Category

妻有新聞掲載記事一覧

  • やっかみと祝福受ける

    松之山 奇祭「むこ投げ」

    妻有地域出身者が伴侶の2組が

     降りしきる雪のなか、ムコ殿が宙に舞った。集落の娘をよそに取られたやっかみと祝福を込めて始まった松之山の奇祭「むこ投げ」。今年も小正月15日に松之山温泉で行い、鎮守の薬師堂前の崖からふたりのムコ殿が5㍍余の崖下に勢いよく放り投げられた。積雪は2㍍余でふかふかの新雪にまみれながら、愛妻の元に転がり落ちていった。今回は昨年入籍した一般公募2組。東京都在住の早川元さん(27)・愛さん(23、十日町市北新田出身)夫妻と、神奈川県在住の福原圭杜さん(31、津南町外丸出身)・渚未さん(32)夫妻が参加した。

    2025年1月18日号

  • その時々、声掛けが

    大津 富士夫さん(1964年生まれ)

     これまでの人生の歩みの節目、節目に人との出会いがあり、声掛けがあり、事態が良い方向に流れた。20代の時。特に信仰心が強かったわけではなかったが、友人に誘われて行ったある宗教の集会。

    2025年1月18日号

  • 「自律社会」の次に来る「自然社会」とは

    2025年の予測

    清水 裕理 (経済地理学博士)

     早いもので2025年(令和7年)が幕を開けてから半月がたちました。
     年初には様々な方々や専門家が、その年の予測をします。そのなかで、『S I N I C(サイニック、Seed-Innovation to Need-Impetus Cyclic Evolution)理論が描く未来』が、注目を集めています。
     これは、京都に本社がある血圧計で有名なオムロンの創業者が1970年に提唱したもので、そこでの予測が当たり続けていると言われています。S I N I C理論は約50年前に考えられたものですが、2025年に新しい社会が始まると予測しているのです。
     ちなみに、これまで、2005年から2024年の20年間は「最適化社会」、その前の1974年から2004年は「情報化社会」が来ると予測して的中させました。そして、2025年からの「自律社会」、さらに2033年からの「自然社会」を予測しています。
     「自律社会」では、世の中の価値観が、これまでの利便性や快適性、分業化といったものから大きく変化し、心の豊かさを求め、自立した個が相互に支えあう社会へ移行するとしています。そこでは、個の心とそのつながりにより、新しいものが創造される、としています。
     『いま大きな転換期を迎えている』という感覚を持っていらっしゃる方々は多いと思います。そのためか、最近、『グレート・リセット』などという言葉を耳にするようになりました。
     ただ、そのような大きな変化が、今年からすでに始まっているのかというと、まだ早いように思うのですが、大学で20歳前後の若者を見ていると、若者の行動というのはこれからの時代をすでに体現しているのでしょうか、利便性を重視するより、個の心を大切にしているように見受けられます。
     「自律社会」の次に来るとされている「自然社会」は、一段高いレベルに発展を遂げた、ハイパー原始社会とのことですが、さすがにそこまで想像が追いつきません。とはいえ、それも8年後の2033年から始まると予測されており、もしそうだとしたら、これから何が起こるのだろう…と思ってしまいます。
     映画の中だけでの話だろうと思っていたパンデミックが実際に起き、それにより多くの人々の意識が変わったことを考えると、何が起きるかは分からないような気もします。
     そのようなことを思う2025年の始まりでした。

    2025年1月18日号

  • 厳冬の一番滝

    小林 幸一(津南案内人)

     見玉不動尊に初詣を兼ねて新年初撮影に出かけました。境内は雪に覆われ滝の音だけが響き渡ります。雪を踏みしめ7段の滝の一番滝を拝み、今年も素敵な発見と出逢い、そして良い写真が撮れることを祈りました。

