春に用心、「不審者の季節」

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合言葉は『いかのおすし』

Vol 97

 春ですね。ゴールデンウィークも良い天気で、少し暑いくらいでしたが、本当に気持ちの良いお休みを過ごしました。これだけ天気が良いとウキウキしてきて、どこかに出かけたくなりますよね。
 そんな春といえば、前回は木の芽どきの話をしました。今回は「春は変質者や不審者が増える」とよく聞きますが、本当のことなのか、について。 私が小学生の頃(すでに時は35~40年昔にさかのぼりますが)は、春先には県外ナンバーの「当たり屋」に気をつけろ、という話をたびたび耳にしたことがあったように記憶しています。
 さて、「不審者」という定義を「痴漢、露出、声掛け、つきまとい、盗撮、のぞき、暴行、強迫、危険物所持など」とした場合に、とある会社が警察からの情報をもとに分析を行ったところ、やはり4~5月から不審者情報の報告数が増加し始めるのが分かったそうです。理由としては、不審者も春はお出かけ気分になるからなのではないか、とか。
 ちなみに、春の時期に見られる「不審者からの声掛け」のパターンとしては、「何歳? 何年生?」「お母さんが病院に運ばれた。今すぐ来て。いいから来て」「お母さんが死んじゃった。お父さんは会社にいるから乗って」「さわってくれたら、100円上げる。」「パンツの色は何色?」「トイレについてきて」「一緒に写真を撮ろう/写真を撮ってもいい?」「お菓子をあげるからおいで」「(お金を支払うから)下半身を見てほしい」だそうです。十日町市内でもここ数年、写真を撮る不審者がたびたび目撃されていますが、特に春は注意が必要なのかもしれません。
 この原稿を書くために小学生の娘に不審者の話をしていたら、「『いかのおすし』だよ!」と自慢げに鼻を鳴らしながら教えてくれたので、小さなお子さんのいらっしゃる方はもうとっくに知っておられるかと思いますが、あげておきますね。
〇知らない人にはついて「いか」ない
〇声をかけられても車には「の」らない
〇知らない人に連れていかれそうになったら「お」おごえを出す
〇声をかけられたり追いかけられたりしたら「す」ぐに逃げる
〇怖いことにあったり見たりしたら、すぐに大人に「し」らせる
 これが『いかのおすし』です。若干無理やりな感じもしますが、頭のどこかに入れていただいて、お子さんと一緒にそのつど声に出して復唱してくださいね。
 以前埼玉に住んでいたころですが、ファミレスに友人と入ったときにパソコンをうっかり車の中に置いていってしまったところ、鍵を開けられパソコンを盗まれるという災難に遭いました。ウキウキしているとうっかりが生じます。
 大事なものからは手を離さないようにお気を付けください。そしてうっかりといえば、病院受診の際は保険証を持って出たか、保険証の有効期限は大丈夫か、を必ず確認してくださいね。(たかき医院・仲栄美子院長)