
別名オヤマボクチ(雄山火口)という植物で、葉の裏に白い毛が生えており、昔はこれを火種に使っていたことが名前の由来だそうです。
場所によって下処理の仕方が少し違うようですが、ヤマゴボウの葉を煮立たせて作った粘り気のあるつなぎを生地に混ぜ込み、そばや笹団子を作るそうです。
ぜひ、来年の収穫祭の際は自分で採ったヤマゴボウでそば打ちができたらいいなと思いました。