プレ・コンセプション・ケア(妊娠前心身ケア)

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妊娠出産は一つの通過点、その後の人生を

Vol 82

 この三連休、津南駅前の温泉宿・雪国さんに家族でお泊りに行きました。9月は夫と姉の二人の誕生日、いつもお世話になっている母への敬老感謝、そして私の本の出版記念、毎日頑張っている娘のご苦労さま会でした。源泉かけ流しの温泉でゆっくり足を延ばして頭から足の先まで温まり、お風呂上りに裏山の冷たい湧水をいただいてツルスベ肌に。骨まで柔らかい鯉こくに津南産のコシヒカリと漬物を頂いてお腹も大満足。一晩に2回もお産に呼ばれて出たり入ったりしたのに、よくしていただいて本当にありがとうございました。朝のお産に呼ばれて車窓から見た津南の川や山は美しく、ここに生まれて良かったと思いましたよ!
 さて、今回9月13日にダイヤモンド社より出版になった本のご紹介。『結婚していない。けど、いつか子どもが欲しい人が今できること』(税込1650円)と、長いタイトルですが、まさにその内容をズバリ知って欲しくてつけました。
 昨今「プレコンセプションケア」という言葉が良く聞かれるようになってきましたが、本の中でしつこく明記していないまでも、この本は「プレコンセプションケア」本です。プレコンセプションケアとは、これまでよ
く使われてきた「ブライダルチェック」に似た言葉で、プレ=前、コンセプション=妊娠、という意味から分かるように「妊娠する前から自分(やパートナー)の心身面や生活を見直してケアしよう」という試みです。
 これを読んでくださっている皆さんは、自分の月経が他の人と違うのか同じなのか気にしたことはありますか? 普通だと思っている自分の月経に、妊娠を遠ざけてしまう病気からのメッセージが隠れているかもしれません。
 年齢がいけばいくほど妊娠しにくいと知っている人は多いと思いますが、それが本当のところ何歳から拍車がかかって、どうしてそんなことが起こるのかを知っていますか? 健康診断でBやC判定だけど、経過観察になっているような異常が実は妊娠してから大変なことになるということを知らずに、次回の健康診断までに何とかすればよいと延ばし延ばしにしていませんか?
 男性はいつまでも女性を妊娠させる能力があるし、年齢と精子の老化は関係ないと思っていませんか? 普段何気なくしていることが、実年齢以上に体を老化させて、卵子や精子の老化を引き起こしていると知っていますか? 海外の先進国では、今皆さんに質問したような内容は、10代のうちに性教育で教えてもらっている常識です。
 また、プレコンセプションケアには、妊娠出産育児は自分やパートナーの生活をどう変えていくのか変えられるのか、妊婦健診や出産のための費用はいくらかかるのか、金銭面や育児の支援はどうしていくのか、などをあらかじめ医療機関や行政や福祉などに相談することも含まれます。
 このケアは、ただ単に順調な妊娠出産をめざすだけではなく、妊娠出産は1つの通過点として、その後の人生を心身ともに健康で過ごすために行うケアなのです。
 だからこの本は、妊娠をめざしている年齢の人だけでなく、更年期を迎える年齢の人、思春期を迎えたお子さんをお持ちの人、男性にも読んでいただきたいと思っています。
 未来の自分やパートナーのために今からできることが満載です。ブックス平沢さんも置いてくださっているとのこと、ぜひ一度手に取ってみてください!! それでも解決しないことがあったら是非お気軽にご相談くださいね。(たかき医院・仲栄美子医師)