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こころとからだの学校一覧

  • ご存知ですか、「偽閉経療法」

    ホルモンバランスを調整

    Vol 117

     「この薬を飲み始めてから太った気がするのですが…」。
     診察室で患者さんからよく聞かれる言葉です。

    2025年3月22日号

  • 子宮頚がんワクチン、キャッチアップ接種を

    子宮頚がん発症率は83人に1人

    Vol 116

     「子宮頚がんワクチンでの死亡はゼロ。子宮頚がんでの死亡は年間2800人」。

    2025年3月8日号

  • 『いつも幸せはそばにある』

    「考えすぎない方がいいこと」、それは…

    Vol 115

     久しぶりにたくさん雪が降りましたね! 毎日あちこちで除雪に精を出している場面に出くわしました。

    2025年2月22日号

  • 1日10分の運動で体内に生成

    効果抜群の善玉マイオカイン

    Vol 114

     3学期の性教育出前講演が佳境を迎えています。BMI(体格指数)から見た日本人の女性は、20~30代の痩せが目立つ、という話をしているのですが、やせと無月経、不妊症、果ては生まれてくる赤ちゃんの将来の生活習慣病のリスク上昇についての関係を説明をすると、みんなびっくりしているようです。
     確かに10年位前、目にする小学生の女の子たちがみな随分痩せているな、筋肉もなさそう、と思ったことがあります。女の子はやっぱり下半身がしっかりしている方が良い! 自分がもしも女の子を育てるようなことがあったら、脚の太い子になるように育てよう、と胸に誓い、今まさに小3の娘はその通りに育ってくれて満足しています。
     この休日に厚生労働省のHPVワクチン接種(子宮頚がんの予防接種のことです)に係る医療機関向け研修会に参加しました。多職種でHPVワクチンの接種を勉強しようという趣旨でしたので、講演されている先生方も感染症対策課の方、医師、リハビリ関係、などさまざまで、講演内容も子宮頸がんの原因、がん検診の最新情報、海外の国と比べた日本のHPVワクチンの接種状況、ワクチンの効果、ワクチン接種後の体調不良の対応方法などでしたが、今回その中から耳寄り情報を皆さんに一つおすそわけします。
     HPVワクチンは、新型コロナワクチンと一緒の筋肉注射です。だからちょっと痛いですよね。研修会で聞いた話によると、この接種する時の痛みに負けない強さを培うために必要なのは、「筋肉を使うこと」なのだそうです。健康のために運動をする、だけでなく、1日10分でも良いので運動をすると、筋肉で「善玉マイオカイン」という物質が作られて、痛みに対して強くなれます。要するに、運動をして筋肉を使う人の方がHPVワクチンを接種した時の痛みを感じにくく、接種後の多様な症状を引き起こしにくい、とのこと。
     痛みといっても直接的な体への痛みだけでなく、人生において困難なことにぶち当たったときの痛みもあります。善玉マイオカインはそういった痛み全般に良い働きをするようですので、ぜひ小さい子には家の中でゲームではなくて、外で走り回り筋肉を使い筋肉を使うことを勧めてくださいね。
     また善玉マイオカインは、運動後の筋肉回復や怪我からの回復のサポート、脂肪の分解を促進したりや血糖値の調整のような代謝改善、体の中の炎症を抑える、脳細胞を活性化して認知機能の向上に役立つ、免疫力を高める、老化の抑制などをしてくれています。運動をしない人は逆に「悪玉マイオカイン」が作られて筋肉を萎縮させてしまうとか。
     マイオカインはすでに300種類以上も見つかっており、もはや筋肉は運動のためのものではなく体の様々な部分を調整する物質を出す器官という認識だそうです。冬は雪が降らないと運動しないなぁ、かといって家にいても1人では運動しないという方はぜひ、座るだけで1万7400回の筋肉刺激が勝手にできるエムセラに座りに来て、体幹の筋肉や骨盤底の筋肉をつけたりスタッフとお話して気分転換してくださいね!
     (たかき医院・仲栄美子院長)

    2025年2月8日号

  • 妊婦感染で胎児感染の可能性も

    「嫌な感染症が流行ってきた」、りんご病

    Vol 113

     年末からインフルエンザ・新型コロナ・マイコプラズマ肺炎など、さまざまな感染症がはやっておりますね。せっかくの9連休がこれらの感染症の療養で終わりました!という方もいらっしゃるのではないかと思います。 
     新型コロナが5類感染症扱いになったころから、それまで抑え込まれていた感染症が一気に広がり、その頃からずーっと医療機関には風邪症状に効くお薬が手に入りにくい状態が続いています。
     つまり、風邪を引いて病院を受診しても「お薬が無いので自力で直してください」と言われても仕方のない現状になっていることを、まず知って欲しいと思います。なので、なるべく風邪を引かないように予防努力(手洗い・うがい・マスク)をしてくださいね。
     さてそんな中、薬が云々という問題では無いのですが、産婦人科医としては新年になって「嫌な感染症が流行ってきたぞー」と思っています。それは何かというと、「りんご病(伝染性紅斑)」の流行です。
     国立感染症研究所の発表では、りんご病は、約5年周期で流行が起きる主に4~10歳の児童に多くみられる感染症で、原因は「パルボウイルスB 19」というウイルスの飛沫感染で、冬から初夏にかけて流行します。
     症状としては、10〜20日の潜伏期間の後、頬に境界鮮明な紅い発疹(リンゴみたいなほっぺ)が現れ、 続いて腕や足、時に胸腹背部に網目状・レース状・環状などと表現される発疹がみられます。これらの発疹は1週間前後で消失しますが、なかには長引いたり、一度消えた発疹が短期間のうちに再び出現することがあります。
     子どもの場合、頬に発疹が出現する7〜10日くらい前に、微熱やかぜ症状などの前駆症状が見られることがあります。この時期が一番ひとにうつす可能性がある時期といわれており、頬や体に発疹が出たときには体内のウィルス量は減ってひとにうつさない時期に来ているといわれていますが、潜伏期がはっきりしない病気のため、保育園や学校などは発疹が消えてからでないと登園・登校は許可されません。ウィルス感染症なので、特別な治療薬はありません。 成人では約半数は症状が出ず、出ても関節痛・頭痛などで特徴的な症状ではなく、関節炎症状により1〜2日歩行困難になることがありますが、ほとんどは合併症をおこすことなく自然に回復します。
     さて、ここまで読んでも「なぜ嫌な感染症なの?」と思われるかもしれませんが、実は妊婦さんが妊娠20週までに「りんご病」に感染すると、胎児水腫(胎児がとても貧血になり、からだ全体がむくむ)が起こり、胎児も感染する確率は約20~30%、流産や胎児死亡に至る確率は約10%といわれています。「えーっ!!」と思っても、他の水ぼうそうや風疹などのように予防ワクチンもありません。
     保育士さんは若い女性が多く、妊娠年齢の人が多いです。保育園でりんご病が流行した時に、誰か感染しやしないかと、いつもドキドキします。 これを読んで不安になった方は、りんご病に関して抗体を持っているかどうかの検査をすることができますので、近くの病院にご相談ください。ただし、結果に2週間はかかりますので、りんご病を流行が始まる前にお早めにどうぞご相談くださいね。
     (たかき医院・仲栄美子院長)

