Category

妻有新聞掲載記事一覧

  • 雪上宝探し

    小林 幸一(津南案内人)

     穏やかだった正月も過ぎ、久しぶりの雪がちらつく津南町・割野神社境内で、割野公民館雪上宝さがし大会が賑やかに行われました。雪の多い年は神社の鳥居の下をしゃがんでくぐり参拝することもありましたが、今年は雪が少なく、お宝と引き換えの木札を雪の中に埋めるのも大変です。
     最初は直ぐに見つかり景品と交換しますが、2回目、3回目となるとなかなか見つかりません。最後の木札がなかなか出てこないのでじゃんけん大会で景品を渡して締めくくりました。
     次の子供たちの行事は1月14日の鳥追いです。スゲボウシをかぶり午後4時に割野公民館を出発して集落を回り、かまくらの代わりに公民館でお菓子を食べたりゲームをしたりして過ごします。子供たちに本当のかまくらを体験させてやりたいですが、安全なかまくら作りの伝承も途絶えてきたようです。

    2024年1月13日号

  • 厳寒期の原発事故、もはや…である

     これでもか、と問うているのではないか。原発がいくつも並ぶ能登半島を襲った地震。その近くには世界最大級の柏崎刈羽原発がある。地震発生予測は、その科学的な知見からは「無理」といわれる中で、今回の能登大地震は、まさに予知できないのが「地震」という現実を突きつけた。
     2011年の「3・11」は、地震と津波の被害は大きかったが、この先、将来に渡り大きな痕跡と影響を与えるのは原発事故が誘因の場面が多くを占める。今年、原発立地県の新潟県は大きな局面を迎える。それは「柏崎刈羽原発の再稼働」の是非だ。
     国の原子力規制委員会は年末27日、稼働禁止を解除し、事実上の再稼働へのゴーサインを出した。残るは原発の地元、新潟県の判断。花角知事は「県民に問う」とこれまで一貫して話すが、それが県民投票なのか、知事辞職しての知事選なのか、いまだ示していない。能登半島地震は、その原発再稼働に大きな問いを投げかけている。
     原発への直接的な被害はいまのところ出ていないようだが、今回の活断層地震のすぐそばに原発がある。一帯の活断層マップを見ると、かなり複雑に縦走しており、その先には柏崎刈羽原発がある。この本紙8面に寄稿のドイツ・フランクフルト在住のヴァウアー葉子さんの表現が的を得ている。『日本は原発撤退から撤退した』。ドイツの脱原発による再生可能エネルギー供給率が脱原発後、50%を超える現実は、そこに国を挙げての本気度が見える。
     今冬の小雪は、何を物語るのか。10年ほど前、地球規模の気象予測を研究者が発表した。記憶に残るのは『温暖化の方向は進むが、積雪地域では雪が少ない年と大量に雪が降る年が交互に起きる』。大雪の年はかつての豪雪を上回る雪が降ると予測する。被災地能登は厳寒に襲われている。真冬の原発事故、考える時間は残されていない。

    2024年1月13日号

  • 「まさか元日に」、能登で震度7

    十日町市と栄村震度5弱、津南町震度4

    松之山松口の作業小屋倒壊、栄村横倉で断水も

     元日に地震が襲った。1日午後4時10分頃、石川・能登半島を震源とし、最大震度7を観測するマグニュード7・6の大地震が発生。新潟県では長岡市震度6弱を観測。十日町市と長野県栄村は震度5弱、津南町は震度4を観測。民家などに大きな被害はなかったが、松之山松口の作業小屋が倒壊、栄村横倉地区で断水が発生するなど一部被害が出ている。

    2024年1月6日号

  • 雪国発、新たなアウトドア拠点

    旧貝野小「雪原学舎」9日オープン、冬観光・冬仕事促進

    廃校舎活用

    空校舎を活用し、雪国の新たな冬の魅力発信拠点として関心が高まっている冬季の雪上キャンプ・グランピング施設「雪原学舎」がいよいよ9日にオープンする。2年前に閉校した旧貝野小を改装、教室がグランピング施設、さらに地域住民も利用できるカフェスペースなど用意。中里地域の新たな交流拠点となる。運営するのは、丸山工務所の子会社である「株式会社雪原学舎」。小川新一社長(63)は、貝野小の卒業生のひとり。「使わない学校はどうしても老朽化するなか、母校の再スタートに関わることになった。これまで学校を建設する側だったが、造ってきたものを再生するのも我々の仕事と捉え始まった事業。軌道に乗せたい」と意欲を話す。8日に関口市長らと共にテープカットを行い、一般向け内覧会も行う。

