なぜ動かなかった津南町

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社説

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 逃がしたビジネスチャンスは大きいのではないか。良品計画ブランドの「無印良品」の直売店が今週26日、十日町クロステン内に開業した。その5日前、その無印良品の直売店は津南町にあった。それも国道117号沿い、ショッピングセンター内だ。68日の営業日数に約6600人が来訪し、それも県外からも来店していた。「津南店」は無印津南キャンプ場が開業するまでの限定店ではあったが、その場所は津南町観光協会事務局が入る場所でもあった。
 ここで大きな疑問が湧く。なぜ継続出来なかったのか。まして観光協会という来訪拠点であり、そこに良品計画の無印良品があることのメリットに、気付かなかったわけではないだろう。感度が鈍すぎる、のではないか。
 良品計画と連携協定を結ぶ十日町市。前回の大地の芸術祭への出展から、クロステン隣接のキナーレ回廊活用にも積極的だ。当然、十日町側からのアプローチがあり、それは事務レベルのことで、良品計画からの積極出展だろう。
 同様に連携協定を結ぶ津南町の場合、東日本最大級の無印良品津南キャンプ場の開業までの販売店出展は、キャンプシーズン前のPR拠点でもあったのだろう。津南町観光協会の事務局移転が決まった昨秋、移転するまでの空き施設を無印良品の商品販売に活用したい申出があり、わずか68日間だったが、津南町に無印良品「津南店」が誕生した。
 その効果は68日間で6600人余の来店があったことで明らかだ。期間限定ながら、その先の「継続」は、地元津南町の出番だったはず。アプローチがあったのか、知りたい。その「津南店」閉店の5日後、クロステン内に「十日町店」がオープン、この現実を津南町はどう受け止めているのか。逃がしたビジネスチャンスは、相当に大きい。民間との連携が、これからの自治体の命運を決める、そういう時代だ。

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