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妻有新聞掲載記事一覧

  • つらら(氷柱)

    照井 麻美(津南星空写真部)

     春を感じてしまうほど暖かな日がある今年の冬。
     この地域に住むとたくさん雪が降らないでと願う一方、必要以上に少ない積雪だとなにか物足りなさを感じてしまい、心のどこかで雪を期待している自分がいます。
     写真は数年前に秋山郷で撮ったものです。
     妻有地域ではつららというより、雪庇の方が多く見かけますが、屋根の融雪用に水を流している所や、川の水しぶきが飛ぶあたりに見かけることがあります。
     幼い頃はゲレンデに遊びに行くと親に怒られながら、小さなつららをキャンディーのようになめていたことを思い出します。
     ちなみに新潟県の上越や田上町ではつららのことを「かねっこり」という方言があるらしい。この地域でもそれ以外の呼び名があるのだろうか。
     また、新潟県から東北にかけて「つらら女・かね」と呼ばれる妖怪の話があるそうで、多くは冬の夜に独身男の家に女が訪ねてきて、寒いだろうとお風呂を進めると女は一向に出てこず、心配になり様子を見に行くと女の姿は消え、湯船に氷のかけらが浮かんでいたという。

    2024年2月3日号

  • 「どうする関口市長」、市町村の動き

     来春、十日町市長・関口芳史氏は任期満了を迎える。一昨年夏に2選を果たした津南町・桑原悠町長は昨秋の町議改選を経ていよいよ独自色を出す時期だ。栄村・宮川幹雄村長は今春4月、2期目をめざし村民の審判を受ける。この時期、自治体の新年度予算案の公表が続き、そこに市町村長の行政姿勢、政治信条が見える。注目の、如月・2月だ。
     4期16年を積む関口市長は来年4月30日、任期満了を迎える。まさに、「どうする関口市長」。十日町市長の4期は市政史上最多で、当然5期となると市政史上初となる。現段階ではその去就についての言動はなく、周辺関係者からも「まだまだ合併後の新生十日町市は出来上がっていない。当然、続投だろう」、「5期となると、市民からのマンネリ感が強くなる。関口市長自身、相当自覚しているはず。ただ、じゃあ誰が…となると、いないなぁ」、などなど巷間話はこれから盛り上がるだろう。今後、市議会で次期への去就に対する質問が出るだろうが、4期出馬の時、相当なる逡巡があったようで、決断は遅れた。特に、前回4期出馬時の理由に「原発問題への取り組み」を上げた。今年、新潟県の花角知事は原発再稼働への姿勢を明確にし、「知事選」あるいは「県民投票」で信を問う場を作る予定だ。このタイミングと関口市長の去就は、相当なる深い関係性になるだろう。
     津南町の桑原町長は、昨秋の町議改選で「町長与党」となり、これまでの懸案事項を前に進める好機になる。その姿勢が新年度予算案に出るだろう。特に保育園再編問題、3月町議会での施政方針表明の言葉に関心が集まる。一方の栄村。宮川村長に対抗する勢力は前回村長選で敗北した元村長・森川浩市氏の擁立に向け動いている。4年前の前回と同じ対決が濃厚だ。
     今年も目が離せない自治体の動きだ。

    2024年2月3日号

  • 迫る衆院選、四度決戦、梅谷V.S高鳥

    裏金問題、影響どうする

     与党・自民派閥の政治資金パーティを巡る裏金事件で、3派閥の政治新収支報告書の不記載は総額で17億円超に上り、さらに派閥解散に踏み切るなど、「政治と金」問題が大きくクローズアップしている。現衆院議員の任期は2025年10月30日で残り1年7ヵ月余りだが、政治と金問題に一定の方向性を出した後の年内解散も予想され、候補者たちの臨戦態勢は続いている。新選挙区割りとなる「新潟5区」は立憲現職1期・梅谷守氏(50)と自民現職5期・高鳥修一氏(63)の4度目の激突が確実視される。前回選(2021年10月)の小選挙区は130票差の僅差で梅谷氏が勝利したが、今回も接戦は必至。政権与党への逆風を野党が活かせるか、派閥解散による自民の巻き返しがあるか。衆院選に向け、魚沼エリア35万3千人余の有権者の判断が問われる。

