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妻有新聞掲載記事一覧

  • やってはいけない事を全部やってしまった

    ざわつく電話DE詐欺

    松崎 房子 (元ゆずり葉編集委員)

     すでに1ヵ月以上も経ったのに、未だにザラリとする。
     ショートメールが入った。「電話料金の事でご連絡があります」とある。
    寄りにもよって、家計簿を広げ料金プランを変更した効果は上がっているのか? 疑問を感じていた所だった。思わず連絡先としてある番号に電話してしまった。
     即、折り返しかかってきた番号は東京管区の番号で数字自体もぜんぜん違う。「先程の番号と全然違いますがどういう事でしょうか?」「大丈夫ですよ。担当部署の者がご説明しますので」「そうなんですか?」「お客様が以前に契約された、サイトの料金が1年間未払いになっています。早急に必要料金9万9600円を振り込んでください」「そんな筈はありません。私は未だにスマホに不慣れで、サイトを契約したりは出来ません。した覚えも絶対にありません」「スマホからでなくても、PCからも出来るのです」「なんと言われても契約してはいませんから、お支払いはしません」「たまに誤認契約という事もあるので調べてみます」。
     しばらく時間を置いてまたかかってきた。「やはり誤認契約であることが判りました」「そうでしょう。絶対に契約した覚えが無いもの。ではこれでよろしいですね」「そうですが、当社のシステム上、一応全額御払い頂いて2日後に返金致しますので」「そんなの可笑しいではありませんか。払わなければどうなるのですか? こんな電話自体変じゃありません?」
    気のせいか相手の態度が変わった気がした。「払わなくても一向に構いませんよ。延滞金やら金利やらが加算されて、もっと高額の金額が引き落とされますから…」。あれこれやり取りが続いていい加減参ってしまった。
     前号の村山さんの原稿にあった、カタカナ語・和製英語? アルファベットの並び、しかも短縮? ますます混乱した。その時、自分でも変化が起きた。この金額で済むのなら、振り込んでもう終わりにしたい。高額をタンス預金していらっしゃる方もおいでらしいが、こんな気持ちかな?
    少し前に聞いた妹の対処方法が思い出された。『何が何でも本人にしか渡しません』本人が動けないので代わりの者が行きますから。『場所を教えて下さい。こちらから出向きますから』、事なきを得たとか。
     息子に連絡がついて、やっと件の電話を切った。散々息子に叱られたが、とにもかくにもセーフだった。
     知らない番号には出るな。ショートメールはやたらに開けるな。電話に出てしまったら会話をするな。
     やってはいけない事を全部やってしまった。

    2023年10月14日号

  • ヒダリマキマイマイ

    照井 麻美(津南星空写真部)

     雨が強く降っては止み、また雨が降っては止みと秋の長雨とは少し違った10月を迎えておりますが、森に入ればキノコも旬を迎え、道の駅やお土産店では秋の味覚がずらりと並んでいます。
     この雨に活動的なのは写真の「ヒダリマキマイマイ」です。
     字のごとくヒダリマキのかたつむりですが、左巻きの殻をもった種は少なく、国内で確認できている約6000種のうち、約60種ほどしかいないそうです。
     本州北部に生息し、湿った場所を好み、森林や草原などで見かけられ、大きさは3~5cmほどです。
     雨でぬれた地面や木の幹、夜はキノコに群がっていたりしますが、近年住宅地にも出没し、コンクリートの上に付く藻を食べているようなので、雨の降ったときは家の近くのコンクリート壁や枯れ葉がある湿った場所などを探してぜひ、ヒダリマキマイマイを見つけてみてください。
     ちなみに童謡「かたつむり」で歌われている「でんでんむし」とは、子供たちがかたつむりを突っつくと顔を引っ込める様から「出ん出ん虫(出ない出ない虫)」→でんでん虫になった説が有力だそうです。

    2023年10月14日号

  • 「笑売」で癒す『音鳴り』開店

    〇…ギタリスト・マジシャンの篠塚崇志さん

     『笑売』を理念に掲げ「酒・歌・皆んなの遊び処 音鳴り」を十日町市土市第2にオープンし、半年が過ぎた。経営するのは、ギタリストでマジシャンの「チャーリー篠塚」こと篠塚崇志さん(43)。

