十日町の時計が止まっている

Category:
社説

contents section

 来年4月末に市長選がある十日町市。来年6月末に許可権が満了するJR東・宮中取水ダムの水利権。市長選と同じく任期満了となる十日町市議会。動きがピタッと止まっている。時計の針を止めているのは誰か。いやいや、そもそも「十日町の時計」は動いていたのか…など、巷間話しは様々な憶測を呼んでいる。
 JR東の水利権更新は、今回は10年前と事を大きく異にしている。不正取水による水利権取り消し後、新たに取得した水利権。来年の更新期はいわゆる「一般的な更新」、関係者はこれを「単純更新」と言う。いやいや単純なことなどこの案件にはない、というのが多くの市民感情だろう。来年の更新は、新規取得に比べ格段に事務手続きが簡素で、許可権者の国交省が地元新潟県知事に意見を求め、知事がOKを出せば、そのまま更新許可される。知事は地元の意見を聞くことができるが、聞く必要が無いと判断すれば、十日町市の意見は求めなくていい、そういう「単純更新」だ。
 「発電の地元還元を」。来年4月の市長選に挑む新人が掲げる政策だ。JR東・宮中取水ダムで発電する信濃川発電所(小千谷市)。その関係する両自治体への「地元還元」を求め、両市関係者が連携して動いている。市民の間には「そうだよなぁ」と、ジワリと共感が広がりつつある。この論議もない十日町市議会の12月定例会だ。
 任期満了の市長に対し、その進退を問うこともしない市議会だ。9日から12日までの一般質問では、誰もその進退を問わない、これはどうしたことか。ここでも「十日町の時計」は止まっている。いや止められているのか。
 改選迫る市議会。動き始めているが、新人の名乗りがない。やはり時計が止まっている。大丈夫か、十日町市。
 アナログ時計はネジを巻く。昨今のデジタル時計は止まっても分からない。

Category:
社説