    2024年1月6日号

  • ライドシェア? 自動運転? まだまだ

    どうする地域の「足」

    村山 朗 (会社員)

     飯山線の一部区間の乗客が極端に少なく、廃止の可能性が取りざたされています。筆者は昨夏、一日2本しかない只見線直通列車を半日かけて、始発駅・会津若松から終着駅の小出まで乗車しました。平日でしたが、2両編成の車両はほぼ満員。 
     只見線は景色の良さが知られていますが、絶景と称される場所でも列車から見る視点と外から撮影した景色が全然違うこともありました。まあ、その辺は大目に見るとして(笑)。
     のんびりとした時間が流れ、とてもいい旅でした。飯山線も只見線に劣らず素晴らしい景色が沢山あります。酒蔵もあります。工夫次第でいくらでも全国の乗り鉄、撮り鉄、飲み鉄の皆さんを呼べるのではないでしょうか?
     一方、現実には筆者も旅行にでも出ない限り、普段は鉄道に乗ることはありません。先日の新聞に、日常の交通手段について専門家の調査結果が載っていました。コロナ前の令和元年度の全国輸送人員の27%が鉄道、バスが5%、タクシーが1%、自家用車が67%、それが過疎化の進む四国では鉄道が3%で、バスとタクシーがそれぞれ各1%、全体の94%が自家用車だったそうです。この四国地域の調査結果は、当地域の実態とほぼ一致するのではないでしょうか。地方では自家用車がないと移動が不自由な現実を、数字が物語っています。
     近ごろは高齢者の交通事故が大きく報道されます。実際の事故率は高齢者だからといって特に多いわけではなく、偏見を助長するような報道には一高齢者として怒りを覚えます。マスコミを含め周りから免許を返上しろ、と圧力がかかるわけですね。
     免許を返上した高齢者は運転する同世代の人と比べると、認知症になりやすいという研究報告もあります。自由に外出し行動できるかどうかは、すべての世代で健康の維持に大きくかかわってきます。
     また、新しい交通手段としてライドシェアや車の自動運転があります。ライドシェアとは、自家用車を所有者自身が空き時間を利用して、アプリに登録した乗客を運ぶことを言い、海外ではかなり普及しています。我が国では白タクと呼んで不安視し、業界団体の反対もあってすぐには格安な交通手段にはなりそうにありません。
     自動運転は地方の交通量の少ない地域に馴染みやすいと思いますが、コストと運転精度の問題を克服するにはまだ時間がかかりそうです。
     当地での交通手段は、まだまだ自家用車が一番。自分がいつまで運転できるか、切実な問題です。

    2024年1月6日号

  • 沖ノ原台地と夕日

    照井 麻美(津南星空写真部)

     新年あけましておめでとうございます。
     新年1本目の記事ということで、沖ノ原台地が太陽に照らされまっすぐな台地のシルエットが浮かび上がる一枚を選びました。
     世界有数の豪雪地であるこの地域では、雪が積もり、晴れた冬の日は最高の景色が広がります。
     この辺りで初日の出を見ることはなかなか難しいですが、太陽が山の奥から登り、沖ノ原台地に日が沈んでいくというまた違った味わいの朝を迎えることができるのは住んでいる者の特権と思っています。
     移住5年目を迎え、改めてこの地の素晴らしさに触れ、津南町に住めていることに大変嬉しく思うと同時に移住して間もない頃、心細くなった時に一人散歩に出てこの景色を眺め励まされたことが思い出されます。
     生活に慣れたとはいえ、まだまだ至らぬ点も多いですが、今では多くの方々に支えていただき、楽しく刺激的な毎日を送ることができています。
     壮大な自然をすぐそばに感じるこの地域の暮らしを今年も多くの方に広めていきたいと思っております。
     2024年も皆様にとって良い一年になることをお祈りしております。