    2025年1月25日号

  • 水は飲むと2分で全身を巡ります

    「のどが渇いた」、すでに水分量2%不足

    Vol 112

     例年、年末年始で帰省してくる人が持って来るといわれているインフルエンザが12月になるや否や大流行となり、年末からは新型コロナ感染症が流行中です。皆さん元気に新年をお迎えでしょうか。明けましておめでとうございます。新年第1回目の今日のお話は「潤いと健康」についてです。
     実は私、エアコンの風が苦手。冷房も暖房もどちらもです。最近の良いエアコンは「快適設定」なんていう素敵なAIモードがあって、そのときどきで過ごしやすい温度や湿度に保ってくれるようですが、どうもエアコンをつけっぱなしにしておくと空気が乾燥しすぎて、すぐにのどの痛みに繋がって風邪を引いてしまうのです。
     成人の体の55~60%は水分で出来ています。水分不足になるとからだにさまざまな不調の症状が出てきます。鼻やのどの粘膜の乾燥が起こると、粘液が少なくなり、粘膜の表面で、異物を吐き出すほうきのような役割の線毛の動きが弱くなってしまうため、ウィルスや細菌がうまく体の外に排出できず風邪を引きやすくなるといわれています。
     私は小さい頃から慢性鼻炎のために口呼吸がクセになってしまっていること、年齢的にもややドライマウスの傾向があるので、特に気をつけてのどを守っていかないとのどの粘膜を傷つけて風邪を引いてしまいます。どうしてもエアコンをつけっぱなしにしないといけないような状況では、寝る時でもなるべくマスクをして加湿に心がけます。
     つまり、風邪を引きたくなければ、まずは粘膜を強くする食べ物(コラーゲンを含むもの)を積極的にとり、そしてこまめに水分補給をして粘膜を潤わせておくことが大事というわけです。
     冬は汗をかかないため、なんとなく水分をとることをおろそかにしてしまいがち。でも、厚着のために思ったより汗をかいていたり、常に暖房の効いた環境に身を置いていることが多いので、案外脱水している人が多いように思います。「のどが渇いた」と感じたときには、すでに必要な体内の水分量が2%も不足している状況と知っていてくださいね。
     また、1日に飲み物から取ってほしい水分量は「体重×40~50㎖」といわれています。特に高齢の方の水分不足は免疫力の低下だけでなく、脳細胞の機能を落とし、認知能力が低下することや情緒不安定につながったり、最悪の場合、血液が濃くなって固まりやすくなることで血管の中で血栓を作り、脳梗塞や心筋梗塞につながり命に関わる事態を引き起こす可能性があります。できたら寝る前と起床時には水分を取っていただきたいものです。
     水は飲むと2分で全身を巡ります。トイレに行ったらその分の水を少し口に含んでもらうと良いのかな、と思っています。ペットボトルなどをベッドわきに用意しておくのが良いかもしれませんね。ただし、ペットボトルの中身は、お茶などの利尿がつく飲み物ではなく「水」をご用意くださいね。
     そうはいっても寝る前に水分を取ると夜中にトイレに何度も行くようになって困る、という方は、投薬治療や座って治す器械などもあります。ぜひお気軽にご相談くださいね。(たかき医院・仲栄美子院長)

