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妻有新聞掲載記事一覧

  • スマホと「落とし紙」、ご破算で変わりゆく世

    時代への慣れ方

    長谷川 好文 (秋山郷山房もっきりや)

     大雪の屋根掘りを栄村救助員の方に助けてもらって、脳梗塞後、自身の状態を東京の従兄弟達に伝え、今後、何時会えなくなるか分からないので別離の挨拶をしに出た。
     移動しながら見る、東京あたりの電車のほぼ90%の乗客はスマホを手にして動画を見ていたようだ。なかには画面を両指で叩きながらドアの閉まる間際に車両から降りる人もいた。度々東京には出なくなったせいもあるが、出る度に都会の人たちの性向が過激になっているように感じた。多分スマホを手にする時間が増え、その分、電子機械に馴染んでくるのだろう。
     しかし今では髪の白い老人も、綺麗に和服を着た奥様も、みんなスマホに視線を落としている。もっともパソコンを使い始めて10年以上経って、「こんなの分かるものか!」と匙を投げていた60歳だった私も、分からないなりに人差し指一本でキーボードを叩いている。
     もちろん、分かっているのではないが指を動かしながら、間違いながら年賀状もできるようになる。あれだけ嫌がっていたのに、時間がそれに慣れさせ、受け入れざるを得なくさせたのだ。今では分からないまま新聞を拡げるように付き合っている。

     秋山郷でトイレ用の落とし紙などない頃の話だから70年以上前になるのだろうが、新聞も届かない時はシダ類の山取りゼンマイを冬になる前に取って、玉にして冬の便所で使う落とし紙代わりにしていたという。相当の量で子供の仕事だった。
     春に若芽は食用にするからか(カクマ)と呼んで区別していたのかも知らん? 春近くなるとそのカクマの玉も乾いて便が手に付いたりして嫌なものだったという。すると、そのカクマの玉は荒縄に代わっていき、僕の子供の頃になって便所には新聞紙が手のひらサイズに切られて、便器の脇に置かれてそれを揉んで使っていた。柔らかい落とし紙になったのは多分10歳くらいの頃だろう。
     スマホと落とし紙を一緒に論じては申し訳ないが、何だってそうですが、そこで暮らして慣習が嫌だと思いながら、慣れてしまうもののようです。思えば時代が進むと今までのものが、ご破算になって変わっていき、新しい道具や器械に慣れるしかないのでしょう。
     今では固定電話は消えつつあり、携帯電話も少なくなりパソコンだってそのうち無くなるだろうし、wi-fiも日本全国で普通に使えるようになる。列車の改札も切符も無くなるというのだし、むかし携帯のメールが打てず苛立ってぶち投げたこともあった私の思い出が、笑い話になるまでの時間は、時が進むにつれ、どんどん短くなるようだ。ただカクマの落とし紙が延々と続いて無くなるまでの時間と、今の携帯電話の消滅との対比に慣れるか、慣れずに超老人になるかなのだろう。
     これからもどんどん新しい物に囲まれて、今の若者も中年、老人になる事だし、そのうちに宇宙の住宅が売りに出される日もあるのだろう。でもそんなものに気を使わず放っているうちに、驚いたり呆れたり間違いながらも、慣れていくのだろう。
     ただ、今ようやく賀状がPCで打てるようになった者として、年賀状じまいなどしないで100枚を目標に師走の25日までにちゃんと投函して、郵便局がそれで利益を出した時代があったのだから、局が潰れるまで元旦の年賀状を届ける義務があると思う。届かない時は、局に文句を言い続けることにする。それが国の時代を越えた仕事の責任なのだから。

    2025年1月11日号

  • 線路の除雪ロータリ

    照井 麻美(津南星空写真部)

     雪国の生活で驚いたことはどんなに雪が降っても学校は休校にならないし、電車もバスも普通に動いていることだ。東京で10センチの降雪があれば公共交通のダイヤは乱れ、更に降り積もれば物流も何もかもがストップする。