    2023年10月14日号

  • 聞き・読み・感じて、投票所へ

     じっくり聞き、読み、感じるべきだろう。津南町議選である。来週17日、告示だ。同時に期日前投票ができる期間が始まる。だが考えてほしい。今回の町議選はこれまでと、その様は大きく異なる。それは今日に至るまでの経過からも言える。現職を含め出馬表明が大幅に遅くなり、いまだ流動的な要素が現在進行形だ。ここはじっくり考え、選択すべきだろう。
     今度の改選期の特徴の一つは、現職多数が再出馬すること、さらに新人女性2人が挑むこと、さらに候補予定者16人のうち70代以上が9人いること、この3点だけでも、これまでにない町議選になっている。70代以上の多数の出馬は、いまの津南町の現状を端的に表している。高齢化率43%余の象徴であると共に、この世代が津南町を支えているマンパワーであるということ。つまり、年代差は際立った判断材料ではないことを物語っている。
     女性の挑戦は注目されがちだが、「ようやく」であり、「やっと」かもしれない現実が、いまの津南町ともいえる。今春の統一地方選で全国の市町村で多くの女性が議席を取り、議会における女性率が各段に上昇している現実があり、その風が津南町でも吹きつつあるのか、とも言える今回の町議選だ。だからこそ、じっくり聞き、読み、感じてほしいと強く思う。
     告示後、選挙広報が発行され、本紙は投票直前の来週21日号で候補者アンケートを掲載する。その質問は『桑原町政の評価と課題』。ここに候補者のスタンス・立脚点がある。今度の町議選の争点が見えてくる。議員に求められる問題意識、その政治センスこそ、いま津南町議会に求められているのではないか。投票を早まることはない。繰り返すが、じっくり聞き、読み、感じて、投票所に行ってほしい。

    2023年10月14日号

  • コメ等級落ち深刻、1等9%台

    十日町・津南共に3等米2400円加算

     高温や干ばつの影響で今年産米の1等比率が1割に満たない状況になっているJA十日町は先月29日、経営管理委員会を開き、生産者からの要望に応え魚沼産コシヒカリの仮渡金を引き上げることを決めた。

    2023年10月7日号

  • 告示までカウントダウン「10」

    女性5人挑む、クオータ制先取り?

    町議選告示まであと10日、カウントダウンは続く。町議選立候補者が必要な選挙資料は、6日現在、町選管によると17部出ており、出馬を決めている候補予定者15人は来週10日の事前審査に向け準備を進めている。

    2023年10月7日号

  • 4農協合併決定 JA魚沼、来年2月

    臨時総代会で同時採決

     『魚沼農協業同組合(JA魚沼)』の誕生が決定した。広域合併を進めてきた魚沼地区4JA(十日町、津南町、北魚沼、越後おぢや)の合併可否を決める臨時総代会は先月30日午前9時から一斉にスタート。「もう少し慎重に進めてほしい。

    2023年10月7日号

  • 女子高生発案、きもの柄トートバッグ

    十日町総合高チームO2

     地元の女子高生発案のきもの活用トートバッグが、十日町市のふるさと納税の返礼品に仲間入りした。十日町総合高(小林皇司校長)はキャリア教育の一環で、ビジネス系列選択の3年生23人は地元企業との連携で新商品開発を模索。5チームに分かれ活動するなかチームO2(オーツー。大津葵来、栗田心晴、半戸こころ、澤野優)はきものブレインと連携。

    2023年10月7日号

  • 初の全国出場に意欲

     『女子』ライバルの十日町南、五泉北など強豪勢を追い抜き、県頂点をめざす下条・女子。力は拮抗しているが「チームワークを高め、県優勝をめざします」と村山紗和主将(3年)。7月の県大会1500㍍で村山主将は十日町管内トップの2位に入り、東日本女子マラソンのメンバーに抜擢されるなど上り調子だ。また渡邊美心都(3年)も7位に入ったほか、根津洋央奈(1年)は先月の十日町長距離カーニバル1500㍍で2位と健闘するなど上位陣の総合力は県勢トップレベルになっている。

    2023年10月7日号

  • お役所はカタカナ語がお好き?