    2025年1月11日号

  • 女性の頼もしい助っ人「モナリザタッチ」

    デリケートゾーンケアに効果大

    Vol 111

     さて、こちらのコラムに書かせていただいてから、続々とデリケートゾーンの悩みを頂いています。今回は、「いかに楽しく毎日を過ごせるか」をめざし、性交障害、尿漏れ、萎縮性膣炎などを改善する女性のデリケートゾーンケアとして、いま大注目の膣レーザー治療「モナリザタッチ」についての続きです。
     「膣にレーザー!?」と思う方も多いかと思いますが、科学的に効果は証明済み。年齢が進むと女性ホルモンの減少で若いころに比べて顔の皮膚のはりつやが失われるように、実は膣や外陰部も老化が生じ外陰部の違和感・灼熱感、かゆみ、におい、乾燥、黒ずみ、性交痛、おりものの増加、出血などさまざまな症状を生じます。尿漏れに関しては、骨盤底筋トレーニング器「エムセラ」と合わせて行うと良いといわれています。
     女性ホルモンは第一に、肌のコラーゲンを増やす働きがあります。閉経すると膣の粘膜のコラーゲンが減り、粘膜が萎縮して荒れたり出血しやすくなったりすることで、おりものが増える、匂いが気になる、出血するなどが起こります。
     外陰部はコラーゲンが減って皮膚が薄くなることで乾燥する、黒ずむ、かゆみが出る、ヒリヒリする、皮膚がたるむ、などが起きてきます。そこへ膣や外陰部にモナリザタッチでレーザーを照射すると、粘膜や皮膚のコラーゲンが再生されふっくらとします。まさに膣のアンチエイジングです。
     女性ホルモンは第二に、膣の中にいる良い乳酸菌を増やす働きがあります。閉経して良い乳酸菌が減ると他の悪い菌が増えてしまい、匂いやおりものの増加の原因になります。コラーゲンを増やして良い土壌という膣粘膜を作り、膣内に良い乳酸菌という種を増やすということがデリケートゾーンケアの第一歩なのです。
     今回は50~60歳という年齢の方を例に出しましたが、今までお話してきたようなデリケートゾーンの悩みは20代でも起こります。月経困難症で治療中の閉経前の若い女性も乾燥感や性交痛に悩みますし、産後の女性は尿漏れなどでも大いに悩みます。つまりデリケートゾーンケアは全年齢の女性にとって「いかに輝いて楽しく毎日を過ごせるか」のための大事なテーマです。
     ちなみに、モナリザタッチによるレーザー治療は麻酔クリームを使うため、痛みに関してはさほど心配はいりません。私も体験しましたが、たまにチクチクするくらいでした。体験1回目の後の2ヵ月は、寒い時にトイレが近くなる、トイレに行きたいときに我慢できる力に不安を感じる、ふいに腹圧をかけたときに尿漏れが危ないと思う、ということを忘れていることができました。すると、仕事でも外出先でもプライベートで子どもと遊んでいても活動の範囲が広がりました。
     現在、たかき医院では県内初のモナリザタッチ導入準備中です。(導入は12月下旬頃)。ご興味ある方はご連絡ください。ぜひ! たかき医院の「女性開運部」で一緒に輝きましょう!(たかき医院・仲栄美子院長)

    2024年12月7日号

  • あげまん産婦人科医の元気の秘訣は

    「モナリザタッチ」をお試しあれ

    Vol 110

     最近、「あげまん」の会に参加してきました。今から30年以上前の同名映画から知られてきた言葉ではありますが、一般的にあげまんとは、「一緒にいる男性の金運、勝負運、仕事運、昇格など全般的な運気を上げる女性」のことを意味します。でも、今回はあげまんはあげまんでも、一緒にいる「女性」の運気を上げる女性でした。
     今回のあげまんは私の大学の先輩で、同じ産婦人科の女医。会に参加している女性たちは50~60歳で、私を「いらっしゃい! この会は開運の会なんですよ」とキラキラした笑顔で迎えてくれました。
     女性が50歳を超えるというと、閉経して女性ホルモンの分泌が下がり、急に老けて見えたり元気が無くなったりする年齢なのに、とにかくはつらつとしていて若い!でも、話を聞いていると、子どものことで悩んでいる、行政に対しての不満を語る、など赤裸々な話の内容は年齢相応でした。
     では、一体あげまん先輩は彼女たちの開運のために何をしたのか? それは、「医療的なデリケートゾーンケアの提供」です。
     女性は閉経を迎えてすぐは、更年期障害(ほてり、発汗など)、精神不安定(うつ)、女性特有のがん(子宮体がん、卵巣がん、乳がん)、生活習慣病(動脈硬化、高血圧、肥満、糖尿病)、性交障害(性交時痛、性交後出血)、歯周病などが出てきます。閉経から10年もすると、骨粗鬆症、尿漏れ、萎縮性膣炎、認知症などが出てきます。 これらの症状の中でもがんや生活習慣病の対策が戦後日本では活発に行われ、日本は長寿を獲得しました。そして今ようやく、「いかに楽しく毎日を過ごせるか」を目指し、性交障害、尿漏れ、萎縮性膣炎などを改善する女性のデリケートゾーンケアが注目されてきているのです。
     会の女性たちも、あげまん産婦人科医のドアを叩いた理由は、性交痛、下着が当たるとヒリヒリする、社交ダンス中に尿漏れしてしまう、などだったそうです。皆さん全員が口にしていたのは、「命に関わらないことだから我慢すればいいのかなと思っていた」との言葉。そうなんです!でも生活の質を上げることは、自分に自信や余裕ができ、気持ちが上向いて運気も上向いてくることを知って欲しいなと思います。
     さて、あげまん産婦人科医が提供した医療は「モナリザタッチ」という膣レーザー治療です。
    「え!? 大事なところにレーザー??」と思う方も多いかと思います。
     それってどんな治療法?痛いんじゃないの?と思われる方は是非次回をお楽しみに。実はモナリザタッチ導入を12月に控えています! 12月にならなくても、たかき医院ではいつでもデリケートゾーンケアのご相談に乗っています。いつでもお気軽にお声掛けくださいね。(たかき医院・仲栄美子院長)