    2024年1月27日号

  • 毎月10日に懇談会

    津南町議会、「だんだん」で

    議会便り刷新で関心増す

     〇…津南町議会が刷新に取り組んでいる。新たな取り組みとして毎月10日、まちなかオープンスペースだんだんで、議会と町民との懇談会「だんだんよくする 津南町議会懇談会」を行う。2月から毎月10日午前10時~午後6時(火曜と水曜の場合はだんだん開館時間の午後2~6時まで)議員2人が常時滞在、来訪する住民と直接対話。

    2024年1月27日号

  • 古道×アート×スポーツ注目

    「まつだい春の陣」、スポーツツーリズム賞

    第2回6月2日

     里山にあり、かつて生活に使われていた「古道」を復活、トレイルランニングコースとして整備し地域活性化と里山環境保全などねらいに昨年6月初開催の『越後まつだい春の陣』。その取り組みを高評価し、「スポーツ文化ツーリズムアワード2023」で、最高賞のひとつ「スポーツツーリズム賞」を獲得。表彰式は来月2日に東京・神田明神ホールで行う。同陣の実行委員長でミッション型地域おこし協力隊の新坂志保里さん(36)が当日行われるシンポジウムの事例発表で活動を紹介する。

    2024年1月27日号

  • 表日本・裏日本? 能登地震が教える視点

    富山県制作の環日本海諸国図

    藤ノ木信子 (清津川に清流を取り戻す会)

     能登の地震災害ではっきり分かったことがある。一つはこの国では原発との共存はできないということ。志賀原発や柏崎刈羽原発が運転停止していて、放射能災害が起こらなかったことは私は奇跡に近いと思っている。4㍍も隆起する地殻変動では冷却水すら得られない。運転期間60年に延長する原発推進法など以ての外、政府は自然の脅威を福島の災害から何も学んでいない。能登半島の道路は寸断され、港が隆起して船も近づけず、住民の避難が困難なこともよく分かった。
     二つ目は政府の災害対応がとにかく遅く、何としても国民を救うという当たり前の動きが止まっていたこと。元日というタイミングだったが災害に正月休みなどあるわけなく、後手後手の逐次投入だった。政財界の新年会が大事だった? 検察が入る前の隠蔽が忙しかった? つまり災害時も自助ってこと? と邪推したくなるほどイライラした。今後どんな災害が起こってもこの機能停止に近い状態が起こるから国民は覚悟しなければならない。
     ここからどう復興支援するかという難題をこの政権はクリアできるのだろうか。人口減少が急速に進み元通りにはならない。移住を選択する人もいるし、能登で暮らすことが幸せという人もいる。東北の災害後より難しいと感じるのは、復興についても政府の中に能登は裏日本の辺鄙な過疎地といった偏りが垣間見えるからだ。
     「あれれ? 日本列島が逆さまだよ」と思う地図がある。写真は富山県が制作した環日本海諸国図というもの。だから富山県が中心で南北は逆だけどこの向きで正しい。これを見ていると表日本・裏日本という言い方はおかしいなと思う。現に戦前は日本海側と太平洋側は人口も経済も大差はなく、もっと昔の北前船交易の頃は太平洋側より日本海側が主たる物流を担っていて、能登や加賀には豪商もあり文化交流盛んな表側だった。今でも大阪名物は北海道産の昆布の佃煮だし、輪島や佐渡、山形には上方の風習が残り、航路が見えるようだ。政府は近い将来起こると言われる南海トラフ地震で、太平洋沿岸に壊滅的被害を想定している。であればこの機に日本海物流の港湾整備をしておくのが重要だと思う。首都圏に電力を送るために原発を並べるだけが日本海側の役目ではない。
     それにこの地図を見ていると日本は近隣諸国と仲良くすることが大切と感じざるを得ない。ロシア・中国・北朝鮮・韓国と日本列島は手をつないで輪のように並んでいる…と思えるのは私だけだろうか?

