津南町の桑原悠町長は、いまある保育園5施設を統合し、5年後に1園化し町立保育園を一つにする方針を示した。構想は、現ひまわり保育園を増築する考えだが、移転し全面改築を考えてほしい。 その地は自然環境が良く、広大な町有地である。「なじょもん」のエリアだ。旧中津小を改修し、町埋蔵文化財センターができ、現なじょもん機能の多くがセンターに移る。あの一帯の町有地は、子どもたちの最高の遊び場、保育の場になる。
「財政的に無理」、そう言葉が返ってくるだろう。だが、考えてほしいのは「目先の整備」ではなく30年後、50年後だ。先週号の本欄で「公共施設は防災拠点」と指摘した。あの地はドクターヘリのランデブーポイント、救急搬送の緊急離発着に活用されている。河岸段丘地の突端にあり、地形的にも視野が良く、広大な町有地の活用がそのままできる優位性は大きい。
さらに芽出し論議が出ている町立津南病院の全面改築との関係性も浮上する。現場所での病院改築は、周辺の用地事情から相当なる困難性が伴うだろう。ならば、統合保育園を全面移転改築し、その跡地を町立病院改築に充てる方策は、ある意味で合理性がある。
保育園改築は人口政策にも直結する。充分な用地、自然環境も良い、防災拠点化も可能だ。さらに全面改築を総木造で作り上げれば、それだけで津南町の子育てシンボルになる。あの保育園に入れたい、必ずや親は思うだろう。そう思わせる保育園が津南町に出来れば、若い子育て世代は移住を考えるだろう。保育士もあの保育園で働きたいと町外、県外から応募があるだろう。トップは「夢を語る」、さらに「夢を実現する」ことが行政ではないか。
条件は整っている。紆余曲折の歩みをしてきた津南町の保育園再編整備、ここは発想の転換による行政事業の集中と選択だろう。どうですか、悠さん。