    2025年1月11日号

  • 感じていますか、14万1092筆の重み

     有効署名数の4倍近い思いが集まっている。柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票を求める署名運動の集計が7日公表され、市町村選管で署名簿審査が行われている。有効署名3万6千を上回ることは確実で、「県民投票で決める会」は3月中旬までに有効署名を基に花角知事に県民投票条例制定を直接請求する。知事による条例案提案を受け、県議会は4月中の臨時県議会で採決することになる。
     2ヵ月間取り組んだ署名活動。だが柏崎市など4市村は来月1日まで続ける関係で、知事への直接請求は3月になる。請求を受け知事は意見書を付け、県民投票条例案を県議会に提案する。
     柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票条例制定を求める運動は2012年にも行われた。だが県議会は条例案を否決した。当時の署名を大きく上回る県民の強い思いを、県議会・県議はどう受け止め、採決に臨み、賛否を下すか、最大の焦点になる。当時の県議会で自民代表で述べた尾身孝昭県議の姿がTVで流れている。『原発事業は国策であり国が責任を持って判断すべきこと』と論点すり替えしている。今回、この論理は通用しない。全国の原発で再稼働論議の判決が出ており、再稼働では地元同意が最大の判断要素になっている。それだけに地元県議会の採否には、重大な責任が伴う。
     署名運動で関心が高まる原発再稼働。年末から年始にかけて、当事者たる県議の挨拶言葉からは原発の言葉が消えている。意識の裏返しだろうが、4月の臨時県会まで時間がある。どうだろう、県議自ら住民の声を聞いては。 
     それとも、県民・市民・町民が地元県議への直接行動で「再稼働、どう思いますか?」と詰め寄ることもできる。幸い、尾身県議も小山県議も、魚沼エリアの県議も、事務所を構えている。「おじゃまします」と、新年挨拶がてら、訪ねてみてはいかがか。

    2025年1月11日号

  • 「JR水利権」、争点化へ

    今年6月更新期、魚沼の流域市議が連携グループに

    十日町市長選

     現職の態度表明がまだないなか、十日町市長選(4月20日告示、27日投票)は新人が先行する形で動きが始まっている。現職で4期の関口芳史市長(65)は、市議会12月議会で関連質疑の中で「市固有の歴史遺産を国内外に積極発信し地域総がかりのまちづくりに取り組む」と市政への積極姿勢を見せている。一方、三度目の挑戦となる樋口明弘氏(76)は昨年4月に出馬表明し、前回までの政策を中心に人から人へと繋げる活動を進める一方で、今年6月末に水利権が満了するJR東・宮中取水ダムの水利権更新への取り組み姿勢を明確にし、「発電の地元還元」を前面に打ち出し、市長選の争点化をはかっている。注目は現職・関口市長がどのタイミングで進退表明するかだ。4年前の前回は原発事故対応などの対処問題などを理由に表明時期を2月まで引っ張った経緯があり、今期の進退表明はいつするのか、市民の関心が集まっている。

    2025年1月4日号

  • 校舎に子ども喚声戻る

    IT拠点 外丸集学校

    初企画「とまるしぇ」で全教室開放

     〇…9年前の閉校以来、久しぶりに全教室が開放され、子どもたちの声が響いた。2015年に閉校した津南町立外丸小学校。廃校利用の一環で2年前の2023年1月にIT交流施設「外丸集学校」としてプレオープンするなか、初の全教室を使った交流企画「とまるしぇ@外丸集学校」は15日開催。かつて子どもたちが学んでいた教室棟で、ハンドメイドアクセサリーやデコスイーツ、手作り香水など体験、さらに手づくり品販売、ギター教室、子どもと大人向けマネー講座など24店が展開。閉校後に教室棟を全面的に使った初のイベント。多くの地域住民が訪れ「懐かしいね」などと久しぶりの母校に足を踏み入れていた。

    2025年1月4日号

  • 「生まれ育った店で、私らしい接客を」

    太田留美さん(1984年生まれ)

     東京丸の内のイタリアン店での経験が、今につながっている。

    2025年1月4日号

  • 昭和100年、節目の年の予感

    沈没寸前の泥船か

    藤ノ木信子 (清津川に清流を取り戻す会)