    氾濫するカタカナ・和製英語

    村山 朗 (会社員)

     日頃、新聞やニュースなどで氾濫する外来語やアルファベットの略語を目にするたびに、イラっとしている本紙の読者は少なくないのではないでしょうか。先日の新聞に文化庁の国語世論調査の結果が記事になっていました。それによると、「DX」「SNS」「AED」などの略語に85%の人が、意味が分からず困ることがある、と答えています。そうであっても好ましいと感じる人は全世代で45%。世代別にみると10代が76%、70歳以上では27%と世代間で大きな差がついています。好ましくないと思う人が50%を超えているので、多少ホッとしますが。 
     SNSはソーシャル・ネットワーキング・サービスの頭文字をつなげたものであろうことは想像できますが、DXがなぜデジタル・トランスフォーメーションの略なのかよくわかりません。Dがデジタルの頭文字で、次がトランスフォーメーションのTではなくてXなのはどういうわけでしょうか。AEDに至っては謎です。(自分で調べろ、ですね)
     最近の新聞の紙面をざっとながめてもTOB、PFOS、ATP、LRT、PB、DB、OP、DBS日本版、リスキリング、エシカル、ジェンダーギャップ、フレイル、プリフレイル、オーバーツーリズム、インボイス、ステルスマーケティング、ハラスメント、ロードプライシング、リテラシー、レジリエンス、マルウェア、アイデンティティー、ダイバーシティー、ソバーキュリアスと枚挙にいとまがありません。
     何の略か、どういう意味か、と問われると困る言葉ばかりです。文脈からなんとなく、と答えるしかありません。新聞をはじめとして身の回りには略語、和製英語、外来語があふれています。確かに近年どっと日本に入ってきた新しい概念で、日本語訳が追い付いていないものもあるので、仕方がない面もありますが、それにしてもあまりにも多すぎませんか? 立派な日本語があるのにどうして言い換えるのか、理解に苦しむ言葉も多いです。 
     マイナンバーなどは、英語のように聞こえますが、堂々たる和製英語と聞きます。個人番号じゃダメなのでしょうか? それをさらにマイナと略すことに至っては、どうなってラン? お役所は本当にカタカナ語がお好きなようで、10月の祝日も体育の日からスポーツの日に変えてしまいました。これには本当に腹が立ちました。
     外来語が日本語の語彙を豊かにする面があることに異論はありません。でも何でもかんでもカタカナ語にしたがる現代の風潮には、どうにも納得がゆきません。

    2023年10月7日号

  • やってはいけない事を全部やってしまった

    ざわつく電話DE詐欺

    松崎 房子 (元ゆずり葉編集委員)

     すでに1ヵ月以上も経ったのに、未だにザラリとする。
     ショートメールが入った。「電話料金の事でご連絡があります」とある。
    寄りにもよって、家計簿を広げ料金プランを変更した効果は上がっているのか? 疑問を感じていた所だった。思わず連絡先としてある番号に電話してしまった。
     即、折り返しかかってきた番号は東京管区の番号で数字自体もぜんぜん違う。「先程の番号と全然違いますがどういう事でしょうか?」「大丈夫ですよ。担当部署の者がご説明しますので」「そうなんですか?」「お客様が以前に契約された、サイトの料金が1年間未払いになっています。早急に必要料金9万9600円を振り込んでください」「そんな筈はありません。私は未だにスマホに不慣れで、サイトを契約したりは出来ません。した覚えも絶対にありません」「スマホからでなくても、PCからも出来るのです」「なんと言われても契約してはいませんから、お支払いはしません」「たまに誤認契約という事もあるので調べてみます」。
     しばらく時間を置いてまたかかってきた。「やはり誤認契約であることが判りました」「そうでしょう。絶対に契約した覚えが無いもの。ではこれでよろしいですね」「そうですが、当社のシステム上、一応全額御払い頂いて2日後に返金致しますので」「そんなの可笑しいではありませんか。払わなければどうなるのですか? こんな電話自体変じゃありません?」
    気のせいか相手の態度が変わった気がした。「払わなくても一向に構いませんよ。延滞金やら金利やらが加算されて、もっと高額の金額が引き落とされますから…」。あれこれやり取りが続いていい加減参ってしまった。
     前号の村山さんの原稿にあった、カタカナ語・和製英語? アルファベットの並び、しかも短縮? ますます混乱した。その時、自分でも変化が起きた。この金額で済むのなら、振り込んでもう終わりにしたい。高額をタンス預金していらっしゃる方もおいでらしいが、こんな気持ちかな?
    少し前に聞いた妹の対処方法が思い出された。『何が何でも本人にしか渡しません』本人が動けないので代わりの者が行きますから。『場所を教えて下さい。こちらから出向きますから』、事なきを得たとか。
     息子に連絡がついて、やっと件の電話を切った。散々息子に叱られたが、とにもかくにもセーフだった。
     知らない番号には出るな。ショートメールはやたらに開けるな。電話に出てしまったら会話をするな。
     やってはいけない事を全部やってしまった。

