地域経済を牽引する企業育成を

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社説

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 地域経済の低迷が続く。元気のなさが地元商店街や観光誘客の温泉施設などに見られる。シャッター通り化が進む十日町市本町通りと津南町中央商店街。深刻度は空き家問題と共に大きな地域課題になっている。
 「民間企業が元気な時代は、空き店舗や閉館した観光施設を受け継ぎ、地域を元気にしたものだ」。経済成長期の時代を知る世代から聞こえる声だ。きもの産業の隆盛期は、地元企業主導の地域づくりだった。だが、その勢いが鈍り出した頃から行政による「まちづくり」が台頭し、国・県・市町村という繋がりの補助金まちづくりが急増。その流れは今も続くが、その活動財源は我々住民が納めた税である。これでは真の元気は出ないし、「枠をはみ出す」熱きエネルギーは育たない。
 気になる存在の一つ、津南町の日帰り温泉施設「竜ヶ窪温泉・龍神の館」。昨年9月閉館後、再開の動きは見えない。だが国道117号の観光案内板には、方向矢印と共に竜ヶ窪温泉は明記され、休館中の表記もない。このお盆期間中、「ひまわり広場」へ行き、竜ヶ窪温泉に向かい「閉館」で引き返した人は多い。なにもメッセージがない取り組み不足、対応の鈍さはそのまま元気のなさに通じる。地元で経営者募集の動きがあるが具体化していない。
 集客スポットの拠点の閑散さは、地域経済のバロメーターでもある。地域の民間企業、そこにリーディング・カンパニーが育っていれば、見える地域経済の景色は変ってくるだろう。行政のまちづくり、その要は賑わい空間創出と共に地域経済のテコ入れ。「特定の企業支援はできない」と行政は言うが、企業を育てることは人材を育てること、地域納税を増やすこと、牽引する企業の存在が地域の元気印になる。
 2024年度も早や半期。農業産業が基盤なら、それも地域経済。強いテコ入れ、これも待ったなしだ。

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