    2024年1月6日号

  • 元日の啓示、忘れてはならない

     なんの啓示だろう。元日に発生した能登大地震。2日に起こった、あってはならない航空機同士の衝突事故。惨事は世界を駆け巡り、国連事務総長は「日本の皆さんと同じ」と、新年早々の惨事に思いを寄せている。それにしても、と思ってしまう。なにも新しき年がスタートした元日に…。だが、自然は容赦ない。我々の暮らしへの大きな警鐘ではないのか。
     インターネットの驚異的な発達で、生活の便利さは格段に増し、ぬくぬくと暖かい家で暮し、自ら動くことなく用が足りる、そんな暮らしが当たり前になりつつある。だが、人と人が顔を合わせ、言葉を交わし、思いを感じ合う、そんな日常が激変している今に対し、元日の自然災害は大きな警鐘を鳴らしているのではないか。
     3万人を超える人たちが今も避難生活を強いられる震災の地。あの12年前の中越地震で我々は経験した。いやこの真冬の過酷下ではそれを上回る厳しい避難生活が続くなか、人と人が助け合う姿がそこにある。その啓示を示したのが自然とするなら、あまりにも酷な仕打ちではないか、と思ってしまう。
     妻有も大きな揺れに襲われた。松之山で倉庫倒壊の被害が出ているが、人身的な被害がなかったのは幸いだ。さらにこの小雪、例年のように除雪に追われる日々なら、この地震の受けとめはさらに深刻度を増したことだろう。妻有は長周期振動で大きく揺れた。大量の屋根雪があったなら、家屋倒壊の危険性が高まっただろう。
     今度の大地震は、13年前のあの震災を思い起こさせた。「災害は忘れた頃にやって来る」、いやいや、「忘れなくても必ず来る」。改めて日々の備えの必要性を痛感した能登大地震だ。
     2024年がスタートした。いきなりの自然の教え、我々は試されていることを忘れてはならない。自然は時に容赦ないが、その啓示は大きい。

    2024年1月6日号

  • 「市民総意、知事に伝える」

    原子力規制委27日禁止解除へ、柏崎刈羽原発

    十日町市・関口市長

     いっきに再稼働に向け動き出した。原子力規制委員会は20日、東京電力・柏崎刈羽原子力発電所の事実上の運転禁止命令を今月27日に解除する方針を決めた。これにより再稼働は地元の新潟県の同意が焦点に。花角英世知事は県民の意見を聞き判断する姿勢を示し、12月県議会で「信を問うのが責任の取り方としてもっとも明確であり重い方法と考えている」としている。一方、UPZ圏域(半径30㌔圏内)に下条地区や川西・松代地域の一部が入り、約5700人が住む十日町市。関口市長は18日の定例会見で「市民の皆さんの代表として、十日町市としての意見を述べる。決定権者は県知事と認識。十日町市民の意見をまず知事にお伝えする」と市民意見を集約し意見を伝える方針を示した。

    2023年12月23日号

  • 「本当にやる気あるの?」

    12月再開の明石の湯

    年末年始9連休、かき入れ時なのに…

     「やる気があるの?」、そんな声が聞こえている。『温浴施設か美術館か』と揉めにもめ、施設を改修してようやく今月2日に市の直営として再開した明石の湯だったが、年末年始の休館日が今月26日から来年1月3日までの9連休となる。帰省客が大幅に増える年末年始は温泉施設にとって『かき入れ時』のはずが、まさかの9日間の休館。利用者からは「正にお役所仕事。お客はどうでもいいということじゃないか」と厳しい声が出ている。

    2023年12月23日号

  • 探究学習、県教委が注目

    優秀教職員表彰

    津南中等プロジェクトチーム受賞

     中高一貫6年間の継続課程で長期視点の人材育成を図っている県立津南中等教育学校(関口和之校長、353人)。同校の特色となっているのが地域を学び、課題解決策を考える探究学習『津南 妻有学』。その活動を支える教職員チーム「探究学習プロジェクトチーム(探究学習委員会・8人)が今期の「新潟県優秀教職員表彰(組織)」をこのほど受けた。

