十日町市議会と栄村議会で議員報酬を模索する動きが同時進行している。人口4万7470人(1万9423世帯)の市、1584人(782世帯)の村では「比較にならない」、そんな声が聞こえる。十日町市の議員報酬月額30万円、栄村議員12万9千円。「数字の比較は無理がある」、当然の声が聞こえる。
だが、議員活動はその自治体の大小、人口の多少に関係なく「議会・議員の活動」。報酬は「議員活動の質」が問われる。極論と言われるが、市町村議員の報酬を規定する根拠は極めて不明瞭であり、換言すれば「報酬額は自由裁量」となる。
十日町市の議会改革特別委員会は、来年4月改選の議員報酬を現額4万円アップの月額34万円に改定する方針を固めた。その根拠理由にあげているのが「29年間据え置いている」「市行政課長級を基準」など報酬引上げの理由を列挙している。
この理由を考えたい。据え置き29年間は、その時々の市議の判断であり、長期間の据え置きは引上げ理由にならない。課長級という。市行政職員の課長職に就くまでの苦節の歳月と、市議の在任期間はどう考えても同列に論じられない。議員報酬の引き上げが必要と、時の議会・議員が判断するなら、堂々と議員提案で本会議審議し、採決すればよい、それだけの事だ。
長野県最下位の議員報酬の栄村議会。人口は十日町市の3%余。同列に論じるのは無謀、と大声が聞こえるが、議員活動は同じ。そこに暮らす住民と向き合う議員活動そのものは同列。責務、住民付託は同じ重さを持つ。市議会と村議会、同じ議会だ。いや、より身近な活動を求められる村議会、住民との距離感は相当近い。当然、議員活動は幅広く、深く、住民要望は公私にわたる。
その命題、「議員報酬とは」。ますます疑問符が膨らむ。