中沢 英正(県自然観察保護員)
秋も深まった頃、草やぶの中で着衣にいろんな植物の果実や種子がくっついてくる。それらの愛称を「ひっつきむし」と呼ぶ。
その中でもお馴染みさんがアメリカセンダングサである。名のとおり北アメリカ原産の外来種だ。
田畑の周りや道端など身近で見られ、群生することが多い。
果実はそう果と呼ばれ(写真左)、扁平で先に2本の突起がつく。その突起に逆刺があってそれでくっつくのだ。釣り針の返しみたいで取るのに厄介だが、子供達には「バカ」の名で人気の遊び相手である。
それに似た果実をつけるのがコセンダングサだ。こちらも北アメリカ原産の外来種で、関東以西に多いが、苗場山麓でも見かけるようになった。
そう果(写真右)には2~4本の突起がつくが、それに逆刺があるところは前者と同じ。
どちらも一年草で、たくさんの種子を蒔き散らし勢力拡大に余念がない。