     謹賀新年、心清々しく深呼吸。おめでたい新年第一原稿だが、大人の都合でこの原稿を書いているのはせわしい師走、世の中は何故か華やいだ気分になれないニュースばかりだ。ざっと縦読みすると…
     *復興の進まない苦労の一年が過ぎようとしている能登(住民のお正月を思うと心が痛む)
     *何一つ解明されず変わりない裏金問題と官房機密費の選挙流用(脱税・公金流用だよ)
     *増税+物価高(ガソリンどうにかして~トリガー条項どこ行った?)
     *円安…完全に行き詰まる日銀(出口なき金融政策)
     *コロナ・インフルエンザ・マイコプラズマのトリプル流行と薬不足。
     *年末に続いた強盗や殺傷事件
     *増え続ける子ども食堂
     *三菱UFJ銀行の貸金庫窃盗事件(銀行の信頼の底が抜けたなあと思った。ご先祖様は江戸時代から続く信用で成り立つ鴻池両替商なのに)
     *島根県では農家が食料安全保障と持続可能な農業を訴えてトラクターデモ。一方、国会を見てみると「国民の皆さま方は輸入した物が食べたいんです」って農水大臣が答弁していて目が点(自給率上げようとしている農家さんに大臣席に座って欲しい)
     *手のひら返しのエネルギー基本計画。原子力を「依存度を低減する」としてきた素案が、「最大限活用していく」方針に変わってしまい、すっかり原発回帰(何億円も企業献金もらっただろうなあ…)
     *総理大臣は衆議院のマイナ保険証の質疑で「当選したからといって私の掲げた公約通りやりません」と言う有り様…いやはや政治家もお役人も検察も裁判官も医療も銀行も報道も、日本中が私利私欲で法治と倫理の底が抜けた国になってしまったなあ…

     世界に目を向けるとトランプ氏の再登場するアメリカ、アサド政権終焉後のシリアやウクライナ情勢、韓国や台湾など一斉に変わり目を感じる。 経済はドル基軸からBRICSの拡大で変わるし、エネルギーやIT、医療の技術も主導国が移り、いつまでも利権を奪い合っている日本は追米従属の立ち位置のまま後進国になっていくのか。国民生活はギリギリ、沈没寸前の泥船に乗っている気分だ。 
     おっと、ボヤキばかりじゃ暗くなる。新年くらい宝船に乗らないと…と言うわけで冬至の日、冬至点の時刻に一足お先に新年の願い事をした。
     どうか皆様が明るく穏やかに健やかに笑って暮らせますように。そう言えば新年はちょうど昭和100年、節目のようで大きく世の中が変わる気がする。昭和生まれの私も、ボケてはいられないな…。

    2025年1月4日号

  • 雪の上の昆虫

    南雲 敏夫(県自然観察指導員)

     少し暖かい日の雪の上にはいろんな昆虫を見かける事がある。写真はカマドウマのカゲロウの仲間だが、なぜ雪の上にいるんだろうか…
     蜘蛛の仲間も晴れている雪の上にはよく見かけるが、もちろん雪の上だから動きは相当遅い。

    2025年1月4日号

  • まちづくり、「にいがた圏」で後押し

    移住10年目の大塚眞さん

     人と人とのつながりが深い十日町に10年前移住し、地域の活性化や地方創生に取り組む大塚眞さん(32)。

    2025年1月4日号

  • 驚異の「1・41」、県へアピールを

     流れが来ている、そう感じる数字に驚いた。新潟県立中高一貫校が誕生して23年。その県は「当初の目的は達成した」と中高一貫校のあり方を全面的に見直す方針を打ち出した。それは「閉校」であり「再編」であり、高校の統廃合だ。
     その中高一貫校のひとつ、開校19年の津南中等教育学校の今年4月入学の選抜志願者倍率は「1・41」。定員80に対し113人の入学希望者が集まった。この数字はしっかりと、深く考え、次なる行動を起さなくてはならない驚異の数字だ。
    「先ずは定員を上回ること」、地元に津南中等を持つ津南町の桑原悠町長は、見直しの県方針が出て以降、機会があるごとに述べている。その日頃のジャブが効いたのか、1倍を大きく上回る志願倍率になった。新潟県教委は10年先を見越した中高一貫校を含む「高校再編」を示し、その具体的な取り組み方針プランを3月、公表する方針だ。今回の津南中等の「実績」は、軽々に3月プランに「再編校」として載せられない数字の実績だが、県は3年ごとに見直す方針。この定員超過をこの先も維持するには、やはり「広域連携の運動」が必要だろう。
     十日町・津南エリア、さらに南魚沼・湯沢・北魚エリア。この全魚沼エリア唯一の県立中高一貫校が津南中等校。新潟県内公立高校の大学進学率でも、トップ3の常連校になっている。教育関係者は「あの県境で、通学に不便な地の学校が、なぜ…」と首を傾げる津南中等校の実績である。生徒と先生の関係性の良さ、それが学習効果を上げ、生徒の自主性が育ち、「夢の実現」の通り、目標突破を果たしている。それを支える地元津南町の支援。通学補助、学生宿舎の設置など、まさに「官学協働モデル」が津南中等校と言える。
     広域連携の時だろう。県へのアピールの好機。先ずは隣人から。桑原町長、関口市長とのスクラムの時ですよ。