    2023年10月14日号

  • ヒダリマキマイマイ

    照井 麻美(津南星空写真部)

     雨が強く降っては止み、また雨が降っては止みと秋の長雨とは少し違った10月を迎えておりますが、森に入ればキノコも旬を迎え、道の駅やお土産店では秋の味覚がずらりと並んでいます。
     この雨に活動的なのは写真の「ヒダリマキマイマイ」です。
     字のごとくヒダリマキのかたつむりですが、左巻きの殻をもった種は少なく、国内で確認できている約6000種のうち、約60種ほどしかいないそうです。
     本州北部に生息し、湿った場所を好み、森林や草原などで見かけられ、大きさは3~5cmほどです。
     雨でぬれた地面や木の幹、夜はキノコに群がっていたりしますが、近年住宅地にも出没し、コンクリートの上に付く藻を食べているようなので、雨の降ったときは家の近くのコンクリート壁や枯れ葉がある湿った場所などを探してぜひ、ヒダリマキマイマイを見つけてみてください。
     ちなみに童謡「かたつむり」で歌われている「でんでんむし」とは、子供たちがかたつむりを突っつくと顔を引っ込める様から「出ん出ん虫(出ない出ない虫)」→でんでん虫になった説が有力だそうです。

    2023年10月14日号

  • 「笑売」で癒す『音鳴り』開店

    〇…ギタリスト・マジシャンの篠塚崇志さん

     『笑売』を理念に掲げ「酒・歌・皆んなの遊び処 音鳴り」を十日町市土市第2にオープンし、半年が過ぎた。経営するのは、ギタリストでマジシャンの「チャーリー篠塚」こと篠塚崇志さん(43)。

    2023年10月14日号

  • 聞き・読み・感じて、投票所へ

     じっくり聞き、読み、感じるべきだろう。津南町議選である。来週17日、告示だ。同時に期日前投票ができる期間が始まる。だが考えてほしい。今回の町議選はこれまでと、その様は大きく異なる。それは今日に至るまでの経過からも言える。現職を含め出馬表明が大幅に遅くなり、いまだ流動的な要素が現在進行形だ。ここはじっくり考え、選択すべきだろう。
     今度の改選期の特徴の一つは、現職多数が再出馬すること、さらに新人女性2人が挑むこと、さらに候補予定者16人のうち70代以上が9人いること、この3点だけでも、これまでにない町議選になっている。70代以上の多数の出馬は、いまの津南町の現状を端的に表している。高齢化率43%余の象徴であると共に、この世代が津南町を支えているマンパワーであるということ。つまり、年代差は際立った判断材料ではないことを物語っている。
     女性の挑戦は注目されがちだが、「ようやく」であり、「やっと」かもしれない現実が、いまの津南町ともいえる。今春の統一地方選で全国の市町村で多くの女性が議席を取り、議会における女性率が各段に上昇している現実があり、その風が津南町でも吹きつつあるのか、とも言える今回の町議選だ。だからこそ、じっくり聞き、読み、感じてほしいと強く思う。
     告示後、選挙広報が発行され、本紙は投票直前の来週21日号で候補者アンケートを掲載する。その質問は『桑原町政の評価と課題』。ここに候補者のスタンス・立脚点がある。今度の町議選の争点が見えてくる。議員に求められる問題意識、その政治センスこそ、いま津南町議会に求められているのではないか。投票を早まることはない。繰り返すが、じっくり聞き、読み、感じて、投票所に行ってほしい。

    2023年10月14日号

  • コメ等級落ち深刻、1等9%台

    十日町・津南共に3等米2400円加算

     高温や干ばつの影響で今年産米の1等比率が1割に満たない状況になっているJA十日町は先月29日、経営管理委員会を開き、生産者からの要望に応え魚沼産コシヒカリの仮渡金を引き上げることを決めた。

    2023年10月7日号

  • 告示までカウントダウン「10」

    女性5人挑む、クオータ制先取り?