    2024年11月23日号

  • 遺伝子レベルで変異へ、専門医受診を

    ギャンブル、買物、アルコールなど依存症は脳の病気

    Vol 109

     先日たかき医院で行われましたフェムテックフェスティバル、三連休の晴天の日にもかかわらず百人超の方が足を運んでいただき本当にありがとうございました。女性が輝いて過ごすための国内外のテクノロジーが待合ホールに所狭しと並ぶ中、みなさまから「びっくりしました!」と良い意味で驚きの声をもらいました。大変好評だったので、来年も企画していきたいと思っております。
     さて、先日某病院主催の「依存症フォーラム」に参加してきました。主催病院の精神科医師、依存症の当事者としてアルコール・ギャンブル・薬物の依存症の患者さん数名、依存症家族や支援団体の代表の方たちが代わる代わるお話をして下さったり、最後は会場からの質問にそれらの人たちが答えるクロストークがあったりして、依存症についてさまざまな角度から勉強する時間となりました。
     精神科医師からの言葉でなんといっても印象的だったのは「依存症は脳の病気」でした。以前、肉のあぶらは強い依存を生む、という話をこの場を借りて書きました。肉のあぶらを過剰に摂り続けると、「満足」という感覚を生み出す脳のドーパミン受容体の遺伝子自体が変化して、食事による喜びや満足を感知させないようにするため、脳が「満足できない脳」に変わり、満足感を得るために脳が「もっと」と指令を出すようになり、これが麻薬・アルコール・タバコ・買い物・ギャンブルなどのさまざまな依存症の脳内メカニズムに似ていますよ、という話でした。
     つまり、もう一度言いますが、依存症は気持ちが弱くてやめられない、という精神論的な問題ではなく、脳細胞が遺伝子レベルで形を変えてしまう脳の病気なのだということを知って欲しいのです。
     依存症が脳の病気ということは、たとえばギャンブル依存症の人が作った借金を家族が肩代わりをして、なかったことにしたり、次回はお金を使い込んでしまわないようにクレジットカードを止めたり、銀行口座からお金をおろせなないように工夫をして、しばらくギャンブルをできないようにすれば反省してギャンブルのことを忘れてしなくなるだろう、という周りの人の考えや対応はすべて間違いだということです。
     依存症本人は他の病気と一緒で、きちんと専門医を受診して治療をし患者会に参加すること、家族も依存症のことや患者対応を家族会で勉強していく必要があります。多くの人と関わり助け合う、「ひとの輪」の中で癒していくと依存症から抜け出るゴールが近づくと思ってください。
     だから、もしも「明日はきっと立ち直ってくれるはず」と思うような依存をお持ちの方がご家族の中にいるようであれば、一日でも早く専門病院への受診につないでいただきたいと思います。
     依存症に関しては新潟県福祉保健部の障害福祉課に「いのちとこころの支援室」(℡025・280・5201)があります。ここ十日町・津南から近い依存症治療をしている病院は、上越市のさいがた医療センター、柏崎市の関病院です。これらの病院にお尋ねいただければ、家族会の紹介もしてくれます。
     まずは依存症に対しての間違った認識を正すこと、そして正しい知識を知ることがとても大事です。ちなみに、生理痛で痛み止めの依存になっている方は、痛み止めは過剰に摂りすぎると肝臓や腎臓に負担をかけますので、是非婦人科にご相談くださいね。
     (たかき医院・仲栄美子院長)

    2024年11月2日号

  • 女性ホルモンとドライマウス

    よく噛む、笑う、口を開き腹式呼吸を

    Vol 108

     先週末に開催したフェムテックフェスは大勢の方にご来場いただき大変賑わいました。「こんなものがあるのかとびっくりした!」という感想を多くいただき、やって良かったなと思っています。お子さん連れの方からご年配の方、女性だけでなく男性も、足を運んでくださった皆さま、本当にありがとうございました!
     さて、ついに歯周病と女性ホルモンの関係のお話の最終回です。今回は閉経後のホルモン変化と歯周病の関係です。
     女性は閉経後、女性ホルモンの枯渇によって、ズバリ、既存の歯周病が悪化します。その原因はひとつに骨量減少により、あごの骨も骨量が減り、歯を支える土台となる骨、歯槽骨がもろくなることで歯周ポケットができやすくなるから。
     もう一つにエストロゲンが低下することで歯周病菌と戦う免疫力が低下し、歯と歯ぐきの境目では炎症を起こす物質の分泌が盛んになるから、といわれています。そしてさらに歯周病悪化にむけて追い打ちをかけるのが、更年期から見られ始める「ドライマウス」です。
     ドライマウスは唾液の分泌が減少し、口腔内が乾燥状態になること。他の疾患の一症状として現れることもありますが、女性ホルモンのバランスが乱れてくると、唾液の分泌が減り、ドライマウスになりやすくなります。
     ドライマウスは口腔内のねばねば感、ヒリヒリする症状などから始まり、虫歯が進行して口臭の悪化が起こる他、重症になると、舌表面のひび割れ、摂食障害、味覚障害、発音障害なども現れます。
     更年期世代の女性は「首や肩がこる」という症状を訴えられる方が多いですが、この首から肩への血流障害は、実はドライマウスに繋がっているかもしれません。
     例えば、年々増えている「スマホ首」。スマホに集中している時は体を動かさないため、うつむいた姿勢を長時間続けることになり、首の後ろの筋肉に負担がかかります。これにより、首に痛みやこりの症状が現れ、体中に不調が出てしまうのが「スマホ首」なのですが、実はドライマウスを引き起こします。
     ということは、スマホ首ではないものの、首や肩がこるなどの症状がある人も、注意をしたほうが良いのではないでしょうか。
     では、ドライマウス対策としては何があるかというと、口をよく動かし口周りの筋肉を鍛えることが大切なので、①よく噛んで食べる②口角を上げて笑顔をつくる③大きく口を開けて腹式呼吸でストレス発散しながら好きな歌を歌う④上唇だけを10秒間大きく膨らませ、これを3回繰り返す。
    1日2セットを目安にチャレンジし、唾液腺を刺激する体操をする⑤歯磨きのときに、歯ブラシ、または指で歯茎や舌の裏などを優しくマッサージして刺激して口周りの血行を良くする。そして、⑥ハーブウォーターでうがい、はいかがでしょうか?
     狭い空間ですが、体全体の不調に関わる口の中。特に女性ホルモンに一生を支配されている女性は、すべてのライフステージで歯周病になりやすいので日々のケアを忘れずに!!(たかき医院・仲栄美子院長)

