できないか『ふるさと人材バンク』

Category:
社説

contents section

 人材バンクなるものは、数多ある。「ふるさと人材バンク」はどうか。十日町市も津南町も栄村も、取り組みはしているだろうが、なかなか確かな情報把握はされていないようだ。それは『この地域の出身者の人材バンク』。あそこの息子は日本を代表するAI技術者のようだ…あそこの娘は世界を相手にする食品研究者のようだ…あの家の次男は大学教授をしている…などなど、巷間話の真偽はあるが、妻有地域で育った人材が国内外の各分野の最前線で活躍しているのは事実だろう。これは「妻有の財産」ではないか。
 コロナ禍で自粛していた中学・高校の同窓会・同級会が少しずつ復活している。卒業10年以内はまだ社会人の中堅前。20年、30年後のいまは中堅から主軸になっている方々が多いだろう。だが、この分野は個人情報との関係でなかなか悩ましい問題に直面する。 
 その橋渡しの一つになるのが、妻有地域の出身者でつくる「ふるさと会」。長い歴史を積み重ねる東京十日町会は、ふるさと十日町の着物産業の隆盛と共に設立し、県内の先駆けでもある。昭和30年津南町誕生と共に出身者で立ち上げた「東京津南郷会」もふるさと会の先駆けだ。相当なる人材が関り、あの人、この人と、国内外で活躍する人材の宝庫だろう。それはふるさと十日町市・津南町・栄村の頼もしき応援団でもある。だが、そのふるさと会が高齢化し、新規加入者が少なく、大切な組織が風前の灯火にある。
 かつて市町村が情報提供を呼びかけたことがある。だが…である。個人情報の壁にぶつかった。住民の命と暮らしと財産を守る責務がある自治体。その守備範囲は広範だ。常にその道の専門家のアドバイスが必要で、その人材がふるさと出身者なら、さらに心強い。
 まちづくり、地域づくり。きっと相当なる人材がいるのだろうが…。こういう時代だからこそ、人材が必要だ。

Category:
社説