コーヒーの健康維持の効果

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過剰摂取はカフェイン依存症に

Vol 103

 ついに今月1日に梅雨明けして、急に暑くなり夏らしい天気が続いていますね。8月になって梅雨明けするのは4年ぶりらしいです。暑くなると冷たいものを飲みたくなりますよね。たかき医院の隣りにある喫茶店でも、コーヒーフロートやクリームソーダの注文が8月に入ってからは多いそうです。
 小学校のころ、ごくたまに休日の午後に母がアイスカフェオレを作ってくれたのがとても楽しく美味しい思い出です。ですが、今その思い出から40年近く経ちコーヒーを飲むと、飲んでいる時は美味しいと思うのですが、数時間すると胸やけがしてしまうようになってしまいました。
 なぜコーヒーを飲むと胸やけをするのでしょうか。食事の最後に珈琲が出てきますが、それはコーヒーが消化を促すための胃酸の分泌量を増やすからです。つまり胃酸が増えすぎると胃粘膜が刺激されて胸やけがする、というのが胸やけの理由の一つです。また、コーヒーに含まれているカフェインが食道と胃の境目の筋肉を緩める働きがあるため、胃酸が食道に逆流して胸やけがするというのがもう一つの理由になります。
 私にとっては胸やけの原因になるコーヒーですが、およそ1千年ほど前から薬として飲まれていたのが始まりです。それもあってかコーヒーと健康については多くの研究がなされています。たとえば、コーヒーを習慣的に飲んでいる人の方が糖尿病になるリスクが低い、コーヒーによって子宮体がんや肝臓がんのリスクが低下する可能性がある、コーヒーを飲んでいる人では原因を問わないすべての死亡リスクが低下する、心疾患・脳血管疾患・呼吸器疾患による死亡リスクが低下する、などです。
 また、1日の時間の中で座っている時間の長い人の方が心血管疾患での死亡のリスクが高いことが分かっていますが、中国の蘇州大学医学院の研究では、コーヒーを飲んでいると、座っている時間が長い人でも心血管疾患での死亡リスクが上がらないなどの結果が出てきていますし、オランダの研究ではコーヒーのカフェインや、コーヒーを飲むことで体内で作られる物質が神経を保護する働きを持ち、パーキンソン病リスクを低下させる可能性がある、という結果が出ています。
 私が大学生の時に、試験前にカフェインの錠剤を飲んで眠気覚ましをしながら勉強をしていた男の子がいました。コーヒーは薬なんだ! と習慣的に過剰摂取をするとカフェイン依存症になって、頭痛・不安・吐き気・大量の発汗といったカフェインの血中濃度が下がることによる症状が出るようになります。カフェインは元気の前借りをしているだけなので、一度にとりすぎると後から反動で強い疲労なども感じるかもしれません。一日の摂取許容量は決まっていないのですが、とっても1日3~4杯にとどめておきましょうね。「過ぎたるは及ばざるがごとし」です!!
 あとは、コーヒーに関わらず冷たいものをとりすぎるとお腹が痛くなりますので、気をつけてください。コーヒーを飲んでも元気の出ない人は是非お気軽にご相談くださいね。(たかき医院院長)