    2023年12月23日号

  • 雪上宝探し

    小林 幸一(津南案内人)

     穏やかだった正月も過ぎ、久しぶりの雪がちらつく津南町・割野神社境内で、割野公民館雪上宝さがし大会が賑やかに行われました。雪の多い年は神社の鳥居の下をしゃがんでくぐり参拝することもありましたが、今年は雪が少なく、お宝と引き換えの木札を雪の中に埋めるのも大変です。
     最初は直ぐに見つかり景品と交換しますが、2回目、3回目となるとなかなか見つかりません。最後の木札がなかなか出てこないのでじゃんけん大会で景品を渡して締めくくりました。
     次の子供たちの行事は1月14日の鳥追いです。スゲボウシをかぶり午後4時に割野公民館を出発して集落を回り、かまくらの代わりに公民館でお菓子を食べたりゲームをしたりして過ごします。子供たちに本当のかまくらを体験させてやりたいですが、安全なかまくら作りの伝承も途絶えてきたようです。

    2024年1月13日号

  • 厳寒期の原発事故、もはや…である

     これでもか、と問うているのではないか。原発がいくつも並ぶ能登半島を襲った地震。その近くには世界最大級の柏崎刈羽原発がある。地震発生予測は、その科学的な知見からは「無理」といわれる中で、今回の能登大地震は、まさに予知できないのが「地震」という現実を突きつけた。
     2011年の「3・11」は、地震と津波の被害は大きかったが、この先、将来に渡り大きな痕跡と影響を与えるのは原発事故が誘因の場面が多くを占める。今年、原発立地県の新潟県は大きな局面を迎える。それは「柏崎刈羽原発の再稼働」の是非だ。
     国の原子力規制委員会は年末27日、稼働禁止を解除し、事実上の再稼働へのゴーサインを出した。残るは原発の地元、新潟県の判断。花角知事は「県民に問う」とこれまで一貫して話すが、それが県民投票なのか、知事辞職しての知事選なのか、いまだ示していない。能登半島地震は、その原発再稼働に大きな問いを投げかけている。
     原発への直接的な被害はいまのところ出ていないようだが、今回の活断層地震のすぐそばに原発がある。一帯の活断層マップを見ると、かなり複雑に縦走しており、その先には柏崎刈羽原発がある。この本紙8面に寄稿のドイツ・フランクフルト在住のヴァウアー葉子さんの表現が的を得ている。『日本は原発撤退から撤退した』。ドイツの脱原発による再生可能エネルギー供給率が脱原発後、50%を超える現実は、そこに国を挙げての本気度が見える。
     今冬の小雪は、何を物語るのか。10年ほど前、地球規模の気象予測を研究者が発表した。記憶に残るのは『温暖化の方向は進むが、積雪地域では雪が少ない年と大量に雪が降る年が交互に起きる』。大雪の年はかつての豪雪を上回る雪が降ると予測する。被災地能登は厳寒に襲われている。真冬の原発事故、考える時間は残されていない。

    2024年1月13日号

  • 「まさか元日に」、能登で震度7

    十日町市と栄村震度5弱、津南町震度4

    松之山松口の作業小屋倒壊、栄村横倉で断水も

     元日に地震が襲った。1日午後4時10分頃、石川・能登半島を震源とし、最大震度7を観測するマグニュード7・6の大地震が発生。新潟県では長岡市震度6弱を観測。十日町市と長野県栄村は震度5弱、津南町は震度4を観測。民家などに大きな被害はなかったが、松之山松口の作業小屋が倒壊、栄村横倉地区で断水が発生するなど一部被害が出ている。

    2024年1月6日号

  • 雪国発、新たなアウトドア拠点

    旧貝野小「雪原学舎」9日オープン、冬観光・冬仕事促進

    廃校舎活用

    空校舎を活用し、雪国の新たな冬の魅力発信拠点として関心が高まっている冬季の雪上キャンプ・グランピング施設「雪原学舎」がいよいよ9日にオープンする。2年前に閉校した旧貝野小を改装、教室がグランピング施設、さらに地域住民も利用できるカフェスペースなど用意。中里地域の新たな交流拠点となる。運営するのは、丸山工務所の子会社である「株式会社雪原学舎」。小川新一社長(63)は、貝野小の卒業生のひとり。「使わない学校はどうしても老朽化するなか、母校の再スタートに関わることになった。これまで学校を建設する側だったが、造ってきたものを再生するのも我々の仕事と捉え始まった事業。軌道に乗せたい」と意欲を話す。8日に関口市長らと共にテープカットを行い、一般向け内覧会も行う。

