小中学校を選べる時代に

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社説

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 小学校から中学校へは、19年前に開校の県立津南中等学校が進路先の一つになっている。小学校も8年前に地元の熱意で開校した「まつのやま学園」は地域外から入学できる。さらに来年4月にはお隣、長野県栄村に開校の文科省認定の義務教育学校「さかえ小中学校」に入学できる。いずれも通学は保護者責任となっているが。
 さかえ小中学校は文科省認定の特任校指定を受け、独自カリキュラムによる特色化ができる小中一貫校だ。義務教育9年間を従来の6・3制ではない学制導入ができ、教科担任制による小学・中学の枠を超えた教育環境を作ることができる。英語など語学教育も充実が可能で、まさに「オリジナル教育」の場が誕生する。この教育の場は、津南町からでも十日町市からでも県外からでも、入学できる。
 小学校は長らく校区・学区制が取られ、居住エリアにある学校に通うのが当たり前だった。だが、子どもたちの多様性、教育の場の多様化などにより、私立以外でも公立小学校への入学も「選べる時代」になっている。この中山間地と呼ばれる地でも、3つのタイプが違う小学校から選び、入学できる時代になった。ただ前述した通り「通学は保護者責任」となっている。
 津南町は2年後、町立小学校を1校にする方針。「統合が決まっているなら、統合前から統合先の小学校に通わせたい」、もっともな親の思いだろう。だが、現ルールでは「特別事情」が許せば…となっている。昨年からの地域保護者の説明会では「統合先に通わせたい」の声は少なくない。再編統合に目途が付いたが、新たな課題が持ち上がっている津南町教育行政だ。声の中には、さかえ小中学校へ…もある。
 義務教育9年間。ようやくなのか、ついになのか、小学校教育の場が「選べる時代に」なってきた。教育行政は大きな転換期に来ている。

続きは本誌2025年3月22日号を御覧ください

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