「自分の手で生みだす」

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佐藤 弘祐さん(1984年生まれ)

 音楽、物作り、自分の手から生み出す感覚が心地いい。「音楽は、なんだかんだずっと続けられていて、不思議です」。父の部屋にあったフォークギター。いつも何気なく見ていただけだった。松代
中学2年生の時、「なんとなーく、フォ
ークギターに触れてみたら音が出て。そこからです」。
 弦を弾くと音が出る。その魅力にどんどん引き込まれていった。「今までそんなにやりたいことも無かったんですが、音楽には強く興味を持ちましたね」。そんな姿を父も見ていた。「エレキギターの初心者セットを買ってくれたんです。本当はフォークギターが良かったんですが…おすすめされました」。

 家に居る時はエレキと向き合う時間がはじまった。毎日弾いても飽きることなくのめり込んでいき楽しさを感じた。「その頃、友だちも音楽に目覚めて、ふたりでずっと練習していましたね」。松代高に進み、さらに自己研鑽に励んだ。「中学校の頃はグレイ、高校の頃はハイスタンダードの曲にはまって、全曲弾けるようになりました」。
 高校卒業を目前にして進路に悩んだ。「父からは一度は東京に出て一人暮らししてみろ、とアドバイスをもらって進学を考えました」。三者面談、進路選択案内でESPミュージカルアカデミーのギタークラフト科が目に留まった。「これだ!行くならココだって思いました」。都内へ進学。
 「モノづくりも好きなので、好きな事に夢中になれる時間が楽しかったです」。2年間の学びを経て、さらに1年、研究科にも進んだ。しかし…、「就職先がなかなか無くて、狭き門でもあったのですが。自然豊かな地元に帰りました」。
 生まれ育った松代に戻った。21歳の時。エレキギターを作っていた腕を活かし、もの作りがしたいと市内木工店に勤務。家具や建具など細かい細工などの専門分野だ。障子や襖(ふすま)など木を削り作り上げる。「木には様々な種類があり、木の香りや感触など様々です。木の温もりを感じながら作っています」。モノ作りは家でも発揮。「木で作った子ども用棚やスキーブーツ乾燥の用具などを作り、家族に喜ばれています」。2019年、妻・真由美さんと結婚、2人の子どもに恵まれた。

 音楽活動は続けている。松代に戻り同級生と
バンド結成。『CANBAL
L8』に改称し本格的に活動。ボーカル、ギター、
ドラム、ベース、4人の同級生メンバーで松代の観音祭をメインに演奏活動。楽曲も年を重ねるごとに変わってきている。「メッセージ性のある曲を演奏するようになりましたね」。ジー・フリーク・ファクトリーなど自分で作ったエレキギターを使用し演奏する。
 2年前、さいたま市大宮演奏した。「松代町商工会の依頼で一緒に行きました。緊張したけど、祭りと変わらず皆さんに聞いてもらえて楽しかった」。今後は観音祭だけではなく市内各所にも進出したいとする。
 「皆さんの前で演奏し、音楽を聴いてのってくれる姿は力になりますね。あまり何かが続くタイプではなかったのですが、音楽は自分の世界に入れる魅力があります。今後も時間の許す限り、メンバーと音楽活動をつづけていきたいです」。
 最近は十日町大太鼓『雪花会』に入り、幅広い音楽の魅力を追及。「奴奈川小学校時代に太鼓をしていたので活かせるかなと思って。様々な音やモノを自分の手で作り上げたいですね」。

▼バトンタッチします
 高橋直幸さん