モヤモヤが続いている。昭和の時代から何にも変わっていないんじゃないか、そう思うような男性擁護を感じる。国民民主党の玉木雄一郎代表の不倫問題だ。高松市観光大使を務める元タレントとの不倫問題が発覚したニュース。玉木代表は11日、国会内で臨時記者会見し、不倫報道を認め謝罪した。
だが、国民民主党代表としての進退は「仲間に意見を聞く」と明言を避け、同日開催の同党両院議員総会で代表辞任を求める意見は出ず、「玉木氏でなければ務まらない」とする擁護論が大勢を占め、代表続投が了承された。ますますモヤモヤが増した。
国民民主は玉木代表の発信力に大きく依存しており、不倫問題の不祥事で大黒柱を失えば、党の瓦解に直結しかねないお家事情がある。「これまで党を引っ張ってきたのは玉木だ。政策実現に全力を傾けて欲しい」、「玉木氏に代わる人材はいない。党内基盤が揺らぐことはないだろう」と、社会的に容認されない不倫問題より、玉木代表が掲げる「手取りを増やす経済政策」の実現のための党目標を優先する姿勢には、人間としての不信感が募るばかりだ。さらに、今回の不倫問題より、「手取りを増やす経済政策への期待の方が大きい。有権者の多くもその思いは大きくは変わらないだろう」とも話しているとは、呆れた認識だ。
だが、考えてほしい。この不倫問題が衆院選前に報道されていたら、選挙結果はどうだったか。そこを国民民主は真っ先に考えただろうし、それは天国から地獄へ、だったろう。ジェンダー問題への意識が国際的に高まるなか、今回の「玉木問題」は、これにて一件落着にはならないだろうし、してはならない。これから臨時国会が始まり、この問題をどう扱うか注視したい。
玉木代表の妻の言葉が全てだろう。「家族を守れないものが、国民を守れるのか」。その通りだ。 (相澤由加理)