    2025年1月18日号

  • 遅い初夢、正夢になるか…

     ハローワークに行ったら、こんな求人があった。「十日間市議会議員募集、月額報酬34万円、年間報酬500万円超、年4回の定例市議会、ほかに臨時議会、委員会活動など。募集締切4月20日午後5時、応募資格25歳以上」。いよいよそういう時代になったか…しげしげと募集資料を見ていると誰かが肩を叩いてきた、振り返ると、そこには…。そこで目が覚めた。かなり遅い初夢だった。
     今春、その十日町市議選がある。任期満了は4月30日。その前週4月20日告示、27日投票だ。12月14日号の「十日町市の時計が止まっている」には多くの声を頂いた。いやいや、そもそも「時計が狂っている」との声も届き、今春同時選となる市長選、市議選が始まっている証左と受け止めた。
     その市議選、なかなか動きがない。ということは現職の多くが再出馬することでもある。今期限りで引退する現職はこれまでに3人、と言われているが、確実な退任表明は副議長・宮沢幸子氏だけ。巷間、飛び交う情報と本人確認が取れている引退現職は他に2人だけ。他の現職は「再出馬」のようだ。一方の新人。これまでに3人が表明し、新たに2人の具体名が巷間で飛び交っている。だが、女性の名は聞かれない。
     現定数24、それを5人削減し、改選定数は19。このまま現職再出馬、新人擁立となれば、稀に見る激戦市議選となる様相だ。さらに3月市議会で議員報酬改定が可決すれば、月額報酬34万円となり、年報酬は500万円を超える。県内では低賃金地域で知られる十日町地域で、この500万円は決して少ない額ではないだろう。
     初夢の妄想は、一笑できない現実がそこにある。失業中のあなた、転職を考えているあなた、Uターンを考えているあなた、女性をもっと市議会へと思うあなた、「市議業のすすめ」だ。手を上げるチャンスが目の前にある。

    2025年1月18日号

  • キミのなまえは世界一大募集!

    オンライン取材も可能!

    2025年1月11日号

  • 柏崎刈羽原発再稼働・県民投票

    思い「14万筆超」、県議会動向に関心

    十日町市7315筆、津南町1795筆、目標達成率県トップクラス

     世界最大級の東京電力・柏崎刈羽原発(2012年から運転停止)の6、7号機再稼働の動きが加速するなか、「再稼働判断に県民の明確な意思表示を」と全県で行っている県民運動「柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会」。県民投票条例制定を県議会に直接請求するのに必要な「署名3万6400人」を上回り、現在33市区町村で「14万筆」を突破している。目標の20万筆には届いていないが、同じ条例制定を求めた13年前の約6万8千人署名を大きく上回り、県議会の判断が注目される。妻有地域では独自目標『署名1万人』を掲げ、両市町署名は『9110人』(達成率91%)で、内訳は十日町市『7315人』(同86%)、津南町『1795人』(同121%)で、独自目標に対しての達成率は県内トップクラス。「原発再稼働に自分の意思を反映させたい住民の思いの表れ」と関係者はみる。署名は柏崎市、刈羽村、南魚沼市、魚沼市の4市村が継続中で、来月1日までに終了。署名は各市町村選挙管理委員会の審査を受け、3月18~19日に県に署名簿を提出。4月7~8日に臨時県議会に図る見込みだ。

    2025年1月11日号

  • 食べる楽しさを ごっつお探求会

    煮なますや米粉ピザ

     〇…郷土の味を知り、さらに子どもたちにも調理体験を通し食べるものを作る喜びを知って貰おうと昨年から始まった「妻有のごっつぉ~探求会」(南雲留里子代表)。農村地域生活アドバイザーで、郷土料理集『昔なつかし 津南のごっつぉ』(2010年刊)発刊にも携わった阿部和子さん(69、美穂)を講師に食探求会を継続。第3回は先月21日に町総合センターで開き、阿部さんが作った煮なます、奈良漬など試食。子どもたちは米粉ピザづくりに挑戦するなどし、料理交流した。

    2025年1月11日号

  • 「生きるとは…」、支えます

    寒河江 健さん(1986年生まれ)

