カワガラス

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南雲 敏夫(県自然観察指導員)

 鳥の仲間でもっとも早く巣作りをする種で早い親鳥は2月中に開始する。カワガラスは漢字だと「河烏」と書き、渓流の流れに潜水して獲物を狙うカラスと言うが、実際はカラスの仲間ではなくてカワガラス属と言うまったく違う種である。
 確かに遠目で見ると真っ黒に見えるが実際は黒褐色、もちろん水中を歩く事もできると言う、鳥の仲間としては異色の存在。
 餌は主に水生昆虫の幼生や小魚、魚卵などを食べている。
 巣作りは、こちらではまだ冬の時期に始めるが、渓流の岩の隙間や砂防堰堤の穴などを使う。
 秋山郷では砂防堰堤の垂直の壁に空いている穴を使用しているのを見た事があるが、砂防堰堤の垂直の壁ならばヘビなどの一番の天敵を十分に防ぐ事ができると思われる。
 堰堤最初の頃は穴から水が出ていたと思うが、堰堤に土砂が溜まり穴がふさがれて水が出なくなれば絶好の営巣場所に早変わり…自然の要塞に巣を作り子育てするカワガラスの知恵…恐れ入りました。