    2024年10月19日号

  • ご存知ですか、「偽閉経療法」

    ホルモンバランスを調整

    Vol 117

     「この薬を飲み始めてから太った気がするのですが…」。
     診察室で患者さんからよく聞かれる言葉です。

    2025年3月22日号

  • 子宮頚がんワクチン、キャッチアップ接種を

    子宮頚がん発症率は83人に1人

    Vol 116

     「子宮頚がんワクチンでの死亡はゼロ。子宮頚がんでの死亡は年間2800人」。

    2025年3月8日号

  • 『いつも幸せはそばにある』

    「考えすぎない方がいいこと」、それは…

    Vol 115

     久しぶりにたくさん雪が降りましたね! 毎日あちこちで除雪に精を出している場面に出くわしました。

    2025年2月22日号

  • 1日10分の運動で体内に生成

    効果抜群の善玉マイオカイン

    Vol 114

     3学期の性教育出前講演が佳境を迎えています。BMI(体格指数)から見た日本人の女性は、20~30代の痩せが目立つ、という話をしているのですが、やせと無月経、不妊症、果ては生まれてくる赤ちゃんの将来の生活習慣病のリスク上昇についての関係を説明をすると、みんなびっくりしているようです。
     確かに10年位前、目にする小学生の女の子たちがみな随分痩せているな、筋肉もなさそう、と思ったことがあります。女の子はやっぱり下半身がしっかりしている方が良い! 自分がもしも女の子を育てるようなことがあったら、脚の太い子になるように育てよう、と胸に誓い、今まさに小3の娘はその通りに育ってくれて満足しています。
     この休日に厚生労働省のHPVワクチン接種(子宮頚がんの予防接種のことです)に係る医療機関向け研修会に参加しました。多職種でHPVワクチンの接種を勉強しようという趣旨でしたので、講演されている先生方も感染症対策課の方、医師、リハビリ関係、などさまざまで、講演内容も子宮頸がんの原因、がん検診の最新情報、海外の国と比べた日本のHPVワクチンの接種状況、ワクチンの効果、ワクチン接種後の体調不良の対応方法などでしたが、今回その中から耳寄り情報を皆さんに一つおすそわけします。
     HPVワクチンは、新型コロナワクチンと一緒の筋肉注射です。だからちょっと痛いですよね。研修会で聞いた話によると、この接種する時の痛みに負けない強さを培うために必要なのは、「筋肉を使うこと」なのだそうです。健康のために運動をする、だけでなく、1日10分でも良いので運動をすると、筋肉で「善玉マイオカイン」という物質が作られて、痛みに対して強くなれます。要するに、運動をして筋肉を使う人の方がHPVワクチンを接種した時の痛みを感じにくく、接種後の多様な症状を引き起こしにくい、とのこと。
     痛みといっても直接的な体への痛みだけでなく、人生において困難なことにぶち当たったときの痛みもあります。善玉マイオカインはそういった痛み全般に良い働きをするようですので、ぜひ小さい子には家の中でゲームではなくて、外で走り回り筋肉を使い筋肉を使うことを勧めてくださいね。
     また善玉マイオカインは、運動後の筋肉回復や怪我からの回復のサポート、脂肪の分解を促進したりや血糖値の調整のような代謝改善、体の中の炎症を抑える、脳細胞を活性化して認知機能の向上に役立つ、免疫力を高める、老化の抑制などをしてくれています。運動をしない人は逆に「悪玉マイオカイン」が作られて筋肉を萎縮させてしまうとか。
     マイオカインはすでに300種類以上も見つかっており、もはや筋肉は運動のためのものではなく体の様々な部分を調整する物質を出す器官という認識だそうです。冬は雪が降らないと運動しないなぁ、かといって家にいても1人では運動しないという方はぜひ、座るだけで1万7400回の筋肉刺激が勝手にできるエムセラに座りに来て、体幹の筋肉や骨盤底の筋肉をつけたりスタッフとお話して気分転換してくださいね!
     (たかき医院・仲栄美子院長)

    2025年2月8日号

  • 妊婦感染で胎児感染の可能性も

    「嫌な感染症が流行ってきた」、りんご病

    Vol 113

     年末からインフルエンザ・新型コロナ・マイコプラズマ肺炎など、さまざまな感染症がはやっておりますね。せっかくの9連休がこれらの感染症の療養で終わりました!という方もいらっしゃるのではないかと思います。 
     新型コロナが5類感染症扱いになったころから、それまで抑え込まれていた感染症が一気に広がり、その頃からずーっと医療機関には風邪症状に効くお薬が手に入りにくい状態が続いています。
     つまり、風邪を引いて病院を受診しても「お薬が無いので自力で直してください」と言われても仕方のない現状になっていることを、まず知って欲しいと思います。なので、なるべく風邪を引かないように予防努力(手洗い・うがい・マスク)をしてくださいね。
     さてそんな中、薬が云々という問題では無いのですが、産婦人科医としては新年になって「嫌な感染症が流行ってきたぞー」と思っています。それは何かというと、「りんご病(伝染性紅斑)」の流行です。
     国立感染症研究所の発表では、りんご病は、約5年周期で流行が起きる主に4~10歳の児童に多くみられる感染症で、原因は「パルボウイルスB 19」というウイルスの飛沫感染で、冬から初夏にかけて流行します。
     症状としては、10〜20日の潜伏期間の後、頬に境界鮮明な紅い発疹(リンゴみたいなほっぺ)が現れ、 続いて腕や足、時に胸腹背部に網目状・レース状・環状などと表現される発疹がみられます。これらの発疹は1週間前後で消失しますが、なかには長引いたり、一度消えた発疹が短期間のうちに再び出現することがあります。
     子どもの場合、頬に発疹が出現する7〜10日くらい前に、微熱やかぜ症状などの前駆症状が見られることがあります。この時期が一番ひとにうつす可能性がある時期といわれており、頬や体に発疹が出たときには体内のウィルス量は減ってひとにうつさない時期に来ているといわれていますが、潜伏期がはっきりしない病気のため、保育園や学校などは発疹が消えてからでないと登園・登校は許可されません。ウィルス感染症なので、特別な治療薬はありません。 成人では約半数は症状が出ず、出ても関節痛・頭痛などで特徴的な症状ではなく、関節炎症状により1〜2日歩行困難になることがありますが、ほとんどは合併症をおこすことなく自然に回復します。
     さて、ここまで読んでも「なぜ嫌な感染症なの?」と思われるかもしれませんが、実は妊婦さんが妊娠20週までに「りんご病」に感染すると、胎児水腫(胎児がとても貧血になり、からだ全体がむくむ)が起こり、胎児も感染する確率は約20~30%、流産や胎児死亡に至る確率は約10%といわれています。「えーっ!!」と思っても、他の水ぼうそうや風疹などのように予防ワクチンもありません。
     保育士さんは若い女性が多く、妊娠年齢の人が多いです。保育園でりんご病が流行した時に、誰か感染しやしないかと、いつもドキドキします。 これを読んで不安になった方は、りんご病に関して抗体を持っているかどうかの検査をすることができますので、近くの病院にご相談ください。ただし、結果に2週間はかかりますので、りんご病を流行が始まる前にお早めにどうぞご相談くださいね。
     (たかき医院・仲栄美子院長)