    2024年1月6日号

  • ライドシェア? 自動運転? まだまだ

    どうする地域の「足」

    村山 朗 (会社員)

     飯山線の一部区間の乗客が極端に少なく、廃止の可能性が取りざたされています。筆者は昨夏、一日2本しかない只見線直通列車を半日かけて、始発駅・会津若松から終着駅の小出まで乗車しました。平日でしたが、2両編成の車両はほぼ満員。 
     只見線は景色の良さが知られていますが、絶景と称される場所でも列車から見る視点と外から撮影した景色が全然違うこともありました。まあ、その辺は大目に見るとして(笑)。
     のんびりとした時間が流れ、とてもいい旅でした。飯山線も只見線に劣らず素晴らしい景色が沢山あります。酒蔵もあります。工夫次第でいくらでも全国の乗り鉄、撮り鉄、飲み鉄の皆さんを呼べるのではないでしょうか?
     一方、現実には筆者も旅行にでも出ない限り、普段は鉄道に乗ることはありません。先日の新聞に、日常の交通手段について専門家の調査結果が載っていました。コロナ前の令和元年度の全国輸送人員の27%が鉄道、バスが5%、タクシーが1%、自家用車が67%、それが過疎化の進む四国では鉄道が3%で、バスとタクシーがそれぞれ各1%、全体の94%が自家用車だったそうです。この四国地域の調査結果は、当地域の実態とほぼ一致するのではないでしょうか。地方では自家用車がないと移動が不自由な現実を、数字が物語っています。
     近ごろは高齢者の交通事故が大きく報道されます。実際の事故率は高齢者だからといって特に多いわけではなく、偏見を助長するような報道には一高齢者として怒りを覚えます。マスコミを含め周りから免許を返上しろ、と圧力がかかるわけですね。
     免許を返上した高齢者は運転する同世代の人と比べると、認知症になりやすいという研究報告もあります。自由に外出し行動できるかどうかは、すべての世代で健康の維持に大きくかかわってきます。
     また、新しい交通手段としてライドシェアや車の自動運転があります。ライドシェアとは、自家用車を所有者自身が空き時間を利用して、アプリに登録した乗客を運ぶことを言い、海外ではかなり普及しています。我が国では白タクと呼んで不安視し、業界団体の反対もあってすぐには格安な交通手段にはなりそうにありません。
     自動運転は地方の交通量の少ない地域に馴染みやすいと思いますが、コストと運転精度の問題を克服するにはまだ時間がかかりそうです。
     当地での交通手段は、まだまだ自家用車が一番。自分がいつまで運転できるか、切実な問題です。

    2024年1月6日号

  • 沖ノ原台地と夕日

    照井 麻美(津南星空写真部)

     新年あけましておめでとうございます。
     新年1本目の記事ということで、沖ノ原台地が太陽に照らされまっすぐな台地のシルエットが浮かび上がる一枚を選びました。
     世界有数の豪雪地であるこの地域では、雪が積もり、晴れた冬の日は最高の景色が広がります。
     この辺りで初日の出を見ることはなかなか難しいですが、太陽が山の奥から登り、沖ノ原台地に日が沈んでいくというまた違った味わいの朝を迎えることができるのは住んでいる者の特権と思っています。
     移住5年目を迎え、改めてこの地の素晴らしさに触れ、津南町に住めていることに大変嬉しく思うと同時に移住して間もない頃、心細くなった時に一人散歩に出てこの景色を眺め励まされたことが思い出されます。
     生活に慣れたとはいえ、まだまだ至らぬ点も多いですが、今では多くの方々に支えていただき、楽しく刺激的な毎日を送ることができています。
     壮大な自然をすぐそばに感じるこの地域の暮らしを今年も多くの方に広めていきたいと思っております。
     2024年も皆様にとって良い一年になることをお祈りしております。