    2024年1月27日号

  • カワガラス

    南雲 敏夫(県自然観察指導員)

     鳥の仲間でもっとも早く巣作りをする種で早い親鳥は2月中に開始する。カワガラスは漢字だと「河烏」と書き、渓流の流れに潜水して獲物を狙うカラスと言うが、実際はカラスの仲間ではなくてカワガラス属と言うまったく違う種である。
     確かに遠目で見ると真っ黒に見えるが実際は黒褐色、もちろん水中を歩く事もできると言う、鳥の仲間としては異色の存在。
     餌は主に水生昆虫の幼生や小魚、魚卵などを食べている。
     巣作りは、こちらではまだ冬の時期に始めるが、渓流の岩の隙間や砂防堰堤の穴などを使う。
     秋山郷では砂防堰堤の垂直の壁に空いている穴を使用しているのを見た事があるが、砂防堰堤の垂直の壁ならばヘビなどの一番の天敵を十分に防ぐ事ができると思われる。
     堰堤最初の頃は穴から水が出ていたと思うが、堰堤に土砂が溜まり穴がふさがれて水が出なくなれば絶好の営巣場所に早変わり…自然の要塞に巣を作り子育てするカワガラスの知恵…恐れ入りました。

    2024年1月27日号

  • 裏金問題と確定申告

     「派閥の裏金問題」。文字づらを見るだけで不快感が湧くが、この問題の「主人公・自民党」を長年支持し続ける方々は、どう感じているのか、率直な言葉が聞きたい。時は納税義務者にとっての「関所」、確定申告の時期を向える。自営業、農業者、年金生活者などが主だが、その担当者とのやり取りを思うと、桁が違う裏金問題の本質を見る思いだ。1万円余、いや数千円の経費計上を巡ってのやり取りは、毎年のことだ。だが、今期の確定申告の現場は、ちょっと雰囲気が変わるかもしれない。納税者たる我々にとって、裏金問題から見える「脱税」は、どう考えても許せない「違法行為」だ。
     検察は結局、時の権力に追随せざるを得ない実態を、我々の前に見せた。「立件断念」。どう考えても派閥の会計責任者の独断でパーティ券会費売上を自由に動かせるはずがなく、さらに悪質は派閥に「上納」すべきパー券ノルマ以外は「マイポッケト」した議員が多数いることが判明し、これは明らかに「雑収入」であり、課税対象になるお金だ。それを申告していない以上、「脱税」だ。これほど明確な違法行為がなぜ許されるのか、ここが最大の問題だ。こうした「慣行」を長年続け、そのパー券を購入し続けている人たちは、この実態を知り、見て、なぜ怒らないのか、不思議でならない。パー券を買った以上の見返りがあるのか、そんな勘繰りも抱いてしまう。
     歴史的な低迷支持率を更新するこの国の政権。震災対応を最優先に掲げつつ、解散・総選挙もできず、内閣総辞職もできず、もはや政権の体を成していないが、さりとて「捨て身の政策」も打ち出せない弱腰政権。こんな国に暮らす悲劇が、被災地を襲っている。政治への信頼が抱けなくなり、政権への不信感が増すとなれば、一瞬即発の状況になりかねない。危ない内政になりつつあり、危機感を抱く。

    2024年1月27日号

  • 特製ラーメンで能登支援

    だるまの会

    被災地復興願いきょう20日も

    元日に発生した能登半島地震の被災地に義援金を贈ろうと、十日町市内のラーメン店などで作るボランティア団体「だるまの会」(小杉幸二会長)が特製のチャリティラーメンを企画。小正月の15日、市民交流センター・分じろうに調理機材を持ち込んで店開きした。
     だるまの会は20年前の中越地震で支援を受けた恩返しをと、2011年の東日本大震災と長野県北部地震を受けて市内の飲食店経営者などが立ち上げたボランティア団体。

    2024年1月20日号

  • 「夢の実現」踏み出す

    18期生75人が合格

    県立津南中等校

     ◎…「あった」、一足早い受験で合格を決めた小学6年生から笑顔がこぼれた。県立中等教育学校の合格発表は津南、直江津、佐渡、村上の4校は14日に実施。津南中等は受験した75人(志願者数は77人)全員が合格。最終倍率は0・93倍(前年1・18倍)だった。開校18年目の津南中等。国公立進学率は50%余と高いが、3年前に県教委からいったん募集停止方針が出され、後に撤回。昨夏発表の3年間の県高校等再編整備計画では『津南中等校は志願倍率が極めて低い状況にあったが令和3年(2021)度以降に大幅な改善が見られている。