    2025年1月25日号

  • 水は飲むと2分で全身を巡ります

    「のどが渇いた」、すでに水分量2%不足

    Vol 112

     例年、年末年始で帰省してくる人が持って来るといわれているインフルエンザが12月になるや否や大流行となり、年末からは新型コロナ感染症が流行中です。皆さん元気に新年をお迎えでしょうか。明けましておめでとうございます。新年第1回目の今日のお話は「潤いと健康」についてです。
     実は私、エアコンの風が苦手。冷房も暖房もどちらもです。最近の良いエアコンは「快適設定」なんていう素敵なAIモードがあって、そのときどきで過ごしやすい温度や湿度に保ってくれるようですが、どうもエアコンをつけっぱなしにしておくと空気が乾燥しすぎて、すぐにのどの痛みに繋がって風邪を引いてしまうのです。
     成人の体の55~60%は水分で出来ています。水分不足になるとからだにさまざまな不調の症状が出てきます。鼻やのどの粘膜の乾燥が起こると、粘液が少なくなり、粘膜の表面で、異物を吐き出すほうきのような役割の線毛の動きが弱くなってしまうため、ウィルスや細菌がうまく体の外に排出できず風邪を引きやすくなるといわれています。
     私は小さい頃から慢性鼻炎のために口呼吸がクセになってしまっていること、年齢的にもややドライマウスの傾向があるので、特に気をつけてのどを守っていかないとのどの粘膜を傷つけて風邪を引いてしまいます。どうしてもエアコンをつけっぱなしにしないといけないような状況では、寝る時でもなるべくマスクをして加湿に心がけます。
     つまり、風邪を引きたくなければ、まずは粘膜を強くする食べ物(コラーゲンを含むもの)を積極的にとり、そしてこまめに水分補給をして粘膜を潤わせておくことが大事というわけです。
     冬は汗をかかないため、なんとなく水分をとることをおろそかにしてしまいがち。でも、厚着のために思ったより汗をかいていたり、常に暖房の効いた環境に身を置いていることが多いので、案外脱水している人が多いように思います。「のどが渇いた」と感じたときには、すでに必要な体内の水分量が2%も不足している状況と知っていてくださいね。
     また、1日に飲み物から取ってほしい水分量は「体重×40~50㎖」といわれています。特に高齢の方の水分不足は免疫力の低下だけでなく、脳細胞の機能を落とし、認知能力が低下することや情緒不安定につながったり、最悪の場合、血液が濃くなって固まりやすくなることで血管の中で血栓を作り、脳梗塞や心筋梗塞につながり命に関わる事態を引き起こす可能性があります。できたら寝る前と起床時には水分を取っていただきたいものです。
     水は飲むと2分で全身を巡ります。トイレに行ったらその分の水を少し口に含んでもらうと良いのかな、と思っています。ペットボトルなどをベッドわきに用意しておくのが良いかもしれませんね。ただし、ペットボトルの中身は、お茶などの利尿がつく飲み物ではなく「水」をご用意くださいね。
     そうはいっても寝る前に水分を取ると夜中にトイレに何度も行くようになって困る、という方は、投薬治療や座って治す器械などもあります。ぜひお気軽にご相談くださいね。(たかき医院・仲栄美子院長)