    2024年1月6日号

  • 元日の啓示、忘れてはならない

     なんの啓示だろう。元日に発生した能登大地震。2日に起こった、あってはならない航空機同士の衝突事故。惨事は世界を駆け巡り、国連事務総長は「日本の皆さんと同じ」と、新年早々の惨事に思いを寄せている。それにしても、と思ってしまう。なにも新しき年がスタートした元日に…。だが、自然は容赦ない。我々の暮らしへの大きな警鐘ではないのか。
     インターネットの驚異的な発達で、生活の便利さは格段に増し、ぬくぬくと暖かい家で暮し、自ら動くことなく用が足りる、そんな暮らしが当たり前になりつつある。だが、人と人が顔を合わせ、言葉を交わし、思いを感じ合う、そんな日常が激変している今に対し、元日の自然災害は大きな警鐘を鳴らしているのではないか。
     3万人を超える人たちが今も避難生活を強いられる震災の地。あの12年前の中越地震で我々は経験した。いやこの真冬の過酷下ではそれを上回る厳しい避難生活が続くなか、人と人が助け合う姿がそこにある。その啓示を示したのが自然とするなら、あまりにも酷な仕打ちではないか、と思ってしまう。
     妻有も大きな揺れに襲われた。松之山で倉庫倒壊の被害が出ているが、人身的な被害がなかったのは幸いだ。さらにこの小雪、例年のように除雪に追われる日々なら、この地震の受けとめはさらに深刻度を増したことだろう。妻有は長周期振動で大きく揺れた。大量の屋根雪があったなら、家屋倒壊の危険性が高まっただろう。
     今度の大地震は、13年前のあの震災を思い起こさせた。「災害は忘れた頃にやって来る」、いやいや、「忘れなくても必ず来る」。改めて日々の備えの必要性を痛感した能登大地震だ。
     2024年がスタートした。いきなりの自然の教え、我々は試されていることを忘れてはならない。自然は時に容赦ないが、その啓示は大きい。

    2024年1月6日号

  • 「市民総意、知事に伝える」

    原子力規制委27日禁止解除へ、柏崎刈羽原発

    十日町市・関口市長

     いっきに再稼働に向け動き出した。原子力規制委員会は20日、東京電力・柏崎刈羽原子力発電所の事実上の運転禁止命令を今月27日に解除する方針を決めた。これにより再稼働は地元の新潟県の同意が焦点に。花角英世知事は県民の意見を聞き判断する姿勢を示し、12月県議会で「信を問うのが責任の取り方としてもっとも明確であり重い方法と考えている」としている。一方、UPZ圏域(半径30㌔圏内)に下条地区や川西・松代地域の一部が入り、約5700人が住む十日町市。関口市長は18日の定例会見で「市民の皆さんの代表として、十日町市としての意見を述べる。決定権者は県知事と認識。十日町市民の意見をまず知事にお伝えする」と市民意見を集約し意見を伝える方針を示した。

    2023年12月23日号

  • 「本当にやる気あるの?」

    12月再開の明石の湯

    年末年始9連休、かき入れ時なのに…

     「やる気があるの?」、そんな声が聞こえている。『温浴施設か美術館か』と揉めにもめ、施設を改修してようやく今月2日に市の直営として再開した明石の湯だったが、年末年始の休館日が今月26日から来年1月3日までの9連休となる。帰省客が大幅に増える年末年始は温泉施設にとって『かき入れ時』のはずが、まさかの9日間の休館。利用者からは「正にお役所仕事。お客はどうでもいいということじゃないか」と厳しい声が出ている。

    2023年12月23日号

  • 探究学習、県教委が注目

    優秀教職員表彰

    津南中等プロジェクトチーム受賞

     中高一貫6年間の継続課程で長期視点の人材育成を図っている県立津南中等教育学校(関口和之校長、353人)。同校の特色となっているのが地域を学び、課題解決策を考える探究学習『津南 妻有学』。その活動を支える教職員チーム「探究学習プロジェクトチーム(探究学習委員会・8人)が今期の「新潟県優秀教職員表彰(組織)」をこのほど受けた。

    2023年12月23日号