日本被団協にノーベル平和賞
松崎 房子 (元ゆずり葉編集委員)
今年のノーベル平和賞を、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が受賞することに決まった。驚愕し、それからだんだんに高揚した。
10年ぐらい前、我が国の憲法九条をノーベル平和賞に推薦しよう、というムーブメントがあった。
その発想に大いに共感し、実現すればいいなと願った。自衛隊を軍隊と明記したい政府の改憲を、何としても阻止しなければと強く願い、九条の会にも参加した。焦りを覚えたが進展しないまま低迷した。
被爆後11年。語り始めた被爆者と被団協として結成以来68年。その間のニュース映像を見ると、国連本部で『ノーモア広島、ノーモア長崎、ノーモア被爆者』と演説した山口仙二さん。背中に追った火傷の写真を掲げながら、活動し続けた谷口稜曄(すみてる)さん。米大統領として初めて広島を訪れたオバマ大統領と握手した坪井直(すなお)さん。長い年月の間に何度も目にした方々のお顔が見に浮かぶ。
そして今年の受賞速報の場面で、高校生の平和大使たちと歓喜する箕牧智之(みまきとしゆき)さん、ニューヨークを、横断幕を掲げて、アピール行進する姿も記憶に新しい。
永年の辛抱強い行動、具体的で目に見えるアピール行動が認められた。心からの敬意を奉げたい。
そうした一方で、授与を決定した委員会の委員長の年齢に感動した。若い世代もある意味、危機感を感じているのだろう。いやむしろ若い世代のほうが、危機感が強いかも。
受賞の知らせを受けた場面でも高校生平和大使たちが同席していた。
見るに見かねて行動に移し、長い年月、たゆまず、ひるまず、若い世代へも伝え・バトンを繋いで行動し続ける被団協の皆さんに頭が下がる。
それを認めて、世界が注目するノーベル平和賞を授与してくれる世界の目がある事にも感動した。
自分だけではだめだと九条の会に参加してはいるが、戦争は、だめだ、ダメだと叫んでいるだけでは、世界にはもちろん、日本政府にさえ届かない。
敗戦を体験して79年、あきらめずに行動することを我が身に言い聞かせた。
国として、核兵器使用廃絶の条約への批准を。世界が注目をしていますぞ‼