    2025年1月11日号

  • 女性の頼もしい助っ人「モナリザタッチ」

    デリケートゾーンケアに効果大

    Vol 111

     さて、こちらのコラムに書かせていただいてから、続々とデリケートゾーンの悩みを頂いています。今回は、「いかに楽しく毎日を過ごせるか」をめざし、性交障害、尿漏れ、萎縮性膣炎などを改善する女性のデリケートゾーンケアとして、いま大注目の膣レーザー治療「モナリザタッチ」についての続きです。
     「膣にレーザー!?」と思う方も多いかと思いますが、科学的に効果は証明済み。年齢が進むと女性ホルモンの減少で若いころに比べて顔の皮膚のはりつやが失われるように、実は膣や外陰部も老化が生じ外陰部の違和感・灼熱感、かゆみ、におい、乾燥、黒ずみ、性交痛、おりものの増加、出血などさまざまな症状を生じます。尿漏れに関しては、骨盤底筋トレーニング器「エムセラ」と合わせて行うと良いといわれています。
     女性ホルモンは第一に、肌のコラーゲンを増やす働きがあります。閉経すると膣の粘膜のコラーゲンが減り、粘膜が萎縮して荒れたり出血しやすくなったりすることで、おりものが増える、匂いが気になる、出血するなどが起こります。
     外陰部はコラーゲンが減って皮膚が薄くなることで乾燥する、黒ずむ、かゆみが出る、ヒリヒリする、皮膚がたるむ、などが起きてきます。そこへ膣や外陰部にモナリザタッチでレーザーを照射すると、粘膜や皮膚のコラーゲンが再生されふっくらとします。まさに膣のアンチエイジングです。
     女性ホルモンは第二に、膣の中にいる良い乳酸菌を増やす働きがあります。閉経して良い乳酸菌が減ると他の悪い菌が増えてしまい、匂いやおりものの増加の原因になります。コラーゲンを増やして良い土壌という膣粘膜を作り、膣内に良い乳酸菌という種を増やすということがデリケートゾーンケアの第一歩なのです。
     今回は50~60歳という年齢の方を例に出しましたが、今までお話してきたようなデリケートゾーンの悩みは20代でも起こります。月経困難症で治療中の閉経前の若い女性も乾燥感や性交痛に悩みますし、産後の女性は尿漏れなどでも大いに悩みます。つまりデリケートゾーンケアは全年齢の女性にとって「いかに輝いて楽しく毎日を過ごせるか」のための大事なテーマです。
     ちなみに、モナリザタッチによるレーザー治療は麻酔クリームを使うため、痛みに関してはさほど心配はいりません。私も体験しましたが、たまにチクチクするくらいでした。体験1回目の後の2ヵ月は、寒い時にトイレが近くなる、トイレに行きたいときに我慢できる力に不安を感じる、ふいに腹圧をかけたときに尿漏れが危ないと思う、ということを忘れていることができました。すると、仕事でも外出先でもプライベートで子どもと遊んでいても活動の範囲が広がりました。
     現在、たかき医院では県内初のモナリザタッチ導入準備中です。(導入は12月下旬頃)。ご興味ある方はご連絡ください。ぜひ! たかき医院の「女性開運部」で一緒に輝きましょう!(たかき医院・仲栄美子院長)

    2024年12月7日号

  • あげまん産婦人科医の元気の秘訣は

    「モナリザタッチ」をお試しあれ

    Vol 110

     最近、「あげまん」の会に参加してきました。今から30年以上前の同名映画から知られてきた言葉ではありますが、一般的にあげまんとは、「一緒にいる男性の金運、勝負運、仕事運、昇格など全般的な運気を上げる女性」のことを意味します。でも、今回はあげまんはあげまんでも、一緒にいる「女性」の運気を上げる女性でした。
     今回のあげまんは私の大学の先輩で、同じ産婦人科の女医。会に参加している女性たちは50~60歳で、私を「いらっしゃい! この会は開運の会なんですよ」とキラキラした笑顔で迎えてくれました。
     女性が50歳を超えるというと、閉経して女性ホルモンの分泌が下がり、急に老けて見えたり元気が無くなったりする年齢なのに、とにかくはつらつとしていて若い!でも、話を聞いていると、子どものことで悩んでいる、行政に対しての不満を語る、など赤裸々な話の内容は年齢相応でした。
     では、一体あげまん先輩は彼女たちの開運のために何をしたのか? それは、「医療的なデリケートゾーンケアの提供」です。
     女性は閉経を迎えてすぐは、更年期障害(ほてり、発汗など)、精神不安定(うつ)、女性特有のがん(子宮体がん、卵巣がん、乳がん)、生活習慣病(動脈硬化、高血圧、肥満、糖尿病)、性交障害(性交時痛、性交後出血)、歯周病などが出てきます。閉経から10年もすると、骨粗鬆症、尿漏れ、萎縮性膣炎、認知症などが出てきます。 これらの症状の中でもがんや生活習慣病の対策が戦後日本では活発に行われ、日本は長寿を獲得しました。そして今ようやく、「いかに楽しく毎日を過ごせるか」を目指し、性交障害、尿漏れ、萎縮性膣炎などを改善する女性のデリケートゾーンケアが注目されてきているのです。
     会の女性たちも、あげまん産婦人科医のドアを叩いた理由は、性交痛、下着が当たるとヒリヒリする、社交ダンス中に尿漏れしてしまう、などだったそうです。皆さん全員が口にしていたのは、「命に関わらないことだから我慢すればいいのかなと思っていた」との言葉。そうなんです!でも生活の質を上げることは、自分に自信や余裕ができ、気持ちが上向いて運気も上向いてくることを知って欲しいなと思います。
     さて、あげまん産婦人科医が提供した医療は「モナリザタッチ」という膣レーザー治療です。
    「え!? 大事なところにレーザー??」と思う方も多いかと思います。
     それってどんな治療法?痛いんじゃないの?と思われる方は是非次回をお楽しみに。実はモナリザタッチ導入を12月に控えています! 12月にならなくても、たかき医院ではいつでもデリケートゾーンケアのご相談に乗っています。いつでもお気軽にお声掛けくださいね。(たかき医院・仲栄美子院長)