    2024年1月20日号

  • つらら(氷柱)

    照井 麻美(津南星空写真部)

     春を感じてしまうほど暖かな日がある今年の冬。
     この地域に住むとたくさん雪が降らないでと願う一方、必要以上に少ない積雪だとなにか物足りなさを感じてしまい、心のどこかで雪を期待している自分がいます。
     写真は数年前に秋山郷で撮ったものです。
     妻有地域ではつららというより、雪庇の方が多く見かけますが、屋根の融雪用に水を流している所や、川の水しぶきが飛ぶあたりに見かけることがあります。
     幼い頃はゲレンデに遊びに行くと親に怒られながら、小さなつららをキャンディーのようになめていたことを思い出します。
     ちなみに新潟県の上越や田上町ではつららのことを「かねっこり」という方言があるらしい。この地域でもそれ以外の呼び名があるのだろうか。
     また、新潟県から東北にかけて「つらら女・かね」と呼ばれる妖怪の話があるそうで、多くは冬の夜に独身男の家に女が訪ねてきて、寒いだろうとお風呂を進めると女は一向に出てこず、心配になり様子を見に行くと女の姿は消え、湯船に氷のかけらが浮かんでいたという。

    2024年2月3日号

  • 「どうする関口市長」、市町村の動き

     来春、十日町市長・関口芳史氏は任期満了を迎える。一昨年夏に2選を果たした津南町・桑原悠町長は昨秋の町議改選を経ていよいよ独自色を出す時期だ。栄村・宮川幹雄村長は今春4月、2期目をめざし村民の審判を受ける。この時期、自治体の新年度予算案の公表が続き、そこに市町村長の行政姿勢、政治信条が見える。注目の、如月・2月だ。
     4期16年を積む関口市長は来年4月30日、任期満了を迎える。まさに、「どうする関口市長」。十日町市長の4期は市政史上最多で、当然5期となると市政史上初となる。現段階ではその去就についての言動はなく、周辺関係者からも「まだまだ合併後の新生十日町市は出来上がっていない。当然、続投だろう」、「5期となると、市民からのマンネリ感が強くなる。関口市長自身、相当自覚しているはず。ただ、じゃあ誰が…となると、いないなぁ」、などなど巷間話はこれから盛り上がるだろう。今後、市議会で次期への去就に対する質問が出るだろうが、4期出馬の時、相当なる逡巡があったようで、決断は遅れた。特に、前回4期出馬時の理由に「原発問題への取り組み」を上げた。今年、新潟県の花角知事は原発再稼働への姿勢を明確にし、「知事選」あるいは「県民投票」で信を問う場を作る予定だ。このタイミングと関口市長の去就は、相当なる深い関係性になるだろう。
     津南町の桑原町長は、昨秋の町議改選で「町長与党」となり、これまでの懸案事項を前に進める好機になる。その姿勢が新年度予算案に出るだろう。特に保育園再編問題、3月町議会での施政方針表明の言葉に関心が集まる。一方の栄村。宮川村長に対抗する勢力は前回村長選で敗北した元村長・森川浩市氏の擁立に向け動いている。4年前の前回と同じ対決が濃厚だ。
     今年も目が離せない自治体の動きだ。

    2024年2月3日号

  • 迫る衆院選、四度決戦、梅谷V.S高鳥

    裏金問題、影響どうする

     与党・自民派閥の政治資金パーティを巡る裏金事件で、3派閥の政治新収支報告書の不記載は総額で17億円超に上り、さらに派閥解散に踏み切るなど、「政治と金」問題が大きくクローズアップしている。現衆院議員の任期は2025年10月30日で残り1年7ヵ月余りだが、政治と金問題に一定の方向性を出した後の年内解散も予想され、候補者たちの臨戦態勢は続いている。新選挙区割りとなる「新潟5区」は立憲現職1期・梅谷守氏(50)と自民現職5期・高鳥修一氏(63)の4度目の激突が確実視される。前回選(2021年10月)の小選挙区は130票差の僅差で梅谷氏が勝利したが、今回も接戦は必至。政権与党への逆風を野党が活かせるか、派閥解散による自民の巻き返しがあるか。衆院選に向け、魚沼エリア35万3千人余の有権者の判断が問われる。