     「自分は何をしたいのか…、生きるとは…」、その自問自答から見出し、進んだ思想や哲学、心理学の分野。

    2025年1月11日号

  • 水は飲むと2分で全身を巡ります

    「のどが渇いた」、すでに水分量2%不足

    Vol 112

     例年、年末年始で帰省してくる人が持って来るといわれているインフルエンザが12月になるや否や大流行となり、年末からは新型コロナ感染症が流行中です。皆さん元気に新年をお迎えでしょうか。明けましておめでとうございます。新年第1回目の今日のお話は「潤いと健康」についてです。
     実は私、エアコンの風が苦手。冷房も暖房もどちらもです。最近の良いエアコンは「快適設定」なんていう素敵なAIモードがあって、そのときどきで過ごしやすい温度や湿度に保ってくれるようですが、どうもエアコンをつけっぱなしにしておくと空気が乾燥しすぎて、すぐにのどの痛みに繋がって風邪を引いてしまうのです。
     成人の体の55~60%は水分で出来ています。水分不足になるとからだにさまざまな不調の症状が出てきます。鼻やのどの粘膜の乾燥が起こると、粘液が少なくなり、粘膜の表面で、異物を吐き出すほうきのような役割の線毛の動きが弱くなってしまうため、ウィルスや細菌がうまく体の外に排出できず風邪を引きやすくなるといわれています。
     私は小さい頃から慢性鼻炎のために口呼吸がクセになってしまっていること、年齢的にもややドライマウスの傾向があるので、特に気をつけてのどを守っていかないとのどの粘膜を傷つけて風邪を引いてしまいます。どうしてもエアコンをつけっぱなしにしないといけないような状況では、寝る時でもなるべくマスクをして加湿に心がけます。
     つまり、風邪を引きたくなければ、まずは粘膜を強くする食べ物(コラーゲンを含むもの)を積極的にとり、そしてこまめに水分補給をして粘膜を潤わせておくことが大事というわけです。
     冬は汗をかかないため、なんとなく水分をとることをおろそかにしてしまいがち。でも、厚着のために思ったより汗をかいていたり、常に暖房の効いた環境に身を置いていることが多いので、案外脱水している人が多いように思います。「のどが渇いた」と感じたときには、すでに必要な体内の水分量が2%も不足している状況と知っていてくださいね。
     また、1日に飲み物から取ってほしい水分量は「体重×40~50㎖」といわれています。特に高齢の方の水分不足は免疫力の低下だけでなく、脳細胞の機能を落とし、認知能力が低下することや情緒不安定につながったり、最悪の場合、血液が濃くなって固まりやすくなることで血管の中で血栓を作り、脳梗塞や心筋梗塞につながり命に関わる事態を引き起こす可能性があります。できたら寝る前と起床時には水分を取っていただきたいものです。
     水は飲むと2分で全身を巡ります。トイレに行ったらその分の水を少し口に含んでもらうと良いのかな、と思っています。ペットボトルなどをベッドわきに用意しておくのが良いかもしれませんね。ただし、ペットボトルの中身は、お茶などの利尿がつく飲み物ではなく「水」をご用意くださいね。
     そうはいっても寝る前に水分を取ると夜中にトイレに何度も行くようになって困る、という方は、投薬治療や座って治す器械などもあります。ぜひお気軽にご相談くださいね。(たかき医院・仲栄美子院長)

    2025年1月11日号

  • やっかみと祝福受ける

    松之山 奇祭「むこ投げ」

    妻有地域出身者が伴侶の2組が

     降りしきる雪のなか、ムコ殿が宙に舞った。集落の娘をよそに取られたやっかみと祝福を込めて始まった松之山の奇祭「むこ投げ」。今年も小正月15日に松之山温泉で行い、鎮守の薬師堂前の崖からふたりのムコ殿が5㍍余の崖下に勢いよく放り投げられた。積雪は2㍍余でふかふかの新雪にまみれながら、愛妻の元に転がり落ちていった。今回は昨年入籍した一般公募2組。東京都在住の早川元さん(27)・愛さん(23、十日町市北新田出身)夫妻と、神奈川県在住の福原圭杜さん(31、津南町外丸出身)・渚未さん(32)夫妻が参加した。

    2025年1月18日号

  • その時々、声掛けが

    大津 富士夫さん(1964年生まれ)

     これまでの人生の歩みの節目、節目に人との出会いがあり、声掛けがあり、事態が良い方向に流れた。20代の時。特に信仰心が強かったわけではなかったが、友人に誘われて行ったある宗教の集会。

    2025年1月18日号

  • 「自律社会」の次に来る「自然社会」とは

    2025年の予測

    清水 裕理 (経済地理学博士)

