これから作る公共施設は「全て防災拠点」、過言ではないだろう。学校や保育園の増改築、地域公民館や集会施設の更新、さらに役所の改修など、その全てが「防災・減災」を重点的に取り入れた公共施設が求められる。それは時代の要請と共に、まさに「住民の生命を守る拠点」だからだ。
9月議会が十日町市、津南町、栄村で始まっている。関心の一つは津南町が方向性を示した小学校再編統合による町立小学校1校化、さらに保育園統合による1園化。その校舎や園舎の増改築における防災拠点化の取り組みだ。
少子化による複式学級など、小学校の教育環境の改善に伴う学びの場・校舎の改築は、その目的の教育環境整備と共に公共施設のあり方も行政課題として併存する。それが「防災拠点化」。施設の改増築では当然、防災備品などの充実に取り組むだろうが、ことは備品の充実程度ではどうしようもない。
その公共施設の必然性、その場所の有効性、その施設が持つ機能と防災効果、さらに可動性など検討が必要だ。それは地震や風水害など災害発生時、どう機動力が発揮でき、住民の拠り所になれるのかなど多角的な視点、広い機能効果を考えた防災拠点が求められる。現役所庁舎と同等に併用できる施設が求められる。それが「これから作る公共施設の防災拠点化」である。
津南町は、小学校の再編統合を『中央部の津南小、長野県境の上郷小、赤沢台地の芦ヶ崎小の3校統合』により新たな町立小学校を現津南小学校に誕生させる方針だ。保育園も同様。ならば全面改築を含む津南町唯一の小学校・保育園の改築場所、公共施設としての防災拠点化を考えるべきだ。保育園・小学校とも理念は吸収統合ではないはずで、新設の公共施設である。
人口減少が進む津南町。今後新たな公共施設建設は少ないだろう。これは、十日町市の先行モデルにもなる。