    2025年1月4日号

  • スマホと「落とし紙」、ご破算で変わりゆく世

    時代への慣れ方

    長谷川 好文 (秋山郷山房もっきりや)

     大雪の屋根掘りを栄村救助員の方に助けてもらって、脳梗塞後、自身の状態を東京の従兄弟達に伝え、今後、何時会えなくなるか分からないので別離の挨拶をしに出た。
     移動しながら見る、東京あたりの電車のほぼ90%の乗客はスマホを手にして動画を見ていたようだ。なかには画面を両指で叩きながらドアの閉まる間際に車両から降りる人もいた。度々東京には出なくなったせいもあるが、出る度に都会の人たちの性向が過激になっているように感じた。多分スマホを手にする時間が増え、その分、電子機械に馴染んでくるのだろう。
     しかし今では髪の白い老人も、綺麗に和服を着た奥様も、みんなスマホに視線を落としている。もっともパソコンを使い始めて10年以上経って、「こんなの分かるものか!」と匙を投げていた60歳だった私も、分からないなりに人差し指一本でキーボードを叩いている。
     もちろん、分かっているのではないが指を動かしながら、間違いながら年賀状もできるようになる。あれだけ嫌がっていたのに、時間がそれに慣れさせ、受け入れざるを得なくさせたのだ。今では分からないまま新聞を拡げるように付き合っている。

     秋山郷でトイレ用の落とし紙などない頃の話だから70年以上前になるのだろうが、新聞も届かない時はシダ類の山取りゼンマイを冬になる前に取って、玉にして冬の便所で使う落とし紙代わりにしていたという。相当の量で子供の仕事だった。
     春に若芽は食用にするからか(カクマ)と呼んで区別していたのかも知らん? 春近くなるとそのカクマの玉も乾いて便が手に付いたりして嫌なものだったという。すると、そのカクマの玉は荒縄に代わっていき、僕の子供の頃になって便所には新聞紙が手のひらサイズに切られて、便器の脇に置かれてそれを揉んで使っていた。柔らかい落とし紙になったのは多分10歳くらいの頃だろう。
     スマホと落とし紙を一緒に論じては申し訳ないが、何だってそうですが、そこで暮らして慣習が嫌だと思いながら、慣れてしまうもののようです。思えば時代が進むと今までのものが、ご破算になって変わっていき、新しい道具や器械に慣れるしかないのでしょう。
     今では固定電話は消えつつあり、携帯電話も少なくなりパソコンだってそのうち無くなるだろうし、wi-fiも日本全国で普通に使えるようになる。列車の改札も切符も無くなるというのだし、むかし携帯のメールが打てず苛立ってぶち投げたこともあった私の思い出が、笑い話になるまでの時間は、時が進むにつれ、どんどん短くなるようだ。ただカクマの落とし紙が延々と続いて無くなるまでの時間と、今の携帯電話の消滅との対比に慣れるか、慣れずに超老人になるかなのだろう。
     これからもどんどん新しい物に囲まれて、今の若者も中年、老人になる事だし、そのうちに宇宙の住宅が売りに出される日もあるのだろう。でもそんなものに気を使わず放っているうちに、驚いたり呆れたり間違いながらも、慣れていくのだろう。
     ただ、今ようやく賀状がPCで打てるようになった者として、年賀状じまいなどしないで100枚を目標に師走の25日までにちゃんと投函して、郵便局がそれで利益を出した時代があったのだから、局が潰れるまで元旦の年賀状を届ける義務があると思う。届かない時は、局に文句を言い続けることにする。それが国の時代を越えた仕事の責任なのだから。

    2025年1月11日号

  • 線路の除雪ロータリ

    照井 麻美(津南星空写真部)

     雪国の生活で驚いたことはどんなに雪が降っても学校は休校にならないし、電車もバスも普通に動いていることだ。東京で10センチの降雪があれば公共交通のダイヤは乱れ、更に降り積もれば物流も何もかもがストップする。