    町議選告示まであと10日、カウントダウンは続く。町議選立候補者が必要な選挙資料は、6日現在、町選管によると17部出ており、出馬を決めている候補予定者15人は来週10日の事前審査に向け準備を進めている。

    2023年10月7日号

  • 4農協合併決定 JA魚沼、来年2月

    臨時総代会で同時採決

     『魚沼農協業同組合(JA魚沼)』の誕生が決定した。広域合併を進めてきた魚沼地区4JA(十日町、津南町、北魚沼、越後おぢや)の合併可否を決める臨時総代会は先月30日午前9時から一斉にスタート。「もう少し慎重に進めてほしい。

    2023年10月7日号

  • 女子高生発案、きもの柄トートバッグ

    十日町総合高チームO2

     地元の女子高生発案のきもの活用トートバッグが、十日町市のふるさと納税の返礼品に仲間入りした。十日町総合高(小林皇司校長)はキャリア教育の一環で、ビジネス系列選択の3年生23人は地元企業との連携で新商品開発を模索。5チームに分かれ活動するなかチームO2(オーツー。大津葵来、栗田心晴、半戸こころ、澤野優)はきものブレインと連携。

    2023年10月7日号

  • 初の全国出場に意欲

     『女子』ライバルの十日町南、五泉北など強豪勢を追い抜き、県頂点をめざす下条・女子。力は拮抗しているが「チームワークを高め、県優勝をめざします」と村山紗和主将(3年)。7月の県大会1500㍍で村山主将は十日町管内トップの2位に入り、東日本女子マラソンのメンバーに抜擢されるなど上り調子だ。また渡邊美心都(3年)も7位に入ったほか、根津洋央奈(1年)は先月の十日町長距離カーニバル1500㍍で2位と健闘するなど上位陣の総合力は県勢トップレベルになっている。

    2023年10月7日号

  • お役所はカタカナ語がお好き?

    氾濫するカタカナ・和製英語

    村山 朗 (会社員)

     日頃、新聞やニュースなどで氾濫する外来語やアルファベットの略語を目にするたびに、イラっとしている本紙の読者は少なくないのではないでしょうか。先日の新聞に文化庁の国語世論調査の結果が記事になっていました。それによると、「DX」「SNS」「AED」などの略語に85%の人が、意味が分からず困ることがある、と答えています。そうであっても好ましいと感じる人は全世代で45%。世代別にみると10代が76%、70歳以上では27%と世代間で大きな差がついています。好ましくないと思う人が50%を超えているので、多少ホッとしますが。 
     SNSはソーシャル・ネットワーキング・サービスの頭文字をつなげたものであろうことは想像できますが、DXがなぜデジタル・トランスフォーメーションの略なのかよくわかりません。Dがデジタルの頭文字で、次がトランスフォーメーションのTではなくてXなのはどういうわけでしょうか。AEDに至っては謎です。(自分で調べろ、ですね)
     最近の新聞の紙面をざっとながめてもTOB、PFOS、ATP、LRT、PB、DB、OP、DBS日本版、リスキリング、エシカル、ジェンダーギャップ、フレイル、プリフレイル、オーバーツーリズム、インボイス、ステルスマーケティング、ハラスメント、ロードプライシング、リテラシー、レジリエンス、マルウェア、アイデンティティー、ダイバーシティー、ソバーキュリアスと枚挙にいとまがありません。
     何の略か、どういう意味か、と問われると困る言葉ばかりです。文脈からなんとなく、と答えるしかありません。新聞をはじめとして身の回りには略語、和製英語、外来語があふれています。確かに近年どっと日本に入ってきた新しい概念で、日本語訳が追い付いていないものもあるので、仕方がない面もありますが、それにしてもあまりにも多すぎませんか? 立派な日本語があるのにどうして言い換えるのか、理解に苦しむ言葉も多いです。 
     マイナンバーなどは、英語のように聞こえますが、堂々たる和製英語と聞きます。個人番号じゃダメなのでしょうか? それをさらにマイナと略すことに至っては、どうなってラン? お役所は本当にカタカナ語がお好きなようで、10月の祝日も体育の日からスポーツの日に変えてしまいました。これには本当に腹が立ちました。
     外来語が日本語の語彙を豊かにする面があることに異論はありません。でも何でもかんでもカタカナ語にしたがる現代の風潮には、どうにも納得がゆきません。

    2023年10月7日号