同時選となった十日町市の市長選・市議選。有権者は何を選択したのか。
そのメッセージの一端が市議選に表れている。その一つが共産3議席維持。定数5人減の改選定数19で臨んだ市議選。6人超過の25人が出馬し、まさに「予断を許さない」情勢で投票日になだれ込み、結果はご覧の通り。その市民メッセージのもう一つは市職員を辞して出馬した元職員の上位当選。その得票に市議選候補の各選対は、選管発表に驚きの声を上げた。ここにも市民メッセージが読み取れる。
告示1ヵ月余前の「切羽詰まった出馬表明」となった市長選。その1ヵ月前、新年度予算を異例とも取れる骨格予算編成し、進退を示さずに時間だけが過ぎ、何かに押し出されるように5選出馬を表明した現職。「私でいいのか」が、まさに市長選争点となったが、市民は市政刷新より、5選を選んだ。
だが、市議選の結果は、市長選に対するメッセージが含まれているのではないか。なぜ骨格予算だったのか、多選に弊害はないのか、進退表明をあいまいに時間浪費した責任はないのか、1ヵ月前の表明はシナリオ通りだったのではないか…。市議選の結果から読み取れる市民の疑問が浮かんでくる。
選挙戦最終日、関口選対は本町通りで最後の街宣をした。熱を帯び、言葉に力を込め、「この関口にやらせてください」と、掲げる政策の言葉の後に、必ずこのフレーズを入れていた関口市長。あの時、熱弁の温度が上がるにつれ、集まった聴衆からは、冷めた雰囲気が広がり漂った印象だ。それは、「これだけの熱があるなら、なぜもっと早く5選出馬を表明しなかったのか」。市民・有権者はよく見ている。
5期、全うすると20年だ。「仕上げの任期」は、市長個人の感慨。市民生活は継続している。選挙戦最終日、多くの取り組む事業を掲げた。この選挙公約、市民はしっかり見ている。
2025年5月3日号
当 1630票 滝澤青葉 43 無新
当 1570票 水落静子 65 無現②
当 1503票 村山達也 55 無現③
当 1501票 俵山裕 49 無新
当 1383票 野沢浩平 64 公新
当 1356票 遠田延雄 76 無現④
当 1303票 大嶋由紀子 52 無現③
当 1263票 福崎哲也 52 無現③
当 1259票 鈴木一郎 73 無現⑦
当 1242票 市川直子 59 無新
当 1174票 山家悠平 38 無現①
当 1129票 富井春美 69 共現①
当 1100票 滝沢繁 70 共現②
当 1078票 星名大輔 40 無現②
当 1053票 富井高志 60 無現②
当 923票 小林正夫 77 立現➅
当 918票 樋口富行 74 共新
当 893票 中林寛暁 51 無現①
当 891票 根津年夫 57 無現②
次点 855票 滝沢貞親 65 無現①
727票 岡村一彦 63 無新
721票 山口康司 73 無現②
600票 嶋村真友子 45 無現①
481票 村山進一 75 無新
470票 鈴木祐一 59 無現①
有権者数 40,463人
当日投票者数 27,514人
投票率 68.00%(前回67.24%)
十日町市長選はきょう4月27日投票。
現職の関口芳史市長が、樋口明弘氏を破り5選を決めた。
【十日町市長選結果】
当 18570票 関口芳史 無現④ (66)5選
7886 票 樋口明弘 無新 (77)
当日有権者数 40,463人
投票者数 27,519人
投票率 68.01%(前回67・25%)
3度目の挑戦が実るか、在職16年の5選か―。任期満了(4月30日) に伴う十日町市長選は20日告示。
2025年4月26日号
「自分の能力を信じて抱く誇り」と言葉解説にある『矜持』。新潟県議会の矜持とは、なんだったのか。いやいや、そもそも矜持はあったのか。県民代表の気概を抱くなら、その矜持を示すべきだった。だが、原発県民投票の条例制定議案を事もなく否決した新潟県議会。そこに矜持は感じない。否決誘因の花角知事の県議会前の発言、がっかりした県民は多い。『二者択一では把握できない』、原発問題を国策と一蹴した12年前の県議会論議と通底する論点であり、原発所在県の新潟県トップは民意から逃げた。意向調査は「意識の分断」を招くだけだ。いや、それが狙いなのか。さて第二幕はあるのか。
第一幕の県民投票は、花角知事が本番ステージに登場する前演だった。「信を問う」と公言する知事が再稼働賛否を出す前に、県民投票で県民の総意を示し、知事の判断材料にする、そんなシナリオの県民投票実現だった。だが、主役の知事登場前に、自らステージ袖から「二者択一はなじまない」と小声ながら、それがスピーカー効果を生み、同時進行の別ステージの県民投票条例制定の舞台に流れ、県民代表を自負する県議、自民県議の数の力で、ステージに上がる前に退けられた、これが第一幕の顛末だろう。
『信を問う』。幾度となく口にした花角知事のこの言葉。県民投票条例否決で、この言葉の前に「知事選で」が付くことが明確になってきた。次なる関心は知事選の時期である。今夏の参院選との同時選とする見方が有力だったが、県民条例否決後、来年7月の任期満了説が有力視される事態になっている。あと1年余、この間に国は様々な手法と言葉で「再稼働合意づくり」に向け、あの手、この手を打って来るだろう。アメとムチで。
さて第二幕は、どう幕開きするのか。
世界最大級の原発の存在賛否を自ら決める、これが新潟県民の矜持だろう。
2025年4月26日号