    2025年1月11日号

  • 感じていますか、14万1092筆の重み

     有効署名数の4倍近い思いが集まっている。柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票を求める署名運動の集計が7日公表され、市町村選管で署名簿審査が行われている。有効署名3万6千を上回ることは確実で、「県民投票で決める会」は3月中旬までに有効署名を基に花角知事に県民投票条例制定を直接請求する。知事による条例案提案を受け、県議会は4月中の臨時県議会で採決することになる。
     2ヵ月間取り組んだ署名活動。だが柏崎市など4市村は来月1日まで続ける関係で、知事への直接請求は3月になる。請求を受け知事は意見書を付け、県民投票条例案を県議会に提案する。
     柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票条例制定を求める運動は2012年にも行われた。だが県議会は条例案を否決した。当時の署名を大きく上回る県民の強い思いを、県議会・県議はどう受け止め、採決に臨み、賛否を下すか、最大の焦点になる。当時の県議会で自民代表で述べた尾身孝昭県議の姿がTVで流れている。『原発事業は国策であり国が責任を持って判断すべきこと』と論点すり替えしている。今回、この論理は通用しない。全国の原発で再稼働論議の判決が出ており、再稼働では地元同意が最大の判断要素になっている。それだけに地元県議会の採否には、重大な責任が伴う。
     署名運動で関心が高まる原発再稼働。年末から年始にかけて、当事者たる県議の挨拶言葉からは原発の言葉が消えている。意識の裏返しだろうが、4月の臨時県会まで時間がある。どうだろう、県議自ら住民の声を聞いては。 
     それとも、県民・市民・町民が地元県議への直接行動で「再稼働、どう思いますか?」と詰め寄ることもできる。幸い、尾身県議も小山県議も、魚沼エリアの県議も、事務所を構えている。「おじゃまします」と、新年挨拶がてら、訪ねてみてはいかがか。

    2025年1月11日号

  • 「JR水利権」、争点化へ

    今年6月更新期、魚沼の流域市議が連携グループに

    十日町市長選

     現職の態度表明がまだないなか、十日町市長選(4月20日告示、27日投票)は新人が先行する形で動きが始まっている。現職で4期の関口芳史市長(65)は、市議会12月議会で関連質疑の中で「市固有の歴史遺産を国内外に積極発信し地域総がかりのまちづくりに取り組む」と市政への積極姿勢を見せている。一方、三度目の挑戦となる樋口明弘氏(76)は昨年4月に出馬表明し、前回までの政策を中心に人から人へと繋げる活動を進める一方で、今年6月末に水利権が満了するJR東・宮中取水ダムの水利権更新への取り組み姿勢を明確にし、「発電の地元還元」を前面に打ち出し、市長選の争点化をはかっている。注目は現職・関口市長がどのタイミングで進退表明するかだ。4年前の前回は原発事故対応などの対処問題などを理由に表明時期を2月まで引っ張った経緯があり、今期の進退表明はいつするのか、市民の関心が集まっている。

    2025年1月4日号

  • 校舎に子ども喚声戻る

    IT拠点 外丸集学校

    初企画「とまるしぇ」で全教室開放

     〇…9年前の閉校以来、久しぶりに全教室が開放され、子どもたちの声が響いた。2015年に閉校した津南町立外丸小学校。廃校利用の一環で2年前の2023年1月にIT交流施設「外丸集学校」としてプレオープンするなか、初の全教室を使った交流企画「とまるしぇ@外丸集学校」は15日開催。かつて子どもたちが学んでいた教室棟で、ハンドメイドアクセサリーやデコスイーツ、手作り香水など体験、さらに手づくり品販売、ギター教室、子どもと大人向けマネー講座など24店が展開。閉校後に教室棟を全面的に使った初のイベント。多くの地域住民が訪れ「懐かしいね」などと久しぶりの母校に足を踏み入れていた。

    2025年1月4日号

  • 「生まれ育った店で、私らしい接客を」

    太田留美さん(1984年生まれ)

     東京丸の内のイタリアン店での経験が、今につながっている。

    2025年1月4日号

  • 昭和100年、節目の年の予感

    沈没寸前の泥船か

    藤ノ木信子 (清津川に清流を取り戻す会)