    2024年1月27日号

  • 毎月10日に懇談会

    津南町議会、「だんだん」で

    議会便り刷新で関心増す

     〇…津南町議会が刷新に取り組んでいる。新たな取り組みとして毎月10日、まちなかオープンスペースだんだんで、議会と町民との懇談会「だんだんよくする 津南町議会懇談会」を行う。2月から毎月10日午前10時~午後6時(火曜と水曜の場合はだんだん開館時間の午後2~6時まで)議員2人が常時滞在、来訪する住民と直接対話。

    2024年1月27日号

  • 古道×アート×スポーツ注目

    「まつだい春の陣」、スポーツツーリズム賞

    第2回6月2日

     里山にあり、かつて生活に使われていた「古道」を復活、トレイルランニングコースとして整備し地域活性化と里山環境保全などねらいに昨年6月初開催の『越後まつだい春の陣』。その取り組みを高評価し、「スポーツ文化ツーリズムアワード2023」で、最高賞のひとつ「スポーツツーリズム賞」を獲得。表彰式は来月2日に東京・神田明神ホールで行う。同陣の実行委員長でミッション型地域おこし協力隊の新坂志保里さん(36)が当日行われるシンポジウムの事例発表で活動を紹介する。

    2024年1月27日号

  • 表日本・裏日本? 能登地震が教える視点

    富山県制作の環日本海諸国図

    藤ノ木信子 (清津川に清流を取り戻す会)

     能登の地震災害ではっきり分かったことがある。一つはこの国では原発との共存はできないということ。志賀原発や柏崎刈羽原発が運転停止していて、放射能災害が起こらなかったことは私は奇跡に近いと思っている。4㍍も隆起する地殻変動では冷却水すら得られない。運転期間60年に延長する原発推進法など以ての外、政府は自然の脅威を福島の災害から何も学んでいない。能登半島の道路は寸断され、港が隆起して船も近づけず、住民の避難が困難なこともよく分かった。
     二つ目は政府の災害対応がとにかく遅く、何としても国民を救うという当たり前の動きが止まっていたこと。元日というタイミングだったが災害に正月休みなどあるわけなく、後手後手の逐次投入だった。政財界の新年会が大事だった? 検察が入る前の隠蔽が忙しかった? つまり災害時も自助ってこと? と邪推したくなるほどイライラした。今後どんな災害が起こってもこの機能停止に近い状態が起こるから国民は覚悟しなければならない。
     ここからどう復興支援するかという難題をこの政権はクリアできるのだろうか。人口減少が急速に進み元通りにはならない。移住を選択する人もいるし、能登で暮らすことが幸せという人もいる。東北の災害後より難しいと感じるのは、復興についても政府の中に能登は裏日本の辺鄙な過疎地といった偏りが垣間見えるからだ。
     「あれれ? 日本列島が逆さまだよ」と思う地図がある。写真は富山県が制作した環日本海諸国図というもの。だから富山県が中心で南北は逆だけどこの向きで正しい。これを見ていると表日本・裏日本という言い方はおかしいなと思う。現に戦前は日本海側と太平洋側は人口も経済も大差はなく、もっと昔の北前船交易の頃は太平洋側より日本海側が主たる物流を担っていて、能登や加賀には豪商もあり文化交流盛んな表側だった。今でも大阪名物は北海道産の昆布の佃煮だし、輪島や佐渡、山形には上方の風習が残り、航路が見えるようだ。政府は近い将来起こると言われる南海トラフ地震で、太平洋沿岸に壊滅的被害を想定している。であればこの機に日本海物流の港湾整備をしておくのが重要だと思う。首都圏に電力を送るために原発を並べるだけが日本海側の役目ではない。
     それにこの地図を見ていると日本は近隣諸国と仲良くすることが大切と感じざるを得ない。ロシア・中国・北朝鮮・韓国と日本列島は手をつないで輪のように並んでいる…と思えるのは私だけだろうか?

