ナラハヒラタマルタマフシ

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照井 麻美(津南星空写真部)

 皆さんは山の中でこんな不思議な赤い実を見たことはありませんか?
 この写真は9月に撮影したものですが、ナラの葉っぱの上に違和感を感じるようにくっついているこの実。
 パッ見ると美味しそうにも見えますが、実はこれはナラハヒラタマルタマバチという体長1㎜ほどの小さな羽の無いハチの卵だそうです。
 この赤い実のように虫に寄生され、植物組織が異常な発達を起こしてできるこぶ状の突起のことを「虫えい」または「虫こぶ」と言い、タマバチの寄生で起こる虫えいをナラハヒラタマルタマフシと呼びます。
 ナラハヒラタマルタマバチは幼虫から成虫へと羽化するまで虫えいの中で過ごします。6~7月ごろ産卵が始まり、8~9月にかけて幼虫が入ったまま赤い実のような虫えいが落下し、その虫えいの中で内側を食べながら成長・越冬し、翌年4~5月に成虫となり羽化するそうです。
 長引いていた雪も本当に終わりが見え、春の日差しを感じる日が多くなってまいりました。ナラハヒラタマルタマフシを破って小さなハチが出てくる季節です。目にはきっと見えませんが山菜取りなどで山に入った時思い出してもらえたら嬉しいです。