赤字路線公表、どう動く沿線自治体

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社説

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 JR東は、赤字路線の実態を昨年に続き公表した。飯山線の数値は深刻だが、だから…とはならない取り組みが沿線には必要だ。昨年に続く赤字路線の公表に、沿線自治体はどう動き、何を発信するのか。目の前に提示され、示された現実は看過できないだろう。だが、昨年の沿線自治体の対応を見ると、心もとない。JRに対する沿線の姿勢が見えないからだ。
 公表数値によると、飯山線で深刻度が高いのが「津南駅—戸狩野沢温泉駅」である。この区間、沿線の利用人口がそもそも少なく、県境を走る飯山線の中でも、特に利用人口が少ない地域である。JRによるこの区間設定がどうなのかの疑問はあるが、この区間をピックアップし、その営業係数の深刻度を大きくアピールしている。
 今後、毎年公表する方針なら、これは「雰囲気づくり」ではないのか。「これだけ赤字なら…仕方ない…」、そんな言葉を待っているのか、と懐疑心が湧いてくる。だからこそ、沿線自治体の反応が必要だ。栄村・津南町・十日町市、昨年の公表後、「説明に来てほしい」とJR東に要望したのか。要望したなら、JR東は地元に説明に来たのか、それさえも沿線住民には知らされず、今回再び「赤字路線」として飯山線が全国ニュースで流される現実は、沿線住民として納得できないことだ。
 飯山線に関係しては、飯山線沿線自治体連絡協議会という組織がある。会長は飯山市・江沢市長だ。今回の公表にどう反応し、どう動くのか。さらに、どう沿線住民に説明するか、どう飯山線を考えていくのか、などなど共有すべき課題は多い。このまま毎年の公表を看過するなら、事態は確実に、「その方向」に進むだろう。
 飯山線。千曲川、信濃川に寄り添うように走る鉄路だ。いわば『千曲信濃ライン』、郷愁を誘う名称もいい。そろそろ、腰を上げる時ではないか。

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