    2024年1月27日号

  • カワガラス

    南雲 敏夫(県自然観察指導員)

     鳥の仲間でもっとも早く巣作りをする種で早い親鳥は2月中に開始する。カワガラスは漢字だと「河烏」と書き、渓流の流れに潜水して獲物を狙うカラスと言うが、実際はカラスの仲間ではなくてカワガラス属と言うまったく違う種である。
     確かに遠目で見ると真っ黒に見えるが実際は黒褐色、もちろん水中を歩く事もできると言う、鳥の仲間としては異色の存在。
     餌は主に水生昆虫の幼生や小魚、魚卵などを食べている。
     巣作りは、こちらではまだ冬の時期に始めるが、渓流の岩の隙間や砂防堰堤の穴などを使う。
     秋山郷では砂防堰堤の垂直の壁に空いている穴を使用しているのを見た事があるが、砂防堰堤の垂直の壁ならばヘビなどの一番の天敵を十分に防ぐ事ができると思われる。
     堰堤最初の頃は穴から水が出ていたと思うが、堰堤に土砂が溜まり穴がふさがれて水が出なくなれば絶好の営巣場所に早変わり…自然の要塞に巣を作り子育てするカワガラスの知恵…恐れ入りました。

    2024年1月27日号

  • 裏金問題と確定申告

     「派閥の裏金問題」。文字づらを見るだけで不快感が湧くが、この問題の「主人公・自民党」を長年支持し続ける方々は、どう感じているのか、率直な言葉が聞きたい。時は納税義務者にとっての「関所」、確定申告の時期を向える。自営業、農業者、年金生活者などが主だが、その担当者とのやり取りを思うと、桁が違う裏金問題の本質を見る思いだ。1万円余、いや数千円の経費計上を巡ってのやり取りは、毎年のことだ。だが、今期の確定申告の現場は、ちょっと雰囲気が変わるかもしれない。納税者たる我々にとって、裏金問題から見える「脱税」は、どう考えても許せない「違法行為」だ。
     検察は結局、時の権力に追随せざるを得ない実態を、我々の前に見せた。「立件断念」。どう考えても派閥の会計責任者の独断でパーティ券会費売上を自由に動かせるはずがなく、さらに悪質は派閥に「上納」すべきパー券ノルマ以外は「マイポッケト」した議員が多数いることが判明し、これは明らかに「雑収入」であり、課税対象になるお金だ。それを申告していない以上、「脱税」だ。これほど明確な違法行為がなぜ許されるのか、ここが最大の問題だ。こうした「慣行」を長年続け、そのパー券を購入し続けている人たちは、この実態を知り、見て、なぜ怒らないのか、不思議でならない。パー券を買った以上の見返りがあるのか、そんな勘繰りも抱いてしまう。
     歴史的な低迷支持率を更新するこの国の政権。震災対応を最優先に掲げつつ、解散・総選挙もできず、内閣総辞職もできず、もはや政権の体を成していないが、さりとて「捨て身の政策」も打ち出せない弱腰政権。こんな国に暮らす悲劇が、被災地を襲っている。政治への信頼が抱けなくなり、政権への不信感が増すとなれば、一瞬即発の状況になりかねない。危ない内政になりつつあり、危機感を抱く。

    2024年1月27日号

  • 特製ラーメンで能登支援

    だるまの会

    被災地復興願いきょう20日も

    元日に発生した能登半島地震の被災地に義援金を贈ろうと、十日町市内のラーメン店などで作るボランティア団体「だるまの会」(小杉幸二会長)が特製のチャリティラーメンを企画。小正月の15日、市民交流センター・分じろうに調理機材を持ち込んで店開きした。
     だるまの会は20年前の中越地震で支援を受けた恩返しをと、2011年の東日本大震災と長野県北部地震を受けて市内の飲食店経営者などが立ち上げたボランティア団体。

    2024年1月20日号

  • 「夢の実現」踏み出す

    18期生75人が合格

    県立津南中等校

     ◎…「あった」、一足早い受験で合格を決めた小学6年生から笑顔がこぼれた。県立中等教育学校の合格発表は津南、直江津、佐渡、村上の4校は14日に実施。津南中等は受験した75人(志願者数は77人)全員が合格。最終倍率は0・93倍(前年1・18倍)だった。開校18年目の津南中等。国公立進学率は50%余と高いが、3年前に県教委からいったん募集停止方針が出され、後に撤回。昨夏発表の3年間の県高校等再編整備計画では『津南中等校は志願倍率が極めて低い状況にあったが令和3年(2021)度以降に大幅な改善が見られている。

    2024年1月20日号