     早いもので2025年(令和7年)が幕を開けてから半月がたちました。
     年初には様々な方々や専門家が、その年の予測をします。そのなかで、『S I N I C(サイニック、Seed-Innovation to Need-Impetus Cyclic Evolution)理論が描く未来』が、注目を集めています。
     これは、京都に本社がある血圧計で有名なオムロンの創業者が1970年に提唱したもので、そこでの予測が当たり続けていると言われています。S I N I C理論は約50年前に考えられたものですが、2025年に新しい社会が始まると予測しているのです。
     ちなみに、これまで、2005年から2024年の20年間は「最適化社会」、その前の1974年から2004年は「情報化社会」が来ると予測して的中させました。そして、2025年からの「自律社会」、さらに2033年からの「自然社会」を予測しています。
     「自律社会」では、世の中の価値観が、これまでの利便性や快適性、分業化といったものから大きく変化し、心の豊かさを求め、自立した個が相互に支えあう社会へ移行するとしています。そこでは、個の心とそのつながりにより、新しいものが創造される、としています。
     『いま大きな転換期を迎えている』という感覚を持っていらっしゃる方々は多いと思います。そのためか、最近、『グレート・リセット』などという言葉を耳にするようになりました。
     ただ、そのような大きな変化が、今年からすでに始まっているのかというと、まだ早いように思うのですが、大学で20歳前後の若者を見ていると、若者の行動というのはこれからの時代をすでに体現しているのでしょうか、利便性を重視するより、個の心を大切にしているように見受けられます。
     「自律社会」の次に来るとされている「自然社会」は、一段高いレベルに発展を遂げた、ハイパー原始社会とのことですが、さすがにそこまで想像が追いつきません。とはいえ、それも8年後の2033年から始まると予測されており、もしそうだとしたら、これから何が起こるのだろう…と思ってしまいます。
     映画の中だけでの話だろうと思っていたパンデミックが実際に起き、それにより多くの人々の意識が変わったことを考えると、何が起きるかは分からないような気もします。
     そのようなことを思う2025年の始まりでした。

    2025年1月18日号

  • 厳冬の一番滝

    小林 幸一(津南案内人)

     見玉不動尊に初詣を兼ねて新年初撮影に出かけました。境内は雪に覆われ滝の音だけが響き渡ります。雪を踏みしめ7段の滝の一番滝を拝み、今年も素敵な発見と出逢い、そして良い写真が撮れることを祈りました。

    2025年1月18日号

  • 遅い初夢、正夢になるか…

     ハローワークに行ったら、こんな求人があった。「十日間市議会議員募集、月額報酬34万円、年間報酬500万円超、年4回の定例市議会、ほかに臨時議会、委員会活動など。募集締切4月20日午後5時、応募資格25歳以上」。いよいよそういう時代になったか…しげしげと募集資料を見ていると誰かが肩を叩いてきた、振り返ると、そこには…。そこで目が覚めた。かなり遅い初夢だった。
     今春、その十日町市議選がある。任期満了は4月30日。その前週4月20日告示、27日投票だ。12月14日号の「十日町市の時計が止まっている」には多くの声を頂いた。いやいや、そもそも「時計が狂っている」との声も届き、今春同時選となる市長選、市議選が始まっている証左と受け止めた。
     その市議選、なかなか動きがない。ということは現職の多くが再出馬することでもある。今期限りで引退する現職はこれまでに3人、と言われているが、確実な退任表明は副議長・宮沢幸子氏だけ。巷間、飛び交う情報と本人確認が取れている引退現職は他に2人だけ。他の現職は「再出馬」のようだ。一方の新人。これまでに3人が表明し、新たに2人の具体名が巷間で飛び交っている。だが、女性の名は聞かれない。
     現定数24、それを5人削減し、改選定数は19。このまま現職再出馬、新人擁立となれば、稀に見る激戦市議選となる様相だ。さらに3月市議会で議員報酬改定が可決すれば、月額報酬34万円となり、年報酬は500万円を超える。県内では低賃金地域で知られる十日町地域で、この500万円は決して少ない額ではないだろう。
     初夢の妄想は、一笑できない現実がそこにある。失業中のあなた、転職を考えているあなた、Uターンを考えているあなた、女性をもっと市議会へと思うあなた、「市議業のすすめ」だ。手を上げるチャンスが目の前にある。

    2025年1月18日号

  • キミのなまえは世界一大募集!

    オンライン取材も可能!

    2025年1月11日号

  • 柏崎刈羽原発再稼働・県民投票

    思い「14万筆超」、県議会動向に関心

    十日町市7315筆、津南町1795筆、目標達成率県トップクラス

     世界最大級の東京電力・柏崎刈羽原発(2012年から運転停止)の6、7号機再稼働の動きが加速するなか、「再稼働判断に県民の明確な意思表示を」と全県で行っている県民運動「柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会」。県民投票条例制定を県議会に直接請求するのに必要な「署名3万6400人」を上回り、現在33市区町村で「14万筆」を突破している。目標の20万筆には届いていないが、同じ条例制定を求めた13年前の約6万8千人署名を大きく上回り、県議会の判断が注目される。妻有地域では独自目標『署名1万人』を掲げ、両市町署名は『9110人』(達成率91%)で、内訳は十日町市『7315人』(同86%)、津南町『1795人』(同121%)で、独自目標に対しての達成率は県内トップクラス。「原発再稼働に自分の意思を反映させたい住民の思いの表れ」と関係者はみる。署名は柏崎市、刈羽村、南魚沼市、魚沼市の4市村が継続中で、来月1日までに終了。署名は各市町村選挙管理委員会の審査を受け、3月18~19日に県に署名簿を提出。4月7~8日に臨時県議会に図る見込みだ。