     謹賀新年、心清々しく深呼吸。おめでたい新年第一原稿だが、大人の都合でこの原稿を書いているのはせわしい師走、世の中は何故か華やいだ気分になれないニュースばかりだ。ざっと縦読みすると…
     *復興の進まない苦労の一年が過ぎようとしている能登(住民のお正月を思うと心が痛む)
     *何一つ解明されず変わりない裏金問題と官房機密費の選挙流用(脱税・公金流用だよ)
     *増税+物価高(ガソリンどうにかして~トリガー条項どこ行った?)
     *円安…完全に行き詰まる日銀(出口なき金融政策)
     *コロナ・インフルエンザ・マイコプラズマのトリプル流行と薬不足。
     *年末に続いた強盗や殺傷事件
     *増え続ける子ども食堂
     *三菱UFJ銀行の貸金庫窃盗事件(銀行の信頼の底が抜けたなあと思った。ご先祖様は江戸時代から続く信用で成り立つ鴻池両替商なのに)
     *島根県では農家が食料安全保障と持続可能な農業を訴えてトラクターデモ。一方、国会を見てみると「国民の皆さま方は輸入した物が食べたいんです」って農水大臣が答弁していて目が点(自給率上げようとしている農家さんに大臣席に座って欲しい)
     *手のひら返しのエネルギー基本計画。原子力を「依存度を低減する」としてきた素案が、「最大限活用していく」方針に変わってしまい、すっかり原発回帰(何億円も企業献金もらっただろうなあ…)
     *総理大臣は衆議院のマイナ保険証の質疑で「当選したからといって私の掲げた公約通りやりません」と言う有り様…いやはや政治家もお役人も検察も裁判官も医療も銀行も報道も、日本中が私利私欲で法治と倫理の底が抜けた国になってしまったなあ…

     世界に目を向けるとトランプ氏の再登場するアメリカ、アサド政権終焉後のシリアやウクライナ情勢、韓国や台湾など一斉に変わり目を感じる。 経済はドル基軸からBRICSの拡大で変わるし、エネルギーやIT、医療の技術も主導国が移り、いつまでも利権を奪い合っている日本は追米従属の立ち位置のまま後進国になっていくのか。国民生活はギリギリ、沈没寸前の泥船に乗っている気分だ。 
     おっと、ボヤキばかりじゃ暗くなる。新年くらい宝船に乗らないと…と言うわけで冬至の日、冬至点の時刻に一足お先に新年の願い事をした。
     どうか皆様が明るく穏やかに健やかに笑って暮らせますように。そう言えば新年はちょうど昭和100年、節目のようで大きく世の中が変わる気がする。昭和生まれの私も、ボケてはいられないな…。

    2025年1月4日号

  • 雪の上の昆虫

    南雲 敏夫(県自然観察指導員)

     少し暖かい日の雪の上にはいろんな昆虫を見かける事がある。写真はカマドウマのカゲロウの仲間だが、なぜ雪の上にいるんだろうか…
     蜘蛛の仲間も晴れている雪の上にはよく見かけるが、もちろん雪の上だから動きは相当遅い。

    2025年1月4日号

  • まちづくり、「にいがた圏」で後押し

    移住10年目の大塚眞さん

     人と人とのつながりが深い十日町に10年前移住し、地域の活性化や地方創生に取り組む大塚眞さん(32)。

    2025年1月4日号

  • 驚異の「1・41」、県へアピールを

     流れが来ている、そう感じる数字に驚いた。新潟県立中高一貫校が誕生して23年。その県は「当初の目的は達成した」と中高一貫校のあり方を全面的に見直す方針を打ち出した。それは「閉校」であり「再編」であり、高校の統廃合だ。
     その中高一貫校のひとつ、開校19年の津南中等教育学校の今年4月入学の選抜志願者倍率は「1・41」。定員80に対し113人の入学希望者が集まった。この数字はしっかりと、深く考え、次なる行動を起さなくてはならない驚異の数字だ。
    「先ずは定員を上回ること」、地元に津南中等を持つ津南町の桑原悠町長は、見直しの県方針が出て以降、機会があるごとに述べている。その日頃のジャブが効いたのか、1倍を大きく上回る志願倍率になった。新潟県教委は10年先を見越した中高一貫校を含む「高校再編」を示し、その具体的な取り組み方針プランを3月、公表する方針だ。今回の津南中等の「実績」は、軽々に3月プランに「再編校」として載せられない数字の実績だが、県は3年ごとに見直す方針。この定員超過をこの先も維持するには、やはり「広域連携の運動」が必要だろう。
     十日町・津南エリア、さらに南魚沼・湯沢・北魚エリア。この全魚沼エリア唯一の県立中高一貫校が津南中等校。新潟県内公立高校の大学進学率でも、トップ3の常連校になっている。教育関係者は「あの県境で、通学に不便な地の学校が、なぜ…」と首を傾げる津南中等校の実績である。生徒と先生の関係性の良さ、それが学習効果を上げ、生徒の自主性が育ち、「夢の実現」の通り、目標突破を果たしている。それを支える地元津南町の支援。通学補助、学生宿舎の設置など、まさに「官学協働モデル」が津南中等校と言える。
     広域連携の時だろう。県へのアピールの好機。先ずは隣人から。桑原町長、関口市長とのスクラムの時ですよ。

    2025年1月4日号