小林 幸一(津南案内人)
魚野川取水堰上流の水門は土砂の崩落で半分近くが埋まっており、そのガレ場を登って水門の裏に回ってみると、山肌に不気味な隧道が半分埋まった状態で口を開けていました。今まで入った秋山郷の廃隧道では複数で入っていたので怖い思いはしていませんが、ひとりで入るには気持ちの良いものではありません。此処では念のため動物の痕跡を確認しながら斜面を降り少し奥の方まで入ってみました。
また、これまでの隧道は電車を通すため広い空間がありましたが、水路用の隧道は狭く圧迫感があり、最深部まで行くのは断念しました。
この隧道は初代の魚野川取水堰が運用前に土砂の崩壊で埋没し、工事途中で破棄されたものか、高さ関係から見ても現在の取水口より高い位置にあります。
これらの遺構はやがて土砂で埋没しますが、秋山郷の電源開発遺産として記録して行きたいと思います。
(現地は私有地や砂防ダムで塞がれ立ち入ることはできません)