    2025年1月11日号

  • 食べる楽しさを ごっつお探求会

    煮なますや米粉ピザ

     〇…郷土の味を知り、さらに子どもたちにも調理体験を通し食べるものを作る喜びを知って貰おうと昨年から始まった「妻有のごっつぉ~探求会」(南雲留里子代表)。農村地域生活アドバイザーで、郷土料理集『昔なつかし 津南のごっつぉ』(2010年刊)発刊にも携わった阿部和子さん(69、美穂)を講師に食探求会を継続。第3回は先月21日に町総合センターで開き、阿部さんが作った煮なます、奈良漬など試食。子どもたちは米粉ピザづくりに挑戦するなどし、料理交流した。

    2025年1月11日号

  • 「生きるとは…」、支えます

    寒河江 健さん(1986年生まれ)

     「自分は何をしたいのか…、生きるとは…」、その自問自答から見出し、進んだ思想や哲学、心理学の分野。

    2025年1月11日号

  • 水は飲むと2分で全身を巡ります

    「のどが渇いた」、すでに水分量2%不足

    Vol 112

     例年、年末年始で帰省してくる人が持って来るといわれているインフルエンザが12月になるや否や大流行となり、年末からは新型コロナ感染症が流行中です。皆さん元気に新年をお迎えでしょうか。明けましておめでとうございます。新年第1回目の今日のお話は「潤いと健康」についてです。
     実は私、エアコンの風が苦手。冷房も暖房もどちらもです。最近の良いエアコンは「快適設定」なんていう素敵なAIモードがあって、そのときどきで過ごしやすい温度や湿度に保ってくれるようですが、どうもエアコンをつけっぱなしにしておくと空気が乾燥しすぎて、すぐにのどの痛みに繋がって風邪を引いてしまうのです。
     成人の体の55~60%は水分で出来ています。水分不足になるとからだにさまざまな不調の症状が出てきます。鼻やのどの粘膜の乾燥が起こると、粘液が少なくなり、粘膜の表面で、異物を吐き出すほうきのような役割の線毛の動きが弱くなってしまうため、ウィルスや細菌がうまく体の外に排出できず風邪を引きやすくなるといわれています。
     私は小さい頃から慢性鼻炎のために口呼吸がクセになってしまっていること、年齢的にもややドライマウスの傾向があるので、特に気をつけてのどを守っていかないとのどの粘膜を傷つけて風邪を引いてしまいます。どうしてもエアコンをつけっぱなしにしないといけないような状況では、寝る時でもなるべくマスクをして加湿に心がけます。
     つまり、風邪を引きたくなければ、まずは粘膜を強くする食べ物(コラーゲンを含むもの)を積極的にとり、そしてこまめに水分補給をして粘膜を潤わせておくことが大事というわけです。
     冬は汗をかかないため、なんとなく水分をとることをおろそかにしてしまいがち。でも、厚着のために思ったより汗をかいていたり、常に暖房の効いた環境に身を置いていることが多いので、案外脱水している人が多いように思います。「のどが渇いた」と感じたときには、すでに必要な体内の水分量が2%も不足している状況と知っていてくださいね。
     また、1日に飲み物から取ってほしい水分量は「体重×40~50㎖」といわれています。特に高齢の方の水分不足は免疫力の低下だけでなく、脳細胞の機能を落とし、認知能力が低下することや情緒不安定につながったり、最悪の場合、血液が濃くなって固まりやすくなることで血管の中で血栓を作り、脳梗塞や心筋梗塞につながり命に関わる事態を引き起こす可能性があります。できたら寝る前と起床時には水分を取っていただきたいものです。
     水は飲むと2分で全身を巡ります。トイレに行ったらその分の水を少し口に含んでもらうと良いのかな、と思っています。ペットボトルなどをベッドわきに用意しておくのが良いかもしれませんね。ただし、ペットボトルの中身は、お茶などの利尿がつく飲み物ではなく「水」をご用意くださいね。
     そうはいっても寝る前に水分を取ると夜中にトイレに何度も行くようになって困る、という方は、投薬治療や座って治す器械などもあります。ぜひお気軽にご相談くださいね。(たかき医院・仲栄美子院長)

    2025年1月11日号