同時選となった十日町市の市長選・市議選。有権者は何を選択したのか。
そのメッセージの一端が市議選に表れている。その一つが共産3議席維持。定数5人減の改選定数19で臨んだ市議選。6人超過の25人が出馬し、まさに「予断を許さない」情勢で投票日になだれ込み、結果はご覧の通り。その市民メッセージのもう一つは市職員を辞して出馬した元職員の上位当選。その得票に市議選候補の各選対は、選管発表に驚きの声を上げた。ここにも市民メッセージが読み取れる。
告示1ヵ月余前の「切羽詰まった出馬表明」となった市長選。その1ヵ月前、新年度予算を異例とも取れる骨格予算編成し、進退を示さずに時間だけが過ぎ、何かに押し出されるように5選出馬を表明した現職。「私でいいのか」が、まさに市長選争点となったが、市民は市政刷新より、5選を選んだ。
だが、市議選の結果は、市長選に対するメッセージが含まれているのではないか。なぜ骨格予算だったのか、多選に弊害はないのか、進退表明をあいまいに時間浪費した責任はないのか、1ヵ月前の表明はシナリオ通りだったのではないか…。市議選の結果から読み取れる市民の疑問が浮かんでくる。
選挙戦最終日、関口選対は本町通りで最後の街宣をした。熱を帯び、言葉に力を込め、「この関口にやらせてください」と、掲げる政策の言葉の後に、必ずこのフレーズを入れていた関口市長。あの時、熱弁の温度が上がるにつれ、集まった聴衆からは、冷めた雰囲気が広がり漂った印象だ。それは、「これだけの熱があるなら、なぜもっと早く5選出馬を表明しなかったのか」。市民・有権者はよく見ている。
5期、全うすると20年だ。「仕上げの任期」は、市長個人の感慨。市民生活は継続している。選挙戦最終日、多くの取り組む事業を掲げた。この選挙公約、市民はしっかり見ている。
2025年5月3日号
当 1630票 滝澤青葉 43 無新
当 1570票 水落静子 65 無現②
当 1503票 村山達也 55 無現③
当 1501票 俵山裕 49 無新
当 1383票 野沢浩平 64 公新
当 1356票 遠田延雄 76 無現④
当 1303票 大嶋由紀子 52 無現③
当 1263票 福崎哲也 52 無現③
当 1259票 鈴木一郎 73 無現⑦
当 1242票 市川直子 59 無新
当 1174票 山家悠平 38 無現①
当 1129票 富井春美 69 共現①
当 1100票 滝沢繁 70 共現②
当 1078票 星名大輔 40 無現②
当 1053票 富井高志 60 無現②
当 923票 小林正夫 77 立現➅
当 918票 樋口富行 74 共新
当 893票 中林寛暁 51 無現①
当 891票 根津年夫 57 無現②
次点 855票 滝沢貞親 65 無現①
727票 岡村一彦 63 無新
721票 山口康司 73 無現②
600票 嶋村真友子 45 無現①
481票 村山進一 75 無新
470票 鈴木祐一 59 無現①
有権者数 40,463人
当日投票者数 27,514人
投票率 68.00%(前回67.24%)
十日町市長選はきょう4月27日投票。
現職の関口芳史市長が、樋口明弘氏を破り5選を決めた。
【十日町市長選結果】
当 18570票 関口芳史 無現④ (66)5選
7886 票 樋口明弘 無新 (77)
当日有権者数 40,463人
投票者数 27,519人
投票率 68.01%(前回67・25%)
3度目の挑戦が実るか、在職16年の5選か―。任期満了(4月30日) に伴う十日町市長選は20日告示。
2025年4月26日号
「自分の能力を信じて抱く誇り」と言葉解説にある『矜持』。新潟県議会の矜持とは、なんだったのか。いやいや、そもそも矜持はあったのか。県民代表の気概を抱くなら、その矜持を示すべきだった。だが、原発県民投票の条例制定議案を事もなく否決した新潟県議会。そこに矜持は感じない。否決誘因の花角知事の県議会前の発言、がっかりした県民は多い。『二者択一では把握できない』、原発問題を国策と一蹴した12年前の県議会論議と通底する論点であり、原発所在県の新潟県トップは民意から逃げた。意向調査は「意識の分断」を招くだけだ。いや、それが狙いなのか。さて第二幕はあるのか。
第一幕の県民投票は、花角知事が本番ステージに登場する前演だった。「信を問う」と公言する知事が再稼働賛否を出す前に、県民投票で県民の総意を示し、知事の判断材料にする、そんなシナリオの県民投票実現だった。だが、主役の知事登場前に、自らステージ袖から「二者択一はなじまない」と小声ながら、それがスピーカー効果を生み、同時進行の別ステージの県民投票条例制定の舞台に流れ、県民代表を自負する県議、自民県議の数の力で、ステージに上がる前に退けられた、これが第一幕の顛末だろう。
『信を問う』。幾度となく口にした花角知事のこの言葉。県民投票条例否決で、この言葉の前に「知事選で」が付くことが明確になってきた。次なる関心は知事選の時期である。今夏の参院選との同時選とする見方が有力だったが、県民条例否決後、来年7月の任期満了説が有力視される事態になっている。あと1年余、この間に国は様々な手法と言葉で「再稼働合意づくり」に向け、あの手、この手を打って来るだろう。アメとムチで。
さて第二幕は、どう幕開きするのか。
世界最大級の原発の存在賛否を自ら決める、これが新潟県民の矜持だろう。
2025年4月26日号