    2024年11月23日号

  • 遺伝子レベルで変異へ、専門医受診を

    ギャンブル、買物、アルコールなど依存症は脳の病気

    Vol 109

     先日たかき医院で行われましたフェムテックフェスティバル、三連休の晴天の日にもかかわらず百人超の方が足を運んでいただき本当にありがとうございました。女性が輝いて過ごすための国内外のテクノロジーが待合ホールに所狭しと並ぶ中、みなさまから「びっくりしました!」と良い意味で驚きの声をもらいました。大変好評だったので、来年も企画していきたいと思っております。
     さて、先日某病院主催の「依存症フォーラム」に参加してきました。主催病院の精神科医師、依存症の当事者としてアルコール・ギャンブル・薬物の依存症の患者さん数名、依存症家族や支援団体の代表の方たちが代わる代わるお話をして下さったり、最後は会場からの質問にそれらの人たちが答えるクロストークがあったりして、依存症についてさまざまな角度から勉強する時間となりました。
     精神科医師からの言葉でなんといっても印象的だったのは「依存症は脳の病気」でした。以前、肉のあぶらは強い依存を生む、という話をこの場を借りて書きました。肉のあぶらを過剰に摂り続けると、「満足」という感覚を生み出す脳のドーパミン受容体の遺伝子自体が変化して、食事による喜びや満足を感知させないようにするため、脳が「満足できない脳」に変わり、満足感を得るために脳が「もっと」と指令を出すようになり、これが麻薬・アルコール・タバコ・買い物・ギャンブルなどのさまざまな依存症の脳内メカニズムに似ていますよ、という話でした。
     つまり、もう一度言いますが、依存症は気持ちが弱くてやめられない、という精神論的な問題ではなく、脳細胞が遺伝子レベルで形を変えてしまう脳の病気なのだということを知って欲しいのです。
     依存症が脳の病気ということは、たとえばギャンブル依存症の人が作った借金を家族が肩代わりをして、なかったことにしたり、次回はお金を使い込んでしまわないようにクレジットカードを止めたり、銀行口座からお金をおろせなないように工夫をして、しばらくギャンブルをできないようにすれば反省してギャンブルのことを忘れてしなくなるだろう、という周りの人の考えや対応はすべて間違いだということです。
     依存症本人は他の病気と一緒で、きちんと専門医を受診して治療をし患者会に参加すること、家族も依存症のことや患者対応を家族会で勉強していく必要があります。多くの人と関わり助け合う、「ひとの輪」の中で癒していくと依存症から抜け出るゴールが近づくと思ってください。
     だから、もしも「明日はきっと立ち直ってくれるはず」と思うような依存をお持ちの方がご家族の中にいるようであれば、一日でも早く専門病院への受診につないでいただきたいと思います。
     依存症に関しては新潟県福祉保健部の障害福祉課に「いのちとこころの支援室」(℡025・280・5201)があります。ここ十日町・津南から近い依存症治療をしている病院は、上越市のさいがた医療センター、柏崎市の関病院です。これらの病院にお尋ねいただければ、家族会の紹介もしてくれます。
     まずは依存症に対しての間違った認識を正すこと、そして正しい知識を知ることがとても大事です。ちなみに、生理痛で痛み止めの依存になっている方は、痛み止めは過剰に摂りすぎると肝臓や腎臓に負担をかけますので、是非婦人科にご相談くださいね。
     (たかき医院・仲栄美子院長)

    2024年11月2日号

  • 女性ホルモンとドライマウス

    よく噛む、笑う、口を開き腹式呼吸を

    Vol 108

     先週末に開催したフェムテックフェスは大勢の方にご来場いただき大変賑わいました。「こんなものがあるのかとびっくりした!」という感想を多くいただき、やって良かったなと思っています。お子さん連れの方からご年配の方、女性だけでなく男性も、足を運んでくださった皆さま、本当にありがとうございました!
     さて、ついに歯周病と女性ホルモンの関係のお話の最終回です。今回は閉経後のホルモン変化と歯周病の関係です。
     女性は閉経後、女性ホルモンの枯渇によって、ズバリ、既存の歯周病が悪化します。その原因はひとつに骨量減少により、あごの骨も骨量が減り、歯を支える土台となる骨、歯槽骨がもろくなることで歯周ポケットができやすくなるから。
     もう一つにエストロゲンが低下することで歯周病菌と戦う免疫力が低下し、歯と歯ぐきの境目では炎症を起こす物質の分泌が盛んになるから、といわれています。そしてさらに歯周病悪化にむけて追い打ちをかけるのが、更年期から見られ始める「ドライマウス」です。
     ドライマウスは唾液の分泌が減少し、口腔内が乾燥状態になること。他の疾患の一症状として現れることもありますが、女性ホルモンのバランスが乱れてくると、唾液の分泌が減り、ドライマウスになりやすくなります。
     ドライマウスは口腔内のねばねば感、ヒリヒリする症状などから始まり、虫歯が進行して口臭の悪化が起こる他、重症になると、舌表面のひび割れ、摂食障害、味覚障害、発音障害なども現れます。
     更年期世代の女性は「首や肩がこる」という症状を訴えられる方が多いですが、この首から肩への血流障害は、実はドライマウスに繋がっているかもしれません。
     例えば、年々増えている「スマホ首」。スマホに集中している時は体を動かさないため、うつむいた姿勢を長時間続けることになり、首の後ろの筋肉に負担がかかります。これにより、首に痛みやこりの症状が現れ、体中に不調が出てしまうのが「スマホ首」なのですが、実はドライマウスを引き起こします。
     ということは、スマホ首ではないものの、首や肩がこるなどの症状がある人も、注意をしたほうが良いのではないでしょうか。
     では、ドライマウス対策としては何があるかというと、口をよく動かし口周りの筋肉を鍛えることが大切なので、①よく噛んで食べる②口角を上げて笑顔をつくる③大きく口を開けて腹式呼吸でストレス発散しながら好きな歌を歌う④上唇だけを10秒間大きく膨らませ、これを3回繰り返す。
    1日2セットを目安にチャレンジし、唾液腺を刺激する体操をする⑤歯磨きのときに、歯ブラシ、または指で歯茎や舌の裏などを優しくマッサージして刺激して口周りの血行を良くする。そして、⑥ハーブウォーターでうがい、はいかがでしょうか?
     狭い空間ですが、体全体の不調に関わる口の中。特に女性ホルモンに一生を支配されている女性は、すべてのライフステージで歯周病になりやすいので日々のケアを忘れずに!!(たかき医院・仲栄美子院長)

    2024年10月19日号