「なぜ…」「なぜ…」に見える行政施策

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社説

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 『なぜ人口は減るのか』、「生まれる子が少ないから」、『なぜ生まれる子が少ないのか』、「結婚する人たちが減っているから」、『なぜ結婚する人たちが減っているのか』、「相手が見つからないから」、『なぜ相手が見つからないのか』、「見つからないものは、見つからないから」、『なぜ見つからないのか』、「だから、見つからないのは、見つからないんだよ」。会話の最後は、苛立ちの言葉になってしまった。「見つけられない」となると個人領域になるが、実態は「見つからない」ようだ。
 十日町市が事業化する「ハピ婚サポートセンター」に新年度4月から津南町も参加することになった。事業費を新年度予算に組み入れている。十日町市のハピ婚事業は、登録制ながら専任職員が登録希望者と数回面談し、親身になって「本気度」を聞き出しながら、一緒になって「出会い」から「成婚」まで導く事業で、情報管理を徹底し、専任職員の「守秘義務」を徹底することで、登録者との信頼関係のきずなを太くしている。
 一方で「出会いマッチングサイト」が全国的に流行っている。数十項目の登録を経て条件を絞り込み、その条件に合う異性を紹介するサイトで、最近、「サイトで知り合いました」と結婚まで至った例をよく聞く。その本音は「出会いまでのプロセスが面倒で、50項目もの条件を絞り込めば、理想に近い相手と出会うことができるのでは」とのことだが、ここでもAIが活躍しているようだ。
 冒頭の「なぜ…」「なぜ…」は、そのまま地元行政の政策に直結する。全国の人口減少自治体が同じ課題に直面している現実は、実はこの国の将来像に深刻に結び付いている。このまま人口減、出生数が減少すると、社会・生活のあらゆる分野に多大な影響を及ぼすのは明らかである。
 では、今から何ができるか。出来ること全てをやる、これしかない。

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